医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

ビタミンCとガンに関するいろんな研究報告について 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-02-16 16:10:44 | 栄養医学、ニュートリシィオナル サイエン
ガンとビタミンCの関係に関する研究は、以前から数多く報告されています。Schlegel博士は、尿中ビタミンC濃度を適切に保つ(一日あたり1.5g摂取に相当する)と膀胱腫瘍の発生と再発を防ぐと、報告しています。また、ドゴス博士らは、1975年に直腸の腺腫様ポリープになりやすい体質的素因をもってるヒトに、3g/日のビタミンCを経口投与し、ポリープ発育の抑制効果を研究し、8人の患者のうち2人のポリープは完全に消失し、3人では部分的に退縮したと、報告しています。

Cameron博士とPauling博士は、治療不能の進行ガン患者へのビタミンC大量投与により、qulaity of lifeの改善、延命効果、ガンによる痛みの軽減、それにガンによる倦怠感の軽減効果を報告しています。このような事実に対する説明として、ビタミンCの大量投与は、効果的な間質反応を維持し、悪性腫瘍を緻密な繊維組織からなる非透明性の膜の中に閉じ込める宿主(ヒト)がもともと持っている能力を引き出すのに、ビタミンCは必要な栄養素と考えられると、報告しています。

実験動物での実験的ガンの研究では、大村博士らは、ビタミンCとその代謝産物はマウス腫瘍180の増殖に対し、明らかな阻害効果を有すると、報告しています。Russel博士らは、ビタミンCの欠如はメチルコラントレインによる発がんに対し、天竺ネズミの感受性を高め、ガンの増殖と拡大を促進させたと、報告しています。いろんな研究の集積により、現在、世界中の多くの臨床医が、ガンへのビタミンC点滴療法を実施し、効果を実感しています。ビタミンCのガンへの効果の更なる研究が期待されます。

References
Linus Pauling. Ewan Cameron, et al. Cancer and VitaminC.1979. Linus Puling Institute of science and medicine