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医科栄養学・栄養医学ブログ

医学部で医科栄養学を学んだ経験と最新の栄養医学をこのブログに反映したいと、考えています。

ガン対策としてのビタミンC研究の経過について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-06-27 10:26:01 | 健康・病気
ビタミンCとガンの関係については、過去に多くの研究者が研究し、報告しています。Pauling博士とCameron博士によると、ガンの発達と進行は、ビタミンCに対する要求量の増加を喚起するという、ヒトと実験動物での研究があります。その研究によると、ビタミンCは細胞間基質の結合、および悪性侵襲性増殖に対する抵抗性に重要で、侵襲性ガン酵素の阻害に必要とされる十分な証拠が存在します。また、ビタミンCは新しいコラーゲンの形成に必要であり、新しい線維組織壁のガン細胞を網状にして、ガン患者に抵抗性をつけます。

ビタミンCの大量摂取はいろんな状態において、免疫システムを調整する証拠が存在します。また、ビタミンCは種々の化学的、物理的発がん、および腫瘍形成ウイルスに対し、やはり、いくらか防御作用をもたらす可能性があり、また、ガンに対する抵抗性に必要と、研究結果から考えられます。

全体的証拠では、ビタミンC摂取の増加がガンの予防と治療に利益をもたらすのは可能であり、試験的臨床研究は、この見解を支持する傾向にあります。なお、ビタミンCは、ガンの他の治療薬に比べて、唯一の長所を有し、ほとんど完全に安全で、長期間、大量摂取でも無害です。現在、ビタミンC点滴療法でも、ある種の遺伝的酵素活性異常(G6PD酵素活性の低下)のガン患者や抗がん剤の副作用の心不全のあるガン患者や、その他に、持病の腎不全のあるガン患者など以外は、安全に点滴されていると、報告されています。経口投与の場合は、毎食後に分けて摂取するのが、胃腸に負担をかけないと、報告されています。更なる臨床研究の繰り返しが待たれます。

References
Pauling ,L. Cancer Research. 39,631-663.March 1979



ガンへのビタミンC投与の過去の臨床研究について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-06-26 16:09:28 | 健康・病気
ヒトのガン管理の臨床試験において、ヒトの膀胱ガンの進行を遅らせるために、Schlegel博士らは、ビタミンCを用い有望な結果を得ています。また、ウイスコンシン大学のPeccose博士らは、経口投与によるビタミンCが家族性結腸茸腫症に対し、いくらかの退行をもたらし、博士らは予防的手段としてビタミンCの使用を勧めています。また、同じ研究で、経口投与によるビタミンCは、突然変異誘発性糞中ステロイドの量を減少させるが、これらは特異的腫瘍症の場合に見られます。Cameron博士らによる臨床研究では、ビタミンCの大量投与は、ガンに対する自然抵抗性を強め、治療できない末期ヒト癌において、限定的な緩和効果を有していることが、明らかになりました。もっと初期のステージのガン患者に用いられた場合、もっと有望な結果が出ると、博士らは考えています。

そして、これらの臨床研究から、ビタミンCの投与することが、ガン患者に生活の質の改善もたらすだけでなく、進行ガン患者の生存時間の延長をもたらすことを示し、また、ある程度の救済をもたらし、初期のガン患者の場合、もっと有望な効果をもたらす可能性があります。更なる研究の積み重ねが待たれます。

References
Cameron, E. Chemi-Biol Interactions. 9(1974),285-315
Pauling, L.Cancer Research. Vol39,Page675, March, 1979



喫煙によるガンへのビタミンCの作用と宿主抵抗性、ホルモンバランスについて 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-06-22 14:03:33 | 健康・病気
身近でも喫煙により、食道ガン、喉頭ガン、それに肺がんなどを発症し、早死にした人を多く聞きます。これらの喫煙による発がんとビタミンCの関係では、非喫煙者に比べて、喫煙者は、全血ビタミンC値、血清ビタミンC値、それに白血球ビタミンC値が低値で、喫煙がビタミンC貯蔵を枯渇させる証拠が研究報告されています。これらの研究結果から、喫煙者は、ビタミンC摂取を増やすことが賢明な用心となります。

ガンに対する宿主抵抗性に関しては、あらゆるガン患者において、最高値まで宿主抵抗力を強める能力は、ガン治療を改善さすに違いありません。ここで、ビタミンC代謝が、これら宿主抵抗性機構すべてに関わり合い、ビタミンCの適正量の摂取は、これら宿主抵抗性機構を最高の状態にするのに、単純、かつ安全な方法であります。

Stone博士によると、ビタミンCとホルモンバランスに関しては、ビタミンCの最高濃度は、副腎と脳下垂体中で見いだされ、壊血病の末期では、副腎のビタミンCの完全な枯渇が先行し、副腎皮質の失調から"壊血病死”に導かれることが、報告されています。そして、これらの事実から、ビタミンCー脱水素ビタミンC系は、副腎ー脳下垂体軸ホルモンの合成と遊離に重要な役割を演ずることが、示唆されます。個人個人のホルモン状態の変化、および、特に副腎ー脳下垂体軸での変化は、宿主抵抗性に著しい効果を高められることが、知られています。ホルモンオーケストラのメンバー間の相互作用に影響することによるビタミンCの可能性は、個人個人が望ましいステロイドホルモン環境、もしくは望ましくないステロイドホルモン環境を有するかどうかに、ビタミンCが関係し、ビタミンCが不足した場合、望ましくないステロイド環境に移行することが、ガンの発症や悪化に関係してると、示唆されます。更なる研究の積み重ねが待たれます。
References
Pauling,L.Cancer Research. 39, 663-681, March, 1979





コリンとベタインのガンリスクへの作用について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-06-17 15:24:26 | 健康・病気
栄養素のガンリスクへの作用が、疫学的研究やin vivoやin vitroで実施され報告されています。Shanwen Sun博士らの研究によると、ヒトと動物でのin vivoとin vitroでの研究では、食事性コリン、ベタインとガンリスクの間の関連が研究され、コリン(大豆や卵黄などに含まれる栄養素)とベタイン(魚以外の水産物、ほうれん草、甜菜、茸類に含まれる栄養素)の摂取は、ガンに対し防御作用を有する可能性があることが示唆されます。この関連を調査した疫学的研究が少しありますが、in vivoとin vitroでの研究結果とは違っていました。PubMedとEnbaseは、関係のある研究を明らかにするため、発足時から2016年三月まで調査し、結局、このメタ分析の11件の論文を発表しました。

蓄積された、関連したガンリスクは、コリン摂取のみでは、最も高いリスクの範囲から最も低いリスクまで、0.82(95%cl, 0.70から0.97)で、ベタイン摂取のみでは0.86(95%cl,0,76から0,97)、そして、コリンとベタインの併用摂取では、0.60(95%cl,0,40から0.90)でした。ガンに対してベタインとコリン併用グループは、意味のある防御効果が、研究デザイン、場所、ガンのタイプ、公表した年月日、性、研究の質のスコアに分類されて、観察されました。コリンとベタインの併用摂取を100mg/日、増量することにより、用量作用分析では、11%(0.89,95%cl,0.87から0.92)のガン発生率を減少させました。更なる研究の積み重ねにより、この研究が正しい事が証明されることを期待しています。

References
Shanwen Sun. Choline and betaine consumption lowers cancer risk:A meta-analysis of epidemiologic studies. Scientific reports.6, article number:35547(2016)






ベタインとガン抑制との関係について 栄養医学ブログ 日本ビタミンC研究会 藤井毅彦

2024-06-16 11:44:24 | 健康・病気
いろいろな栄養素のガンへの効果が研究され、報告されています。今回は、ガンとベタイン(栄養素)の関係について考えて行きたいと、思います。

Madan Kumar Arumugam博士らの研究によると、ベタイン(トリメチルグリシン)と疾患予防に関しては、ベタイン(魚以外の水産物、ほうれん草、甜菜、茸などに含まれる)は、酸化ストレス、原形質流動ストレス、それに炎症を軽減し、そしてガンの発育を遅らせ、神経保護作用を有し、心筋機能を保護し、膵臓脂肪症を防ぎます。また、ベタインは、ヒトの多様な疾患とその症状を軽減するのに、有望で有益な強い治療効果を発揮すると報告されています。

また、Hailum Xie博士らの研究によると、亜種タイプのガンでは、血清ベタイン値と肺がんのリスクの間には、確かな相関が見られ、負の相関が他のガンで見られました。面白いことに、U-型の関連が、血清ベタイン値の5.0/モル/リッターの転換点において、血清ベタイン値と消化器ガンの間で見られました。コホート研究では、持続的に変わりやすい血清ベタイン値とすべてのガンの間の強い相関がやはり見られました。高い血清ベタイン値では、全体のガンと肺がんのリスクと相関し、u-型の相関が、約5.0/nモル/リッターの転換点で、消化器ガンとのリスクが見られました。ベタインとガンの関係では、研究数が少ないので、研究の積み重ねにより、これらの関係が明らかになり、人類の光明に繋がる可能性が期待されます。

References
Madan Kumar Arumugan, et al. Beneficial effects of Betaine:A comprehensive Review . Biology(Basel).2021, Jun;10(6):456
Hailun Xie.Association of serum betaine concentration with the risk of new-onset cancers. Nutrition &Metabolism.20, Article number:46(2023)