グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

和歌山大学の皆さんと歩きました。

2014年03月18日 | ツアー
昨日、和歌山大学から3人の方々が、ジオパークの視察に来島されました。

写真左から…
観光を教える、火星研究者の中串さん。
http://wakarid.center.wakayama-u.ac.jp/ProfileRefMain_2123.html

防災教育センター長で地質学の研究者でもある此松さん。
http://wakarid.center.wakayama-u.ac.jp/ProfileRefMain_2136.html

一昨年の「ジオデータミュージアム」「マッピングパーティ」などの事業で大島と縁ができ、以来ずっと大島を気にかけてくれている杉山さん。
http://smappo.cc/企業情報/eer

皆さんと歩いた2日間は、驚きがいっぱいでした。
最初の「ビックリ!」は1枚目の写真の背景にある“1986年溶岩流が横の火山灰を焼いた現場”で。

溶岩流が薄く規則的に割れているのは、流れながら固まったから、と聞いています。

この薄く平らに割れた溶岩が転がっているのを見た杉山さんは…

「この溶岩、甘い!」とペロペロ!

杉山さんによると「岩にはみんな味がある」のだそうです。
(…そうなの??)

好奇心に勝てず、私も舐めてみました。
苦くも塩っぽくもなく、甘いと言われれば少しだけ甘いかなぁ…?

杉山さんはいつも「!」と思えるような、意見を述べてくれます。

昨日もヤブツバキの大木の下で「縄文時代の地層からヤブツバキの葉が出ているが、それは海流にのってやって来たのか?それとも縄文人が持ち込んだのか?」という話をしていた時のこと…

「椿のタネは食べられないので海流に乗ってやって来たと思う」という私の意見に対し、「僕だったら花を食べますよ。美味しいと思いますよ。きっと縄文人も花を食べていたと思いますよ。」と杉山さん。

「花を食べる」という発想に驚きましたが、確かにタイワンリスもサルも、花を食べると聞いたことがあります。

縄文人は,椿の花を見ながら「キレイだな」ではなく「おいしそうだな」と思っていたのでしょうか?

花粉化石を研究されている此松さんからは「オオシマカンスゲの花粉は、のっぺりしていると思いますよ。」と教えてもらいました。(写真わかりにくくてスミマセン~)

イネ科の花粉は丸いけれど、カヤツリグサ科は扁平なのだそう。

雄しべの”袋”の周辺に、細かい花粉の粒が見えるでしょうか?
この小さな小さな花粉に、そんなに色々な形があるなんて…

ビックリです。
そして、こんな小さな物の化石が、年代特定の鍵になると言うことにも驚きます。

その他にも皆さんと「くちびる」のような溶岩流を見つけ…


溶岩の皿に、チョコレートを盛りつけ…


壁にみえる地層が語る“噴火の様子”を再現し・・・


溶けてしまった馬の雪型を「こんどはラクダにみえる」などなど、語り合いながら歩きました。


そして、そして、三原山の西側斜面を下った時のこと…

この風景を見て、中串さんが「火星みたい」とつぶやいたので、とてもビックリしました!

だって、火星の研究者が「火星みたい」と評する風景って、スゴイと思いませんか?
中串さんいわく「写真をセピア色にすると、火星っぽくなりますよ。」とのこと。

さっそくやってみました。

いかがでしょうか?

火星の写真が載っているページも教えてもらいました。
ぜひ比べてみてください。
http://photojournal.jpl.nasa.gov/catalog/PIA02406
ゴロゴロ感が足りないけれど、良い感じですよね。

国立科学博物館のHPによると、火星には高さ25km、山全体の直径が 700kmもある巨大な火山があるそうです。頂上のカルデラ火口だけでも直径が70kmもあり、富士山がすっぽりはまるほどの大きさで、そのふもとは、高さ5~6kmのがけでとりかこまれているとか…。(スゴすぎる)

三原山を下った所で一休みしながら、宇宙の火山に思いを馳せてみるのって、かなり素敵は過ごし方のような気がします。

花粉の化石から、石の味、花を食べる縄文人、そして火星まで、和歌山大学の皆さんと歩いたことで、またまた世界が広がりました。とっても楽しかったです。

ありがとうございました!

(カナ)
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大島空から           | トップ | ヤマトシジミ »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
オモシロイ! (浜田 良)
2014-03-22 19:10:54
確かに、黒いシルエットは、ラクダに見えるし、

写真も火星みたいだし、なんか話が尽きない感じです。

もちろん、あなたの感性がすごく良いからですが、

これだから人生は楽しいのですね!!!
返信する
ほんとうに面白いです! (カナ)
2014-03-22 20:38:05
浜田さん、コメントありがとうございます。
火星を感じる風景のある島ってスゴイですよね。大島にますます惚れちゃいます。笑。
返信する

コメントを投稿

ツアー」カテゴリの最新記事