昨日、「伊豆大島の噴火史と土砂災害~火山島の自然との向かい合い方を考える。」というテーマの講演会,および御神火スカイライン現地勉強会が行われました。(今日は御神火スカイライン勉強会のみ,報告します。)
講師は静岡大学防災総合センターの小山真人先生。
今回の勉強会は、先生から「被害に遭われた方に精一杯の気持ちを表したい。」と開催の申し出があり、ジオパーク推進委員会が、お手伝いをさせていただく形で実現しました。
参加者は 総勢17名。
約3時間かけて山頂口から車道を下りました。
大島では、西暦1300年代に元町の上の山腹に連なって火口が開き、流れ出た溶岩が元町を広く覆ったと言われています。
そして溶岩流の上には“スコリア”と呼ばれる黒色や赤色の軽石が降り積もって、連なった山を作っていたそうです。
この景色を眺めている場所の後ろの山側の壁は…
確かに、赤い穴だらけの“スコリア”が積っていました。
赤いスコリアの上には「レス」とも呼ばれる細かい粒子の黄色い層と、黒っぽい火山灰層が乗っているのを目の前で観察しました。
降り積もった溶岩の下から流れ出し、元町の広い範囲を覆った溶岩流が出てきました!
左のグレーの岩が、冷えて固まった溶岩流の断面です。
崩落した道路を乗り越え…
みんなで崩れた斜面を見上げ…
水の染みにくい層の下からも、水が抜けた穴が見つかる場所を教えてもらい…
地下の構造がどうなっているのかを、何人かで議論しました。
過去に降り積もった細かい“スコリア”の上に、液体の溶岩が流れたことが良くわかります。
民家があったあたりでは…
緊急対策として作られた、導流堤(水や土砂や流木が、ちゃんと海に流れるように導くもの)が完成していました。
そして、昨年の台風26号で流木が詰まって溢れた橋の所で…
沢の側面に見られる地層を観察。
ここの地層から小山先生は「被害の大きかった神達地区には、1300年代前半の噴火で流れた溶岩(元町溶岩)とその直後の土石流以後は、大きな土砂災害は起きていない」と判断されたようです。
…しかし近くの大金沢には、土石流が流れた跡があるとか…。
で、大金沢の砂防ダムの上流部まで見に行きました。
大小様々な白い石が混ざっているのが土石流の層です。
昨年の土砂流は、過去の土砂流に比べてかなり広範囲だったのですね。
流された土の中に根が混ざっていたのでしょうか?
沢を流れ下った土砂の上に、ヒメオウギズイセンの花が一輪、咲いていました。
復興に向かう大島を励ましているようにも、犠牲になられた方達を弔っているようにも見えました。
暑い1日でしたが、現場を見て、1つ1つ納得していくことができて良かったです。
小山先生、そして参加された皆さん、お疲れさまでした!
(カナ)
講師は静岡大学防災総合センターの小山真人先生。
今回の勉強会は、先生から「被害に遭われた方に精一杯の気持ちを表したい。」と開催の申し出があり、ジオパーク推進委員会が、お手伝いをさせていただく形で実現しました。
参加者は 総勢17名。
約3時間かけて山頂口から車道を下りました。
大島では、西暦1300年代に元町の上の山腹に連なって火口が開き、流れ出た溶岩が元町を広く覆ったと言われています。
そして溶岩流の上には“スコリア”と呼ばれる黒色や赤色の軽石が降り積もって、連なった山を作っていたそうです。
この景色を眺めている場所の後ろの山側の壁は…
確かに、赤い穴だらけの“スコリア”が積っていました。
赤いスコリアの上には「レス」とも呼ばれる細かい粒子の黄色い層と、黒っぽい火山灰層が乗っているのを目の前で観察しました。
降り積もった溶岩の下から流れ出し、元町の広い範囲を覆った溶岩流が出てきました!
左のグレーの岩が、冷えて固まった溶岩流の断面です。
崩落した道路を乗り越え…
みんなで崩れた斜面を見上げ…
水の染みにくい層の下からも、水が抜けた穴が見つかる場所を教えてもらい…
地下の構造がどうなっているのかを、何人かで議論しました。
過去に降り積もった細かい“スコリア”の上に、液体の溶岩が流れたことが良くわかります。
民家があったあたりでは…
緊急対策として作られた、導流堤(水や土砂や流木が、ちゃんと海に流れるように導くもの)が完成していました。
そして、昨年の台風26号で流木が詰まって溢れた橋の所で…
沢の側面に見られる地層を観察。
ここの地層から小山先生は「被害の大きかった神達地区には、1300年代前半の噴火で流れた溶岩(元町溶岩)とその直後の土石流以後は、大きな土砂災害は起きていない」と判断されたようです。
…しかし近くの大金沢には、土石流が流れた跡があるとか…。
で、大金沢の砂防ダムの上流部まで見に行きました。
大小様々な白い石が混ざっているのが土石流の層です。
昨年の土砂流は、過去の土砂流に比べてかなり広範囲だったのですね。
流された土の中に根が混ざっていたのでしょうか?
沢を流れ下った土砂の上に、ヒメオウギズイセンの花が一輪、咲いていました。
復興に向かう大島を励ましているようにも、犠牲になられた方達を弔っているようにも見えました。
暑い1日でしたが、現場を見て、1つ1つ納得していくことができて良かったです。
小山先生、そして参加された皆さん、お疲れさまでした!
(カナ)