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グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

砂防ダムの涙

2014年10月24日 | 火山・ジオパーク
このところ全然立ち寄っていなかった林道を、ほぼ11ヶ月ぶりに歩いて来ました。

昨年の台風で崖が崩れる前まで、ここは山に向かう2本の登山道を山腹で結ぶ林道でした。

しかし昨年の台風26号後、道が崩れて寸断されてしまいました。

写真は約1ヶ月後の風景です。

同じ場所を、ちょっと角度をずらして撮った今日の風景。

車が通れる道が、できていました!

昨年、崖が大きく崩れたこの風景は…


ほとんど変わっていませんでした。

なんで植物が生えないのでしょう?
ちなみに斜面に垂れ下がったロープは、法面工事のためのロープだそうです。

林道の中間地点。昨年大きく崩れていたこの場所は…


ちょうど工事の真っ最中で先に進めませんでした。

崖の上のイズノシマダイモンジソウの無事を確認したかったのですが、残念です。
…また行ってみなければ!

それにしても、切り取られた崖の中身が真っ赤です。

崩れていない緑の葉に覆われた崖にも、所々赤い地面が見えていました。

きっと昔、ここに熱々のマグマのしぶきが降り積もったのでしょうね。

黒っぽい固そうな岩が見える場所もあります。

ここにはその昔、溶岩がカラカラ音をたてながら流れて来て、森を焼いたのかも…などなど、想像しながら歩きました。

ところで今日は、嬉しい出会いがありました。
ほぼ1年ぶりに見たテンニンソウの花!

旧友に会った気分でした。

オレンジ色の小さなキノコも発見!

杯のような形で可愛いかったです。

そしてこのキノコ…

顔に見えて笑いました。

ところで今日は、もうひとつの“顔”に出会いました。

泣きながら吐いている人の顔…に見えます。

実は昔、犬と一緒に毎日のように通った大好きな森にこの砂防ダムができた時、悲しい気持ちになりました。大切なものに傷がついた…ような気がしました。

でも昨年の土砂災害で、砂防ダムの働きを実感しました。増えすぎた人が、命や住む場所を守りながら日本で暮らすために、必要とされる砂防ダム。

人と自然との関わりを突き詰めて考えると、とても「この方法だけが正しい」と簡単には言えなくなります。

様々な人の思いを受け止めて、森の中で1人で泣いている砂防ダム…

雨の後は時々見かける風景ですが、毎回そんなふうに感じています。


(カナ)
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