グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

アートアイランズTOKYO・2019から2020へ!

2020年07月05日 | 植物
先日「邂逅(かいこう)の航路(たび)」という題名の、アートアイランズTOKYO・2019の報告書が届きました。

アートアイランズTOKYOは、毎年大島や新島などで開催されてきた美術展です。2019年は8月から9月の開催中、台風15号の被害を受けて途中で中止となってしまいました。

台風襲来前から、このアートイベントをメインとしたタイの雑誌取材が予定されていて、私も同行していました。(2日目の裏砂漠取材は昨年9月12日のブログでまとめています)

「令和元年房総半島台風」と命名された台風15号は、大島にも暴風で大きな被害をもたらしました。
メイン会場だった旧・波浮小学校を私たちが訪れたのは、台風の眼が島の上を通過した翌日の9月10日。

主催者の高田さんは、台風が通過する時間帯に校舎内にいて、風下廊下に身を隠していたそうです。

「ガラスが割れて飛んできて、命の危険を感じた」とおっしゃっていたとおり、校舎のドアが壊れたり、ガラス窓が割れたりしていました。

各教室に展示した作品も、壊れてしまったものもありました。

驚いたのは、その場におられたアーティストの方々が、決して落胆していなかったことでした。

床に散乱したガラスを見て「興味深い」と仰っていたのです。
ガラスを割った暴風を受け入れ、それを作品表現として捉えられていました。

会場には、台風被害を免れたり、台風で変化した作品がまだ残っていました。

台風が壊した屋根から見えた青空と、丸い光の作品には、心が動かされるものがありました。


伊豆諸島の島ごとの色の違う石で作った絵の具(?)で描かれた絵はなんとか残っていて…

火山好きとしては、ほっとしました。


その他、クシャクシャの紙や…(台風のせいか元々の作品か忘れました💦)


ご高齢の女性が作ったという、音楽室を使った…

パワフルな作品など…

見ているだけで不思議な力を感じました😊

今回、届いた冊子には、次のように書かれていました。
「台風後、作品を撤去に訪れた作家の多くは、作品と会場の変化を単に『破壊された場』と見ていなかった」
「この展覧会の作品は、場との関わりの中で成立するものが多い。海に囲まれた島で時間をかけて島独自の文化が作られる。その一端に触れる時間を過ごしたものとして展示を考えるとしたら、この台風も環境の一部と捉えることができる」

9年間メイン会場であった波浮小学校が、この時の台風で使えなくなり、他の会場での実施計画を進める中に起こったのが新型コロナウィルスの世界的流行。
先の見通しが立たなくなった中、「どのような状況であれ、作品を作り、発表する動きは続けていくべきだという結論に至った」とのこと。
2020年はウェブ会場、大島と小笠原会場、誌面会場の3つの方法で開催予定だそうです。

このブログをまとめている間に、梅雨前線による大雨で熊本に大きな被害が発生してしまいました。

新型コロナウィルスに大雨に暴風、そして確実にやってくる噴火や地震…。
何かあるたびに大きなダメージをうけるのが人間です。
でも、そのたびにダメージを乗り越え、前に進もうとする人の存在には、いつも励まされます。

WITHコロナの模索の中でも「前をむいて進もう」とするアーティストの皆さんの存在にも…!

(写真は中心となって活動されている高田さん=昨年9月)

島内にお住まいで「アートアイランズTOKYO・2019」の冊子をご覧になりたい方は、元町の藤井工房さんで読むことができます。興味のある方はぜひ、見に行ってみてください。

(かな)
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