グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

チシオタケ(生命の循環)

2024年10月08日 | キノコ・菌・微生物
先日の濃霧ツアーの時に、樹海で出会ったピンク色のキノコに、かなり❤️を奪われました。
暗い森の中で、華やかなピンク色がとても美しく見えたからです。

ツヤツヤの明るいピンク色。

丸っこくて、傘の周りにフリルがついたような形も、見惚れるような可愛さです。

15年近く歩いていますが、この場所で、こんなに綺麗なキノコを見たのは初めてでした。

帰宅後調べたら、どうやら「チシオタケ」で、キノコ好きな人たちの間で絶大な人気を誇るキノコのようでした。

翌日、時間ができたので、キノコがどうなったか見に行ってきました。
傘がもっと開いているか、萎れているか、変化が見たかったのです。

キノコは、ほとんど変わらぬ姿で傘を開いていて

少し前まで降っていた雨のせいか、傘の先端から雨粒が垂れ下がり

ますます可愛さが倍増していました!

ただ…、このキノコの正体は、木材腐朽菌(死んだ木を分解する菌)が胞子を飛ばすため、樹上に現れたもののようなのです。

このキノコが生えている木は、オオバヤシャブシ。よく考えてみたら、この木との出会いは15年前。
樹木の中では草地に一番乗りするけれど、生きていくためにたくさんの光を必要とするオオバヤシャブシが、暗い森の中で、他の木々と競争しながらも頑張って背丈を伸ばし生きている姿に、感動したものでした。
私にとってスペシャルな存在だったので、14年前のジオパークの認定審査の時に、審査員の方たちにこの木を紹介したことがあったような…(おぼろげですが💦)

最近は意識して見ることもなくなっていたのですが、「チシオタケ」が生えるということは、このオオバヤシャブシは完全に死に、菌が分解して土に戻す段階に入ったということなのではないか?と思います。

だから今年、こんな見事な「チシオタケ」が現れたのですね・・・

キノコが可愛いだけではなく、時の流れと生命の循環を感じて感慨深かったです。

(かな)
コメント
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