グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

「三原山博士になろう」さくら小学校授業見学会

2013年09月26日 | 火山・ジオパーク
昨日の午後から今日にかけて、台風20号の接近で船は欠航。資料作りと会議などで2日間とも室内にこもっていたので、今日は先週の水曜日に行われた表題の授業見学会の様子を報告します

7月以降何度か、ジオパーク研究会(以下ジオ研)から以下のお知らせが届きました。

「さくら小学校では、5年生の総合的な学習の時間に『三原山博士になろう』と題して、問題解決学習に取り組んでおります。そこで、ジオパーク研究会の皆様に児童の学習の様子を参観していただければと考えております。『5年生は、どんなことを学習しているのだろう?』『三原山についてどんなことに疑問をもっているのだろう?』等々。ぜひ、児童の姿をご覧ください。

「ウワ~、面白そう!こりゃ絶対行かなくちゃ。」と思っていました。

当日小学校に行ったら、既に数人のジオ研メンバーが椅子に座っていました。
気象庁の火山防災事務所の方達も、参加していました。

5年生全員集合の図。

先生が授業の流れを説明しています。
このあと、小グループにわかれ1人ずつ発表しました。

ウヒャ~、どの発表も聞きたいから困ったな~。

あっちへウロウロ,こっちへウロウロ…。

同じように「三原山のでき方」を調べても、表現は様々…

フムフム…


なるほど~


個性があって、みんなスゴイ!←子ども達の絵を見てるうちに、すっかり楽しくなってきました(笑)

おお~、ジオパークのゆるキャラ発見!


発表ごとに、聞いていた子ども達から質問が出ます。

「なぜ噴火したの?」…むむ、聞きたい気持ちはわかるけれど、答えるのは難しいなぁ。地下にどんどんマグマが溜まって、いっぱいになったから…というので答えになるのかなぁ?

「何回噴火したの?」…むむ、島全体に影響があるような噴火は調べられているけれど、小規模な噴火は調べきれているのかなぁ?

「ゴジラのマグマはサラサラなの?ドロドロなの?」むむむ~、溶岩の粘りを問題にするなら大島の溶岩は粘りが少ないタイプだけれど、人が歩くよりゆっくり進む高さ数mの壁のような溶岩を、サラサラって言っていいのかなぁ?

子ども達のシンプルな質問に、正確に分かりやすく答えるのは、とても難しいと思いました。

私たちのところに、質問にきてくれた子ども達もいました。
「なぜ三原山に神社があるの?」

もと保育園園長のSさんが、一生懸命答えています。

私も子ども達に問いかけてみました。

「今、窓から見える目の前の山が、ド~ンと(ジェスチャーつき・笑)真っ赤な溶岩を噴き出したら、みんなどうする?山から溶けた岩が流れて来て、人間がなす術がないようなことが起きたら、山を神様のように感じるんじゃないかなぁ。だから神社があるんじゃないかなぁ?」

これって、答えになってます?笑

さて、最後に大人が一番問題としたのがこの表現です。

「高温だとサラサラ溶岩で噴火が穏やか、低温だとドロドロ溶岩で噴火が激しい」という表現に、今まで勉強を重ねて来たジオ研メンバーから「逆じゃない?」という意見が出ました。

確かに溶岩が噴きでるスピードの速い激しい噴火は溶岩がサラサラになり、スピードが弱まるとネバネバになると言われているから、これでは逆です。

「でも、子ども達が参考にしている資料には、こう書いてありますからね」と、話しを聞いていた気象庁の人が言いました。

話しているうちにどうやらこれは、「粘りが強い溶岩だとパワーを溜め込みすぎて爆発的になりやすいけれど、粘りのない溶岩はあまりそうならない」ということを、表現しているのだとわかりました。

うむむむ~、正反対なのにどちらも正解ってどういうことでしょう?
これじゃ、子ども達が混乱するかも。

長々と理屈を説明できればより正確にはなるのでしょうけれど、シンプルかつ正確な、わかりやすい表現というのは本当に難しいです。

でも子ども達の質問の1つ1つにその表現を探せたら、きっと大人のツアーでも、より楽しんでもらえるようになるのじゃないかなぁ…。

なんだかとっても考えさせられた、授業見学会でした。

(カナ)
コメント (2)
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