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# 774 後期展望・ロッテオリオンズ

2023年01月11日 | 1977 年 



弱体すぎた投手力で前期はダウン
散々だったカネやんロッテの前期シーズン。開幕5試合目、4月8日の対南海戦(大阪球場)は9回表まで6対2とリードしながら9回裏にまさかの5失点で逆転サヨナラ負け。この試合が前期シーズンのロッテを象徴していた。全ては投手力の弱体が敗因である。試合終盤までリードしながらあと一歩のところで苦汁を飲まされ続けた。後期シーズンに巻き返すには一にも二にも投手陣の奮起が求められる。しかし現実には期待していたスティーブ投手を解雇したことでコマ不足は明らかだ。「ワシの頭は後期をどう戦えばよいかでいっぱいなんや」と金田監督が悩むのも無理はない。

これといった好材料が見当たらないのである。救世主となりそうなプレーヤーがいない。故障していた成田投手の復調が僅かに光明を差すくらいだが肩痛から復帰したばかりで大車輪の活躍は望み薄である。あるとすれば前期シーズンは無理をさせず中4日で起用してきた村田投手くらいだろう。あとは勝ち星には恵まれなかったが投球内容は悪くなかった金田留投手や自信をつけて球のキレも一段と良くなった安木投手も期待していい。本拠地を持たないジプシー生活で他球団の選手より疲れが残りがち。そうならないように金田監督考案のツープラトンシステムが功を奏すかどうか。

「とにかく兆治(村田投手)を中心に先発ローテーションを確立するんや。幸いウチの選手は暑い夏が大好きなんや。もう前期のような無様な戦いにはならんで」とカネやん節。投手陣に引きかえ打撃陣は弘田選手から始まる打線はリー選手を中心に、どこからでも爆発するか分からないパ・リーグでも相手を威圧するに充分な破壊力のあるオーダーを持っている。6月に入り初めて体験する日本の梅雨の影響で極端に体調を崩していたリー選手だが、それも徐々に解消されつつある。リー選手の復活で後期シーズンに臨む。


バラエティある攻守で優勝へ
「山崎にしても白にしても前期より悪くなることはないで。有藤・リーの前に走者を出して走りまくってやるんや。早い回に得点すればピッチャーもそれだけ楽になる。バレエティに富んだ攻撃が勝利への近道や。ワシも頭を軟らかくして先につっかけてやる」と後期シーズンに向けて鼻息の荒い金田監督。前期はリーグトップの盗塁数を記録したロッテ。後期も機動力をフルに生かすことで攻撃に厚みをつけようとしている。またスティーブ投手の退団で1人空いた外人枠に引退したラフィーバーコーチを現役に復帰させて代打要員、あわよくばレギュラーで起用するウルトラC案の構想も考えているそうだ。

なにせラフィーバーコーチは現役時代はスイッチヒッターで左腕投手を得意としていた。現在のロッテ打線は左腕投手を苦手としているので、ラフィーバーコーチの現役復帰は苦手克服に願ったり叶ったりだ。打線がどこまで弱体投手陣をカバー出来るかが後期シーズンの最大の課題であるカネやんロッテ。もともとは力があるチームだけに、如何に良いスタートが切れるかが肝心。「きっかけを掴んで(後期)開幕から突っ走ってやるで」と金田監督は巻き返しを誓う。

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