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納戸の奥に眠っている箱を久しぶりに出してみると…
買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

#118 昔から球団経営は楽じゃない?

2010年05月19日 | 1980 年 





地域に密着している大リーグの球団とは異なり、親会社の宣伝手段となっている日本の球団の
フランチャイズ(=地域権)は名目的なものに留まっています。親会社PRの為に地域との連携は
後回しにされ、とりあえず球場がある所に球団を持って行きました。名前を覚えてもらう為に愛称
ではなく企業名を連呼してきました。既設の球場を賃借することの弊害は収入面に顕著に表れて
ました。球場内販売収入や広告収入が球団に入らず球場を運営する別会社に行ってしまいます。
パ・リーグ球団の全てが赤字なのに球場を経営する会社は黒字が続いていました。

黒字の巨人でさえ後楽園球場は自前ではなく借り物で、かなりの額を支出していました。
 ・入場収入の28%が球場使用料
 ・28%分が100万円に満たない場合は補填する最低補償制度がある
 ・球場アルバイト人件費 100万円、照明費 35万円も巨人側が負担する
球場側は試合が中止にならない限り、必ず 最低限 235万円が入ってきます。当時は130試合制
でしたので単純に65試合がホームゲームとすると1億5千万円以上が球場側の収入でした。

セ・リーグ球団は巨人戦が当時はドル箱コンテンツだったので、億単位の放映権料が入ったことで
差はあるものの概ね黒字でしたが、パ・リーグ球団は全て赤字でした。仮に様々な付帯条件を無視
して入場料収入だけで球団を賄っていくと考えると、大体の人件費などの経費は約15億円位なので
年間150万人程度の動員が必要ですが、パ・リーグの球団にとっては夢のまた夢の数字でした。
持ってるだけで赤字の球団を維持できたのは古い話になりますが、戦後の連合国総司令部 GHQの
お蔭でした。昭和29年 GHQ税制改革勧告案でプロ球団の「赤字は親会社の利益で埋めて良し」 と
された事で、パ・リーグ球団は存続できたのでした。

記事では、これからの主要な収入源は入場料よりもテレビ放映料だとして大リーグの様にプロ野球
機構が一括して管理・運営し全球団に均等に分配するシステムに移行していかないとダメだと主張
しています。巨人一極集中が何時の日か破綻する時がやって来るとの予想が、30年後に当たって
しまいました。巨人戦の視聴率は今や1桁が当たり前、巨人戦以外は3%前後で「プロ野球」という
かつてのドル箱コンテンツは、テレビ局の厄介モノに成り下がってしまいました。

よくプロ野球人気は落ちてない 巨人の人気が無くなっただけ、と言う声がありますが大方当たって
いると思います。かつて高視聴率を誇っていたプロ野球はイコール巨人戦でした。ナイター中継は
常に20%を超え巨人が独走し早々と消化試合となってもナイターの数字は落ちませんでした。一方で
巨人が絡まない試合やパ・リーグ中継の視聴率は2~3%でした。伝説となったロッテ vs 近鉄戦
『10.19 in 川崎球場』は例外ですけど・・巨人の人気が無くなったのは間違いありません。そして
巨人以外の人気は落ちていません、今も昔もテレビ視聴率は2~3%と変わりませんから。つまり
巨人ファンが激減した為に、相対的に他球団ファンの割合が増えたという事でしょうか。

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