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買い集めていた45年前の週刊ベースボールを読み返しています

# 536 清原ドラフト ④

2018年06月20日 | 1985 年 



阪急ブレーブス:清原なんかいらない。欲しいのは即戦力投手
清原には見向きもせず何が何でも即戦力投手が欲しい。西武にパ・リーグ連覇の夢を断たれた阪急の補強ポイントはズバリ投手。何しろ今季の惨敗の原因は投手の絶対的な不足にあることは明らかである。それだけに1イニングでも、ワンポイントでも使える投手を絶対に獲得することが至上命令で即戦力投手を最低でも2~3人は指名する予定だ。ドラフト以外ではヒックス投手に代わる新外人投手も。大リーガー級の左腕を探しに渡米する矢形球団常務に上田監督も同行し球団総力をあげて取り組む。

上田監督は当初は「清原はエエで。10年は四番に困らん」と清原を熱望していたが今では人気のPLコンビの桑田も眼中になく、ひたすら社会人の即戦力投手一本槍。長冨投手(NTT関東)か伊東投手(本田技研)のどちらかを1位指名する予定。当初の1位指名はスピードで勝る長冨投手が有力だったが伊東投手がプロ入りを表明して以降は「シュートを武器にしており変化球のキレも素晴らしい」と藤井取締役編成部長も絶賛するなど現時点では1位指名をどちらにするかは決めかねている。



日ハムファイターズ:早くも清原に「五番・一塁」を用意している
「ウチは清原で行きます」。鳥取国体終了後に清原がセ・リーグ希望を表明した後も大沢強化育成部長は力強く言い切った。10月30日のスカウト会議で清原、桑田、長冨、伊東、中山ら1位指名候補13人のビデオを見た大沢強化育成部長以下、三沢スカウト課長、丸尾顧問、渋谷・宮本・瓜生スカウト。最終的な絞り込みはドラフト会議前日になるが、この日の会議で1位は清原で行く事が再確認されたと考えてよい。清原のセ・リーグ逆指名に関して三沢課長は意に介していない。

「あれだけの選手は本人の為にも野球界の為にもプロ入りせず社会人や大学に行って、3年ないし4年も遠回りしてほしくない。いずれにしてもウチが降りることはない」と三沢課長はキッパリ。昨季が最下位、今季は5位とチームは低迷し観客動員数が落ち込んだ日ハムにとってスーパースターの要素を持つ清原は是非とも欲しい選手。主砲と期待する柏原選手が2年連続の不振で一塁手のレギュラーは現在未定。清原が入団すれば開幕から「五番・一塁」で、との青写真を高田監督は描いている。



南海ホークス:ギリギリまで1位指名は決まらないだろう
清原は南海線沿線の岸和田市出身でありチーム最大のウイークポイントである三塁も守れて、打つ方は10年に一人と言われるスラッガーであるだけに南海電鉄本社の幹部は「1位は清原で決まり。他の選手を考える必要は無い」と言い切るが現場はそうでもない。来季から指揮を執る杉浦新監督は「投手を前面に押し出す野球をするにはバランスの良い投手陣が必要だがウチは層が薄い。右投げの一本調子の投手ばかりで左腕もサイドスローも不足している」と言っている。営業面を考えれば本社が考える清原だろうがスカウトも含めて現場は清原一辺倒ではない。


今ドラフトの注目の的である清原。多ければ10球団の1位指名入札が予想されるが、清原本人の今はどうなっているのか?高校野球生活最後の大会となった鳥取国体の準決勝で高知商に敗れた後の進路表明で「第1志望は巨人だけど逆指名はしたくない。巨人だけでなくセ・リーグの球団ならプロ入りしたい。もしもパ・リーグの球団に指名されたら、内定を頂いている日本生命にお世話になりたい」と心境を語った。この清原の表明を受けて10月30日から12球団によるPL学園詣でが始まった。清原サイドは高木野球部長、中村監督、父親の洋文氏。退部届を提出した清原本人も出席は可能だったが授業中でもあり実現しなかった。ドラフト会議後には大忙しとなるであろう清原は野球部の仲間と沖縄へ2泊3日の旅行へ出掛け、残り少ない高校生活を満喫している。

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