田坂メモリアルレクチャー2日めは,「SpPinな身体所見」特別版で3時間でした。すでにある程度セットリストは作ってあったのですが,前日の伊賀先生のお話を伺って,自分もTFCや田坂先生との関わりについての話を入れたくなりました。すると自分がどのように臨床を学んできたかについても触れないわけにはいかず,はじめの部分で30分程度使うことになります。すでに作ったセトリをどう変更する(減らす)か,はたと困ってしまいました。さんざん悩んだあげくに(えいっ)とばかりに全部出しにしちゃいました。で,結局スライドは3時間で300枚を強行することになりました。最近トシのせいか滑舌が悪くなっているんですが,何とか予定から15分超過ですみました。
・自分が卒後に学んできた道,一般内科と腎臓内科の間の行き来。すこしオスラーにも触れて
・続いて,いつものSpPinな所見の数々を怒涛の流れで一気に
・まとめは,どうやって身体診察を学ぶか,よく質問されることに対する自分なりに今思うこと
・結局は自分で学んでゆく覚悟さえあれば,どこにいても学べるのではないか
・そしてオスラーから繋がる内科の偉人達について,我々も歴史の中の一人
(特にHerb L. Fred先生はどうしても紹介したかった)
・新しい展開として若い先生達の素晴らしいアイデアと行動力(録音聴診器の自作とか,勉強会活動など)について
・うちの研修医の I 先生自作の録音聴診器とそれを使った症例記録を紹介。
・これまで自分がやってきた,写真・動画だけでなく思考過程を記録する「ひとりClinical problem Solving」について
自分の思考を振り返るにはとても良い方法であること,
(ついでに「内科医のカレンダー」についても宣伝してしまいました・・・さあ,これでもう後には引けない!
3時間を超える長丁場でしたが,皆さんの熱心に聞いてくださる雰囲気がこちらにも伝わり,まったく疲れることもなく一気に終えることができました。かなり早口でまくし立てたかもしれません。ご容赦を。すべての内容を覚えて帰ってもらおうなどとはさらさら考えていなくて,聞いていただいた内容の一つでも心にひっかかるものがあれば大成功という気持ちでした。
終了後は有志でお好み焼きを食べに行き,田坂先生のお墓参りに行きました。10年ぶりに訪れた田坂先生が眠る高台からは,遠く広島の街がかすんで見えました。数日来の寒さが嘘のようにこの日は暖かく,植えられた紅梅が咲き始めていました。
田坂メモリアルレクチャーを続けてくださって,中西重清先生や広島の先生方,本当にありがとうございます!暖かい雰囲気にあふれる素晴らしい勉強会でした。また来年以降も都合がつく限りは参加させていただこうと思います。