H's monologue

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予測Pco2の求め方 - Winterか? Wintersか?

2020-09-16 | 臨床研修


血液ガスの読み方で,代謝性アシドーシスのときの代償性換気の限界値(Pco2がどこまで下がるか)を求める簡易法がいくつかあります。最も簡便なのは magic number15というものです(上記)。これはHCO3-値が10〜40mEq/Lの範囲で使える,つまり代謝性アルカローシスでも使えて便利なんですが,欠点はHCO3-が10mEq/L以下の重症のアシドーシスでは使えないことです。

 

この時に便利なのが一番めの式です。

Winters’ formula : Pco2 = 1.5 x [HCO3-] + 8 ± 2 

汎用性が高いと思いますが,これ意外に日本語の教科書に載っていないことが多いんですね。英語のサイトだとかなり一般的です。ちょっとマニアックになりますが,実は名前が間違って紹介されていることが多いんです。Winterさんではなく,Wintersさんの式なんです。試しにググってみても,半分くらいが「Winter's」になっています。

 

 

著者の名前は,間違えないようにしましょう。オリジナルの論文はこれです。

Ann Intern Med. 1967;66(2):312

 

元論文の図がこれです。

 

当院の朝のカンファレンス Morning Reportで,血液ガスの読み方の話がでたときに,この式を紹介しました。研修医のK先生がこの式をSlackにあげてくれて気づきました。

K先生,とりあげてくれてありがとう。おかげでブログネタがひとつ増えました(笑)。

 

 

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