H's monologue

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新しく内科医を志す先生達へ

2021-04-21 | 臨床研修


東海大学腎臓内科の深川雅史先生にお声をかけていただき,今年度に新しく内科の専門医研修に入るPGY3の先生達にお話する機会をいただきました。

「あなたはどんな内科医になりたいですか 〜先達から学んできたことをお伝えします〜」と題して,自分がこれまでに影響を受けた多くの先生方やメンター,あるいは書物で読んだ先生(もちろん筆頭は Sir William Osler)の言葉を紹介して,今後の参考にしていただくというものでした。

東海大学は,助手採用で腎代謝内科に入局して6年間都内の病院の立ち上げをして,その後付属病院での総合内科の立ち上げで6年,都合12年お世話になりました。いわば自分にとっては第2の母校のような存在です。

 

自分が卒業してから,最初に考えたこと「富士山みたいな内科医を目指そう」(そのココロは,裾野は広く,頂きは高く)ということ,そして,卒後2年目に強烈な印象を残したDr. Wagnerの「What is a goog doctor?」の話などを導入として,いろんな先生達から受けた言葉を紹介しました。

 

 

17年間市中病院で過ごしたあと,初めて大学病院で勤務を始めたときに感じた驚き。そして,まあ今は「時効」だから話す当時いろいろあったコト,その中で自分が学んできたこと,感じてきたことを続けました。

 

冒頭の総合内科は「志」であるという意味は「すべてが診れるわけではない,でも診ようとする気持ちの問題である」ということです。診療において,診断にせよ治療にせよ得手不得手があるのは当たり前です。それをわかった上で,その与えられた環境において自分の限界を知りできる範囲でベストを尽くす。その態度を持つことが「志」だと思います。どの専門内科に進むにしても「内科医」であることを忘れないでもらいたいな,という気持ちで話を終えました。

 

 

追記)参考文献(・・というほどでもないですが)
1)Ted Grant:This is Our Work. The Legacy of Sir William Osler.   American Collage of Physicians. 1994
2)The Quotable Osler.  Silverman M et. al.    American Collage of Physicians. 2002
3)LaCombe MA :  On bedside teaching. Ann Intern Med  126:217-220, 1997 (全訳はこちら)
4)須藤 博:これが目標とするベッドサイド教育だ!! 総合診療 30: 524-526, 2020
5)須藤 博:ジョセフ・D・サパイラ先生はかく語りき 総合診療 28(10): 1355-1358, 2018
6)須藤 博:“フィジカル・オタク”への道   総合診療 28(1):14−17,2018

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