献本御礼。とある黒い学会仲間である國松淳和先生が出版された本です。
ひと目見て装丁のコダワリに目が行きました。少し緑っぽい黒の表紙,なぜか緑の半角カタカナが流れてくる映画マトリックスのイントロを思い出しました。ページをめくると,え〜これ医学書!?扉デザインとかフォントとかDeath Metalみたいな雰囲気?イルミナティっぽい意味深なマークが題目の上に書かれているし,ページはわざと色あせた汚れた風合いにしてあるし,いや凄いわこの本。デザイン最高です!!
もちろん内容もサイコ~です。面白い。ひたすら鑑別診断のリストだけが延々とならぶという・・・参考文献はなし,自分で勉強しろよ!・・と潔い。
何よりも挙げられた数々の項目が面白い!全部で600以上。目の付け所がさすがJK先生。リストアップするのに相当な苦労があったでしょうね。よくぞここまでひねり出したな〜というものがあります。
ごく一部ですが読んでいて,目に止まったもの
・食欲不振の意外な原因
・便秘の意外な原因
・狭心症らしくない胸痛
・腸腰筋膿瘍に併存する・した感染症
・院外発症・初診のせん妄
・肺塞栓における唯一の症候となり得るもの
(頻脈が最初に上げられているのが素晴らしい,完全同意です!)
・咽頭所見が正常の「のどが痛い」
(可視範囲の奥のアフタ様病変・・いや思いつきませんでした)
・驚きの”不明熱界隈” (意外な不明熱の結末)
(熱がない!?)
まだまだ沢山あります。折に触れてぱらぱら眺めていると新しい発見があります。ホント面白い。
そして國松先生もまえがきで書かれていますが,リストに自分で鑑別を付け加えていくと一層勉強になります。さらに新規項目を募集中です。
注)学生・研修医向けの本ではありません。(でもJK先生のために買ってあげて下さいね!)