H's monologue

動き始めた未来の地図は君の中にある

使命の道に怖れなく どれほどの闇が覆い尽くそうと
信じた道を歩こう

「輸液の臨床推論」 @ 第48回大船GIM

2020-02-15 | 臨床研修


48回大船GIMカンファレンスが無事終了しました。ちょうど丸12周年が経ちました。途中で何度か続けるのがつらい時期もありましたが,続けてきてよかったと思っています。これも参加下さる皆様のおかげです。ありがとうございます。

 

 

1例目は当院の中野弘康先生が提示。78歳男性・主訴は1週間前からの嘔気,ふらつき,5日前から吃逆が始まり,家族からぼうっとしていると指摘され来院。著明な低Na血症を認めました。当初は,SIADHかと考えられましたが,実際には薬剤による嘔気と食欲低下からの細胞外液量低下が原因と判断した症例でした。なんと吃逆が低Na血症で起こることもあるというのはびっくりでした。中野先生が低Na血症での輸液の考え方,尿のtonicityの重要性などにつき解説してくれました。

いつもなら小ネタを挟んで2例目ということになりますが,今回は全体を通して「輸液の臨床推論」をテーマにしたので,いつもとは違う試みをやってみました。まずは小ネタの時間枠で「低Na血症で避けて通れないADHに関する理解」についてミニレクチャー。

その後「輸液大盤解説」として先日ケアネットで収録した内容を「先行プレビュー」としてお話ししました。時間的な関係もあり,やや駆け足になってしまいました。このため双方向性のディスカッションにはならなかったように思います。正面にいた研修医の先生に「重点的に」意見を聞きながら,皆さんにも各自考えていただくという形になりました。ただ指導医レベルの先生方も多かったので,実際に研修医に輸液の考え方を指導するときの手法として,参考にしていただけたのではないでしょうか。

 

 

 

毎年2月は少なめの人数ですが,今回の試みにはちょうどよかったと思いました。懇親会も以前の常連の先生方も久しぶりにこられて少人数で盛り上がりました。「輸液の臨床推論」はこれまでにない方法でとても面白かったこと,輸液に限らずこの手法は他の分野でも「時間経過に従って治療法を皆で考える」という応用のアイデアも出ました。確かにこれは面白い展開ができるかもしれないと思いました。

 

次回以降はおよそ以下のようになっております。

・第49回 2020年5月16日(土) 決定,1例すでに提示の希望を頂いています。 もう1例絶賛募集中!! 


・第50回 2019年8月29日(土) まだ最終決定でありませんが,多分ここ。
・第52回 2020年11月22−23日(日祭の連休)昨年につづいて大平台温泉での計画です。

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