H's monologue

動き始めた未来の地図は君の中にある

使命の道に怖れなく どれほどの闇が覆い尽くそうと
信じた道を歩こう

第12回大船GIM

2011-02-26 | 臨床研修

無事終了。今回も50名以上の方々の参加があり盛況だった。遠方からも参加があり感謝!!

1例目は,茅ケ崎徳洲会総合病院内科の赤澤賢一郎先生が提示。呼びかけに反応が悪いということで来院した84歳の女性。これは難しかった。急性に起ってきた意識障害,当初発熱,頭痛,失禁,呼吸促迫,低酸素などがあり一旦軽快したあと,2週間後に再度意識状態が悪化,眼球運動異常が今度は出現。結局はMiller Fisher症候群であった。いや,ホント難しかった。フロアの皆さんもなかなか鑑別診断が絞り込めず,診断がtriggerされなかった。しかし,最後に眼球運動異常がはっきりと提示された瞬間,皆さんの思考がFisher症候群に急速に診断が収束してゆくのが司会をしていても分かって興味深かった。

この症例からのTake Home Message
 ・GBSはいくつかのバリエーションをもつheterogenousな病態である。
 ・自立神経障害を含め様々な症状を取りうる
 ・先行感染として上気道症状も考える
 ・反射が経時的に失われることが診断の手がかりになることがある
 ・重度の自律神経障害を伴う症例では注意

もうひとつ長谷川修先生からの貴重なご意見。意識障害の鑑別診断では3つの大枠で考える。
 ・脳に刺激がとどかない状態
 ・脳そのものの異常
 ・脳の環境が悪い(広義の代謝性)

2例目は,自分がプチ症例として33歳のムカムカするという主訴の女性。自分で調べた妊娠反応が陰性と言ってきたが,やはり妊娠であったという例。事前確率がとても大切であるということを示した。

最後は「SpPinな身体所見Top10」について(これは月刊レジデント4月号に掲載予定の内容を”先行プレビュー”

懇親会も20名強が参加していただきとても楽しい時間を過した。

次回の大船GIMは,5月21日(土)を予定している。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする