米国のある大学の感染症専門医に,教えてもらった言葉。
病歴をとるときに重要なことは,患者さんも実は忘れていることが多いということである。感染症の診療では病歴からの情報が診断の鍵になることも多い。その大事な情報も患者さんが忘れていることもしばしばある。毎日回診で同じことを繰り返し訊ねることによって,患者さん自身が忘れていたことを思い出すことがある。
「何か大きな病気を以前なさったことはありませんか?」
「いいえ・・(キッパリ)」
診察時に腹部を見ると,タテに一本大きな手術痕。
これもよく経験する。人間とは忘れる生き物である。
「同じことを聞き方を変えて3回聞きなさい。」
なかなか含蓄のある役に立つ pearl ではある。