自由人

 己を『”親も無し、妻無し、子無し”職も無し、ローンもなければストレスもなし』と詠んで、六無斎清々を僭称。

怒を恕に、怨にしてはいけない。その②

2015年02月04日 09時32分42秒 | コラム

 膨大な予算を使って、アメリカンパックスのために活動している防諜機関がCIAなのだけど、諜報活動だけなら、孫子の兵法以来戦わずして勝つためには必要なことである。CIAはその外に、反政府の援助、人財育成、親米政権の援助、反米政権の打倒、敵対する指導者の暗殺をその任務としている。その最後の暗殺については、フォード大統領から禁止されたが、現在では無人飛行機によるイスラム指導者の暗殺という名目で実施されている。当然誤爆による一般市民の犠牲も頻発している。

 現在、イラク、シリアで活発にその勢力を伸ばしているのが”イスラム国”で、オバマ大統領はその壊滅を主張し、有志連合という形で、国連決議のないまま空爆を続けているのだが、世界四大文明の発祥地であるメソポタミアの地、乾燥地帯の大オアシスであり、様々な民族の攻防地ではあったのだが、、、。第二次大戦後、イラク王国として独立(中東から北アフリカの地域は、イギリス、フランスの国引きで多くの王国が誕生)しのだが、若手軍人による王政打倒のクデターで多くの共和国が成立した(エジプト、リビア、イラク、等)。イラクのカシム政権の容共政策を阻止すべく、汎アラブ主義を主張するバース党を支援したのがCIAである。もともとバース党の主張は、アラブの統一、外国支配からの解放、社会主義、なのだが、カシム打倒には目をつぶる。やがてバース党がイラク、シリアで政権を握り、イラクではサダム、フセイン政権、シリアではアサド政権が権力を掌握する。そのサダム、フセインの末路、アサド二世のシリア攻撃を、中国、ロシアに妨げられて、シリアの反アサド勢力に資金と武器を提供しているのが言わずと知れたCIAである。

 バース党は素晴らしい理念を持っていたのだから、その考え方を全アラブ国に広めるべきだった。権力を獲得した、サダム、フセインにしてもアサド一世にしても、、、。そんな時、ふと権力を獲得する以前の毛沢東の党員に対する講和を思い出した。”党は一部という意味で、党が存在する以上、われわれは一部であることを自覚すべきだ。党の考え方を大衆に広める活動にあたっては、党員は三分の一を超えてはいけない、三分の一は反対のものを、三分の一は中立の人を、そしてその中立の三分の一の賛成がないと実施してはいけない。ゆっくりやれ、そうすれば上手くいく。”という件である。アラブの指導者たらんとした、ナセルもカシムも、サダム、フセインも、リビアのカダフィー大佐も見果てぬ夢を反対派を弾圧することによって実現できないことを証明したはずだし、今後どう実現していくかは、権力を得る前のマオイズムしかないであろう、、、。


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