自由人

 己を『”親も無し、妻無し、子無し”職も無し、ローンもなければストレスもなし』と詠んで、六無斎清々を僭称。

怒を恕に、怨としてはいけない。

2015年02月03日 13時18分00秒 | コラム

 この世における最大の不正義は、人による人の支配、民族による他民族の支配、大国による弱小国の支配である。被支配側には怒りをもたらすし、さらにその怒りを抑え込まれれば、怨みから憎しみにまで高まり、抵抗、反逆、世直し、革命が起きたのは歴史が証明している。

 度を越した”イスラム国”の仕打ちを批判し、その壊滅を主張するのは良いとして、それを武力で解決しようとしては、ますますの混乱を引き起こすことになるだろう。しかもそういう”過激集団”がなぜ生まれたかの検証もなしに、壊滅を急ぐべきではないと思う。最後はアメリカの特殊部隊に急襲されて殺されたとなっている、ウサマ、ビンラディンなる人物を育てたのはだれか、冷戦時代、ソビエトに”ベトナム戦争”を体験させるべく、イスラム聖戦戦士に武器を与えたのがアメリカのCIAであることからして、育てられ、そして捨てられた怨みは後々まで残るものだ。同じく育てられ捨てられたイラクのフセイン大統領、彼は、汎アラブ主義政党、バース党の指導者であった。彼が追放された後、バース党員は公職から追放され、今のISISの中核となっているようだ、、、。イスラム原理主義の過激派を批判するなら、同時にユダヤ原理主義の主張の実現を目指している、現イスラエルのネタにエフ政権も批判されなければならない、何しろ、ナイル川の東岸からチグリス川の西岸までが”約束の地”としてその大イスラエルの実現を目指しているのだから、、、。

 大英帝国の支配は、他国を、領土も政治的にも支配し、言語も強制した。それを見習ったのがこの国の朝鮮支配である。一方アメリカは、そのイギリスから、”代表権なくば、課税なし”の市民的権利を主張して独立ししたが、ラテンアメリカ(スペイン、ポルトガルの植民地)の独立をモンロー主義で支援し、のちに、領土的支配のない経済的支配を通して、アメリカの裏庭にすることに成功した。そのアメリカが中東に入り込んできたのは、陰りを見せた大英帝国が、エジプトでの政変(王政打倒のクデター)でナセル大統領の出現と、ソビエト接近を危険視し、トルコ、イラク、イラン、パキスタンとの間で対ソ目的の条約を結び、アメリカがオブザーバーとして参加してからである。 (つづく)