それ故に、閑の使い方が下手とも言えるでしょう。世界を驚かす経済成長を遂げて、沢山の閑が持てるようになったのに、閑こそ宝なのだけど、宝にするどころか、「小人閑居して不善を為す」との2500年も前の忠告を知りながら、その閑のために身を崩してしまう面がないとも限りません。特に、中2の夏休みの生活の乱れが原因の不運、不幸な例が多いのは注意したいところです。
夏、一人旅の成果を自分のものに出来るために、早く計画が必要だと感じる人間になって欲しい。その日暮らしの人間には計画なんていらないのだから。計画とか目標とかは、言い換えれば自分との約束といっていいだろう。約束を守らない人は信用されないけど、自分との約束を守れない人はどうなのだろう。約束を守らぬ人を非難するのは簡単だが、あやふやな約束をしていて果たして非難できるものだろうか、、、。いつ、どこで、何を、がはっきりしてなければ、守ろうにも守れない。「どうせ計画なんて立てたって、、、」と考える人は、計画ではなくて、希望とか、願望を出しているだけだと思う。つまり、「ああしたい、こうしたい」という希望ではなく、「~をする」という具体的なものが計画というものだ。「一日一回、ひと汗流す」というのは、目標に違いないが、計画ではない。計画となるには、「朝6時、○○公園まで、3キロのランニング」としなければならない。同じく、「小学校の漢字をマスターする」ではなく、「読めない漢字何個、意味の分からない漢字何個、書けない漢字何個、1日何個ずつ、何日で終了」とならないといけない。
学習・仕事・運動・生活・余暇に関して、それぞれ具体的な行動計画を立てて努力して欲しい。先ずは自分が守れる約束をして、そして少しずつ自分を信用できるようにしていかないと、、。今まではどちらかというと計画を立てさせられるという受け身的状況をクリアーして、今年の夏休みは、将来につながる、人間としての実力を付けるチャンスの日々にして欲しい。1日1日をしっかり掴み、自分の必要から生まれた行動計画に基づいて、、、。
そのために、『不動の定点』を決めておこう。1日の中の決まった時間に、何か決まったことを、例外を認めず(今日はいつもと違う旅行先だし、との言い訳も認めず)実行することだ。全て回転するものは、一カ所動かないところがあってスムースに回転を続けられる。地球が狂いなく自転と公転を繰り返しているのは、地軸が定まっているからだし、安定して回るコマは一本の真っ直ぐな心棒が通っているからだ。自分をコントロールし、自分の中に好循環を起こし、自分を成長させ、夏休みが終わって、またみんなと顔を合わせた時、まぶしく見られる自分にするために『不動の定点を』しっかり決めておこう。
・朝、6時30分、ラジオ体操 ・夜、8時、視力維持のため星の観察、雨天の時は俳句を一句 ・夜、10時、日記を付ける ・朝、9時、15分読書 等々