面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

今夏の甲子園より

2006年08月22日 | 野球
37年ぶりの引き分け再試合となった第88回全国高校野球選手権大会決勝戦は、古豪・早稲田実業が、史上二校目の三連覇を目指した駒大苫小牧を下し、見事初優勝を遂げた。

中でも、エース斎藤は4連投でオール完投。
(4日連続なのだから強烈!)
なんせ2回戦の大阪桐蔭戦から全て一人で投げぬいて、投げも投げたり甲子園で948球。
こんだけ投げたら飽きてくるのではないか!?
(そんなわけない!)

ニュース映像で見るだけなので、断片的な情報をつなぎあわせるしかないのだが、今日はさすがに疲れが蓄積しているのだろう。
立ち上がりからスライダーを中心とした投球だったようだが、球のキレは相変らず素晴らしい。
そこに疲れたとはいえ、140km/hを軽く超えるストレートが来て、要所ではフォークもあるのだから、コントロールミスがない限り、相手は打てるものではない。
三振の山を築き、この最終戦でも13奪三振を奪ったとは、素晴らしいを通り越して凄まじい。

コンパクトなテークバック(足を上げて右手を後ろに引いた状態)から大きく前へ腕を振り、速球を投げ込んでくる投球フォームは、打者からすればタイミングが取りづらくて打ちにくいだろう。
なおかつ、ストレートは150km/h近くのスピードが出て、更にスライダーとフォークがある。
このコンビネーションで投げ込まれては、絶好調ならプロでも打てない。

春からスタミナ強化に取り組み、延長15回を投げきった前日も、肩や腕を入念に手入れし、酸素カプセルにまで入って疲労をとることを心がけ、再試合当日の朝には疲れも見せずにケロッとしていたと言うから恐れ入る。

この試合、最後の打者は駒大苫小牧のエース・田中だった。
前日同様、最後にきてなお147km/hのストレートを投げ込み、最後の投球は144km/hのストレートで空振り三振!
冷静沈着そうな斎藤が雄叫びをあげながらガッツポーズ。
今日のテレビで初めて見たが、延長15回引き分けとなり、両校選手がホームプレートをはさんで挨拶したあと、ベンチへ戻る斎藤の表情がテレビ映しだされた瞬間、あの柔和な顔からは想像できないくらいの鋭い視線で、駒苫の選手(おそらくは田中か)をにらみつけていた。
あの目に、内に秘めた闘志とものすごい負けん気の強さを見た。
だからこそ、試合終盤で140km/hをはるかに超えるストレートを投げ込めるのであろう。

最後の打者となり、歓喜に沸く早稲田ナインを尻目にベンチへ引き上げる田中の顔が一瞬映ったが
「しゃーないわ(彼は関西出身なのでこう言うだろう)」
と言うように微笑んだのが印象的だった。
試合後のイタビューで、自分が今持っている全てのチカラを出し切ったので悔いは無いし涙も出なかった、というのは強がりではなく本音だろう。
水島新司も、カッコ良過ぎて描けないような“物語の幕切れ”。
今年の夏の甲子園、ほんまに面白かったねぇ~♪


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2 コメント

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ありがとうございますぅ (たけとら♪)
2006-08-22 13:04:14
ようこそお越しくださいました♪

駒大の田中と早稲田の斉藤、“剛”対“柔”の対決という感じでキャラクター的には好対照な二人の投げあい、ライブで見てたらさぞかし面白かったでしょう。

さあ、将来はプロ野球のマウンドで対決が見られるか!?
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初めまして! (じゅん)
2006-08-22 03:53:56
初めまして!

甲子園は、

勝ち負けもさることながら

素晴らしい試合でしたね!!

「感動をありがとう」って感じです☆
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