面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

美しい夏カゴシマ①

2007年09月19日 | 放浪記

鹿児島を代表する桜島の雄姿


いささか旧聞になってしまったが、先月、遅めの夏休みを利用して鹿児島へ行ってきた。
九州地方は、福岡、大分、長崎、熊本には行ったことがあったが、鹿児島はまだ足を踏み入れたことがなかった。

夏真っ盛りの鹿児島は台風に見舞われることもなく(正確には台風は通り過ぎた後だった)、スコールのような雨に降られることはあったが、毎日抜けるような青空。
今回の放浪にはレンタカーを利用したが、これは大正解。
大阪とは違い、電車(正確には「汽車」、もっと正確には「ディーゼル機関車」)の便は圧倒的に悪いため、車での移動を思いついたのだが、2泊3日という短い行程でも十分に楽しめた。

初日、鹿児島空港から宿泊先の鹿児島サンロイヤルホテルへ向かう途中、有名な「磯庭園」に立ち寄った。
(自分はそんな庭園の存在は知らなかった)


<「磯庭園」入場口>
鹿児島と言えば島津の殿様だが、その島津家の別邸である。


<御殿正面>
広大な敷地からは桜島を真正面に見ることができ、藩主の別邸にふさわしいロケーション。
今でこそ屋敷前を国道とJRが走るため些か興趣を削がれるが、その昔は遮る人工物など無く、絶景であっただろう。


<御殿の前庭から見える桜島>

ちょうど庭園に入るころから雲行きが怪しくなり、雷雨に見舞われた。
あわてて茶店に駆け込み、この「磯庭園」に近い海水浴場の浜茶屋の名物という「ぢゃんぼ餅」を食べた。


<「ぢゃんぼ餅」残照…>
食う前に写真を撮り忘れた!(口いやしい!)

夕立が晴れると、日中の暑さが嘘のように涼しくなった。
当時の大阪では日中は平気で35℃を超えていて、夕方になっても夕立が降っても、蒸し暑いだけという状態であったが、さすが鹿児島は違う!
(なにが「さすが」かはわからないが)

茶店を出てウロウロ。
なんせ広いので、端まで行く気力は失せていたが、桜島(錦江湾)を背に山側を見れば、そこには「千尋巌」と名づけられた岩がある。


<「千尋巌」>
写真では分かりにくいが、岩肌に白い“何か”が付いているのが見えるだろう。
なんと、切り立った崖に「千尋巌」と文字が書かれているのである!
思わず「何じゃそら!?」とツッコんでしまったが、何代目かの島津の殿様が、3千人以上の人間を動員し、3ヶ月余りの期間を費やして作り上げた名物とか。
中国の故事に因んだとか何とか謂れが書かれていたが、やはり「何じゃ、そら!」である。
もっと他にやるべきことがあったやろ!?
まあ、江戸時代の鹿児島の平和を象徴するものと考えれば、それも一興か。

そろそろ出るかということで(閉園時間も迫っていた)入り口近くまで戻ってきたところで、せっかくなので大砲を撮る。


<そのまんま大砲>
大砲の向こうは砲台だった(確か)。

この観光スポット「磯庭園」は、庭園だけではない。
鹿児島の歴史をたどれる資料館が別にある。


<「尚古集成館」>
こういうところもしっかり見学し、その土地の歴史にも触れておかねば。
しかし館内は写真撮影禁止なので、中身の紹介はあまりできないのが残念。

閉園時間となって「磯庭園」を追い出され、鹿児島中心部へと向かった。
ホテルは中心部から離れているため、まずは鹿児島の繁華街「天文館」で腹ごしらえすることにした。

そこでせっかくなので、「正調薩摩料理」とやらを味わうことに。
やはり季節柄、キビナゴの刺身は外せまい。


<キビナゴの刺身>
キレイな銀色に光る皮。
アジとかサンマとかの系統になるか。そんな味でもあった。
美味い美味い♪

そして鹿児島といえば「さつま揚げ」である。
もちろん地元では「さつま揚げ」とは言わない。
よその土地の人間が、薩摩の食べ物だからということで名づけたわけで、大阪で言う「明石焼き」は明石では「卵焼き」、「広島焼き」は広島では「お好み焼き」と呼ぶのと同じだ。


<薩摩名物「つけ揚げ」>
そう、鹿児島では「さつま揚げ」は「つけ揚げ」と呼ばれる。
(地域によっては「ちけ揚げ」とも)
熱々の作りたては美味いねぇ♪

夕食後はデザートである。
鹿児島といえば「しろくま」。
カキ氷の一種であることは知っていたが、調べてみると天文館にある「むじゃき」という店が発祥の、わりと近年になって名物となったもののようだ。
さっそく地図を頼りに行ってみる。


<「むじゃき」店頭>
辿り着いて驚いた!
ビル一軒、まるまる全部「むじゃき」グループ。
地階に喫茶店、1階に中華、2階に“ファミリーレストラン”、その上には居酒屋が入った“雑居ビル”。
大阪で言えば、さしずめ「大和実業」か?

そんでまた、1階の店頭に置かれている「しろくま」の見本がデカっ!
しかも「しろくま」にも、いろんな種類があった。
どの店に入ろうかと迷いつつ、結局2階の“ファミリーレストラン”へ。
お世辞にもオシャレとは言い難い店内に入り、最も基本形の「しろくま」をオーダーする。


<本家「しろくま」>
ぶっちゃけ、このカキ氷はデカイ。
女性なら、一人で食べきるのは至難の業であろう。
店にも注意書きがあり、女性の場合は2人で分け合うようだ。
ちなみに地階の店ではハーフサイズがあり、女性の場合はこちらを勧められたりする。
山盛りの氷に練乳がかかっており、フルーツが散りばめられている。
このフルーツの盛り付け方が白熊の顔をなぞらえていた…ようにモノの本にはあったはずだが、どう見ても顔に見えない。
今は昔の物語なのだろうか?


<「しろくま」と紅茶>
半分ほど食ったところ。
自分はカキ氷が好きなので「しろくま」だけをイッキに食えるが、それほどでもない方はホットの紅茶などを飲みながら食すのも一興。
…ティーカップには、うっすら茶渋が残ってるけどね(安モンの場末の喫茶店か!?)。

鹿児島初日は無事に過ぎ、「夜は全て事も無し…♪」



最新の画像もっと見る

コメントを投稿