面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

88th全国高校野球選手権大会決勝

2006年08月21日 | 野球
帰阪の移動中、甲子園ではエライ試合が展開されていた。
神宮遠征の記事を書こうと思っていたが、これは触れずにいられない。

言わずと知れた(野球に興味の無い方は知らないかもしれないが)駒大苫小牧と早稲田実業の対戦。
駒苫(巷ではこのように言われているようだ)は中京商業以来73年ぶり史上2校目の夏の大会3連覇を目指す。
一方早実は、現西武ライオンズコーチの荒木大輔(松坂大輔の名前もここからきている程一世を風靡した甲子園のアイドル)を擁して勝ち進んだ第62回大会以来の決勝進出で初優勝を狙う。

駒苫の3連覇はアッパレな目標であるが、早実が夏の甲子園で優勝したことないというのは意外な事実だった。
かの王貞治投手(現ホークス監督ですね)を擁したときも優勝はしていないのだから、言われてみればそうだと気付いた。

結果は、なんと延長15回で1対1の引き分け再試合!
早稲田は選抜でも引き分け再試合をやっているが、1年で2回も再試合をやるなんて前代未聞、史上初である。
決勝戦の引き分け再試合は、1969年の三沢対松山商業以来。
元祖甲子園アイドル・三沢高校の太田幸司(後近鉄、晩年はタイガースにも在籍)が最後に力尽きた伝説の試合である。

両チームのエースが互いに一歩も譲らず、最少失点での息詰まる投手戦。
スポーツニュースで結果を追っただけなので詳細は分からないが、早実の斎藤投手の両者とも死力を尽くしての投球であったと言えるだろう。

殊に早実の斎藤投手は、最終回でなおストレートが147km/hを計測し、駒苫の4番を三振に切って取って試合を終えている。
言っちゃあなんだが、彼は優しい目をした非常に柔和な顔つきで、冷静沈着と言えば聞こえは言いが、淡々としたマウンドさばきの印象があったが、内に秘めた燃え滾る情熱を感じて感動的なシーンであった。
一方の駒苫の田中投手は、失礼ながら斎藤投手とは対照的な野性味溢れる顔つきで、力感のある投球フォームから力強いストレートを投げ込んでいた。
両投手とも、プロ野球での活躍を期待したい好投手である。

規定が変更されて重くなった金属バットに対応することが打撃力向上に結びついたようで、大会新記録の本塁打が乱れ飛び、大逆転連発の乱打戦が目立つ今大会にあって、決勝戦は正に全国のトップを決するにふさわしい引き締まった好ゲームとなったが、このことは改めて投手力が試合を制することも物語っている。
再試合も猛暑の中を過酷な展開となるだろうが、両投手とも故障だけはしないでほしいと願わずにはいられない。
彼らは野球界の宝なのだから。


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2 コメント

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ちょっと本題からずれますが (anzu)
2006-08-21 21:49:56
ふむふむ、と読み進んで、ひとつ驚いたことが、太田のこうちゃんって、阪神にもいたの?!でした。知らなかった

本日の再試合もよい試合でしたね。
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太田幸司投手 (たけとら♪)
2006-08-21 23:31:30
毎度お越しいただきましてありがとうございます。

疑問はごもっとものことと存じます。

1984年に讀賣より移籍した同投手は、背番号24を背負い、中継としての活躍を期待しましたが、結局一軍での登板は無いまま、その年限りで現役を引退しました。

ちなみにこの年のタイガースは、元中日・阪急の稲葉、元南海のエース山内とベテラン投手と契約。一人くらい当たれば儲け物(?)みたいな補強をしています。

タイガースに関するご質問があれば何でもどうぞ!
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