青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

中国および日本のユリ科(狭義)植物 Ⅷ ユンナンベニユリ滇蜀豹子花 Lilium forrestii

2024-05-06 07:53:09 | 雑記 報告



日曜日は、寝坊しない限り、朝8時過ぎに部屋を出て、徒歩45分かけて市役所前の教会に行き、日曜礼拝に赴きます。

カトリックの教会とプロテスタントの教会があって、僕にはその区別がつきません。それで両方に顔を出すのです。

カトリック教会は朝9時から、プロテスタント教会は10時半からということで、ハシゴが可能です。

不謹慎かも知れないと言うことは承知の上ではありますが、僕の母親(明治の末年生まれ)などは、仏壇と神棚とキリスト教の祭壇が並べてある居間で、座布団を移しながら、それぞれお祈りしていたものですから、それに比べればまだましな方ではないかと、勝手に納得しています。

お察しの通り、信心があるわけではありません。義理人情です。

カトリックのほうは、信者さんを通じて、携帯電話やフィルムスキャン機材などの提供者を紹介して頂き、プロテスタントのほうは、急病で苦しんでいる時に、牧師さんが病院まで付き添ってくださったりしました。

それらの恩に報いるため僕に出来ることは、日曜ミサに出席し続けることぐらいかと(両方掛け持ちの件については、プロテスタントの牧師さんは、いいですよ、比べてみるのも、もっとも他の人には言わないで置いた方がいいですね、と)。

カトリックのほうは、良くも悪くも形式重視で重苦しく、1時間余、ひたすら我慢の子です。それもまあ良いのではないかと思っています。プロテスタントのほうは、一転してフランクで、それまでの緊張感から解放されます。牧師さんの説教が、様々な例え話などに飛び火したりして、毎回面白いのです。



キリスト教発祥前後の舞台は、中東(主に西半部)から地中海東南岸(ギリシャ辺りまで)にかけて。それは野生生物の典型分布パターンと、ほぼ完全に重なります。

例えば(東アジアのギフチョウに対応する)モエギチョウ。

モンシロチョウの祖先集団。

様々な果物や野菜の祖先集団。

今取り上げているユリでは、マドンナリリーやマルタゴンリリーの在来分布地。

ほとんどの生物が、東アジア(中国西南部横断山脈周辺と日本列島に2つのターミナル)と対応するこの地域に、起源を発しています。

もっとも、それらの時代は数100万年単位の過去に遡るのですが、現代の人類に連なる(キリスト文明を含む)歴史は、せいぜい数千年単位、全く異なるのですね(ただし、種としてのホモ・サピエンスの歴史は100万年単位に及ぶ可能性があります)。なのに、実態は重なっている(僕は“時間のフラグタル”という概念で捉えたいと考えています)。



それはともかく、聖書は、様々な諍い(裏切りとか葛藤とか)の物語で構成されているようです。早い話、紛争・戦争ですね。その舞台が、現在の紛争地帯と、すっぽりと重なる。見事なまでに一致しています。人類は、何千年と同じことを繰り返し続けているわけです。

正義、平和を叫びつつ、なのに、なぜいつまで経っても戦争が無くならないのか。

人々が頑なに平和を望んでいることが、戦争が無くならない原因です。

平和な世界が成就する唯一の方法は、自らにとっての平和を放棄する事、選択肢はそれしかないと思います。

そしてそれは、絶対に出来ないわけですね。

人類が亡滅する寸前に、その事に気が付くのかも知れません。



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全く無関係の話です。



ネットニュースを検索していたら、

「カメムシはゴキブリより嫌われている」

という話題を目にしました。

セミ(半翅目)大好き人間の僕としては、兄弟分*のカメムシがそんなに嫌われていることに、少なからずショックを感じます。昔はそれほど嫌われてはいなかったような、、、。一部の種が発する匂いだって、確かに強烈ではあるけれど、一方的に“悪臭”と決めつけてしまうのは、なにか抵抗を覚えます(カメムシの一種であるアメンボのように“飴に似た香り”と形容されていたりするし)。

匂いに関しては、いつの頃からか、“嫌な匂い”という感覚が、空気伝染的に広がっていって(無意識同調)、特定のコミュニティ(例えば日本人)共通の概念として意識の中に刷り込まれてしまった、と言えるのではないでしょうか?

*以前は半翅目は同翅亜目(セミやウンカ、およびアリマキ)と異翅亜目(カメムシ)に分けられていたのですが、最近の見解では、カメムシも意外にセミと近縁であることが判明しています(従って亜目分割は成されない)。



コメント群(全て「カメムシ大嫌い」で統一)の中に、「カメムシは根絶するべき」という意見がありました。

賛成者多数の中にあって、

>「根絶」だなんてあんまりでしょ。 カメムシの気持ちも考えなさいよ!

という、真っ当な意見もありました。

しかし、その意見には、膨大な数の「そうは思わない」が押されていた。

やりきれないですね(;´д`)。



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ユリ科の話

Saluenense -clade



旧・Nomocharis属です。バイモ(クロユリ)属、ウバユリ属、Notholilion属と共に、ユリ属に近縁の側系統に位置づけられてきましたが、単系統の属としては成り立たず、ユリ属の一分枝に集約されることが判明して、現在ではユリ属に併合されています。系統分枝上、葉緑体DNAに拠る解析では大理百合などが所属するBakerianum cladeに、核DNAに基づく解析ではヨーロッパに繁栄する数少ないユリ属の一群のCandidum(マドンナ・リリー)cladeに、それぞれ近い位置に示されています。

実に美しい花の咲く一群で、中国西南部-インドシナ半島北部-ヒマラヤ東部に分布する5種前後から成っています。

林縁などの湿地上に、丈の低い茎の頂に大きく派手な色彩の花が下向きに咲きます。撮影は、体を伏せて茎の根元付近からカメラを上向きに構えねばならず、体中が泥んこになってしまいます。



僕個人的に嬉しいことは、属が置き代わって(ユリ属に併合されて)も、旧来の”Nomocharis”時代の中国語名称(滇蜀豹子花または開弁豹子花)が、そのまま併用されていることです。

地方名の持つ意味合いは、学名の持つ意味合いとは全く異なる次元で成り立っている、という、“非科学的処置の重要さ”が、研究者たちも分かってきつつあるように思われます。

特に和名は無いように思われますが、僕は以前から“ユンナンベニユリ”の名で通しているので、ここでもその名を使用しておきます。



なお、中国植物志では、種名がforrestiiからapertumに変更されていますが、ここでは便宜上、旧名のforrestiiを当てておきます。

Nomocharis forrestii=Lilium forrestii=Nomocharis apertum=Lilium apertum=滇蜀豹子花=滇蜀豹百合=開弁豹子花=開弁百合=ユンナンベニユリ
















雲南省香格里拉近郊(碧塔海) 2005.6.20






雲南省香格里拉近郊 2005.6.19






雲南省香格里拉近郊 2005.6.18








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