功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『火燒紅蓮寺』

2009-03-24 22:02:41 | カンフー映画:駄作
火燒紅蓮寺/呂萱良火燒紅蓮寺
英題:The Story in Temple Red Lily/Battle In Red Temple
製作:1979年

●まず本作はタイトルを見て欲しい。「火燒紅蓮寺」とあるが、いかにも少林寺焼き討ちを連想させる題名ではないか。なので私は『少林寺炎上』の嘉凌(ジュディ・リー)が出演しているので、それに便乗した少林寺焼き討ち映画かと思っていました(事実、彼女の衣装もよく似ている)。だが、本当のところは少林寺と関係の無い武侠小説が元となっているらしく、劇中に僧兵は出てくるが少林寺とはまったく無関係のようだ(主要武器が何と血滴子!)。
他にメインキャストには董力(トン・リー…実質的な主役)や譚道良(タン・タオリャン)が並んでいるが、その他の出演者は龍飛(ロン・フェイ)などショボい連中ばかりで、作品そのものも非常にまどろっこしい出来だ。ストーリー展開は会話シーンがメインで、しかも功夫シーンは少ないので凄まじく見づらい。悪の巣窟である紅蓮寺と嘉凌ら一派の闘いが物語の根本のようだが、演出がタル過ぎて全然面白くないのである(原作を知っていれば見方は幾分か違うかもしれないが…)。
こうなると数少ない功夫アクションに一分の望みを抱くしかなくなるのだが、そっちに関しても期待外れすぎて腹立たしい事この上ない。というのも、主役であるはずの董力・嘉凌・譚道良ら3人が前半はまったく登場せず、出てきてもほとんどアクションを披露してくれないのだ。董力らが本格的に活躍しだすのは開始40分を過ぎてからで、譚道良に至っては数シーンに出てきただけで何の説明も無く退場してしまう。オープニングのクレジットには嘉凌と並んで思いっきり譚道良の名が表記されているのにもかかわらず、だ。
私としては譚道良を目当てに視聴していた事と、本作が少林寺焼き討ち映画だと思っていた事で、不満と不信感は最高潮。しかも視聴したVCDが動作不良でクライマックスがまともに見られないというアクシデントも重なった結果、本作の評価は下の下へとガタ落ちになってしまいました。
ちなみに監督は『夢拳蘭花手』『銀蕭月剣翠玉獅』などのパッとしない作品作りに定評のある廖江霖(カール・リャオ)。『銀蕭月剣翠玉獅』の時もそうだったが、どうしてこの人はまともに撮れば面白そうな素材をわざわざこじらせてしまうのだろうか?しかも本作の場合は、荊國忠が驚きの主演を飾った『夢拳蘭花手』、王道(ドン・ウォン)と茅瑛(アンジェラ・マオ)が共演した『銀蕭月剣翠玉獅』のように、売りになるようなポイントが何ひとつ存在していない。むしろ目に付くのはマイナスポイントばかりであり、いっそのこと廖江霖を「香港のアルバート・ピュン」と言ってしまいたいところだ。
しかし、唯一未見の廖江霖作品『大鷹王』をチェックせずして結論は出せない。廖江霖への正当な評価を下すには、まず『大鷹王』を見なければならないのだが…正直、私はまったく見る気が起きません(爆

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
「火燒紅蓮寺」 (なるこう)
2009-03-30 11:25:29
「火燒紅蓮寺」は元々最初の武侠片としてすごーく昔に撮られた作品のリメイクですね。これはNHK番組の受け売りですが。

>パッとしない作品作りに定評のある廖江霖
あかんやん(笑 パッとしてないやん(笑
「大鷹王」は持ってるのでレビューしようと思えば可能ですが、任せようかな?パッとしてほしいので(笑
残念ながら(?)廖江霖監督作品はそれ以外にもあるみたいです。
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返信! (龍争こ門)
2009-03-31 22:12:33
なるこうさんこんばんは!


>「火燒紅蓮寺」は元々最初の武侠片としてすごーく昔に撮られた作品のリメイク
何か原典があると思っていましたが、なるほどリメイク作品でしたか。という事はやはり本作の肝は元の作品を見ていないと、本作の真価はイマイチ解らないようですね。
ところで逆に質問してしまって申し訳ありませんが、孟飛主演の『妖術大変化(新火燒紅蓮寺)』もやっぱりこれらと関係アリなのでしょうか?私は未見なのでよく存じていないのですが…。

>「大鷹王」は持ってるのでレビューしようと思えば可能ですが、任せようかな?
なるこうさんは『大鷹王』視聴済みのようですが、もしかしてこちらはパッとしているのですか?個人的に『大鷹王』はあまり功夫スターが出ていないようなので期待はしてなかったのですが…どうしましょう?(笑

>残念ながら(?)廖江霖監督作品はそれ以外にもあるみたいです。
調べてみたところ、HKFAにて『三個女孩的故事』という監督作があるのを発見しました。台湾製の時裝片ということなので特別見たくなるような作品では無さそうでしたが、私が元としていたのはHKMDBのデータだったので見落としていました(修業不足ですいません…)。
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