功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『花嫁はギャングスター』

2007-09-22 22:36:19 | 女ドラゴン映画
「花嫁はギャングスター」
我老婆係大[イ老]
My Wife is a Gangster
2001

●最初から最後までどこを楽しめばよかったのか理解に苦しむ作品だった。
いきなり結論から言ったが、本作の問題は主人公の性格設定にあったと思われる。
ストーリーは韓国ヤクザの女ボスである申恩慶(シン・ウンギョン)がガンに侵された姉から「死ぬ前に貴女の花嫁衣裳が見たい」という言葉を受け、結婚を決意する。しかし生まれながらに血で血を洗う任侠の世界に生きていた申恩慶には女らしさの欠片も無く、オマケに敵対組織も動いてくるわと、果たして一体どうなるか…というもの。
話だけを聞けば恋を知らない姉御が右往左往するコメディと思うかもしれないが、やたらアクションシーンが血生臭くて凄惨だわ(武術指導は『無問題2』でユンピョウと闘った大韓ファイター・元振(ウォン・ジン))、肝心の恋愛過程も申恩慶のキャラが冷徹すぎてちっとも感情移入できない始末だ。
申恩慶はその後中年オヤジの朴相勉(パク・サンミョン)と結婚する。朴相勉は相手が怖い女組長とは知らないで結婚させられたので、以降かなりヒドい扱いを受ける事になる。一応表面上はコメディのような筋立てで話は運ぶものの、新婚初夜を拒否されたかと思うと今度は無理矢理組み敷かれたり(姉が今度は「貴女の子供を見たい」と言ったため)、全然笑えない。
この他にも先述の過程でエロい(悪く言えば下品な)描写もあったりと、ドン退きする要素満載だ。
できるならもう少し申恩慶のキャラクターを砕けたものにして、戸惑ったり困ったりといった人間的な表情を見せる場面ぐらいあったなら感情移入できただろう。あるいは冷酷だった申恩慶が結婚を機に人の情に触れ、次第に感情に変化が…という話もありえたと思う。でも、それでは組長という設定に説得力が…う~ん。
私が主人公の設定がダメだと思ったのはそういう原因がある。同じような原因で損をしている作品には『ワンチャイ天地雷鳴』『ドラゴン電光石火98』『新・少林寺三十六房』などがあるが…なぜかドニーの作品が多いな。
演出次第でもうちょっとどうにかなったかと思う作品。続編も作られたが、果たしてこちらは…?

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