功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『沈黙の鉄拳』

2015-05-10 23:06:56 | マーシャルアーツ映画:中(2)
「沈黙の鉄拳」
原題:A DANGEROUS MAN
製作:2009年

●かつて特殊部隊に所属していたスティーヴン・セガールは、無実の罪で6年間も刑務所にブチ込まれた挙句、愛した妻にも逃げられてしまった。
出所後、すべてを失った彼は自暴自棄に陥るが、運悪く銃撃事件の現場に遭遇する。とりあえず警官を殺した男たちを叩きのめし、連中が乗っていた車を調べてみると、そこには大量の金と1人の美女(マーライナ・マー)が…?
 セガールは金とマーライナを回収し、一緒に居合わせたジェシー・ハッチの車で逃走。事情を聞いたところ、彼女の叔父は中国人民軍の麻薬密売に関わっており、仕事からの足抜けを望んでいたという。
マーライナは彼の国外逃亡に協力していたが、もちろん軍がそんな事を許すはずがない。そこで文峰(バイロン・マン)を刺客として放ち、麻薬組織と結託して彼女を狙ったのだ(大金は麻薬組織に協力報酬として支払うものだった模様)。
対するセガールは、ジェシーの父親であるロシアンマフィアの親分と出会い、共同戦線を張ることとなった。やがて戦いは2大勢力の抗争に発展するのだが、果たして生き残るのはどっちだ!?

 当たり障りのないアクション映画を量産し、セガール作品の常連監督としても有名なキオニ・ワックスマン。本作はそんな彼とセガールが組んだ初期の作品ですが、その出来はというと……やっぱり当たり障りのない内容となっていました(笑
ストーリーはセガールが大暴れするだけで、特色らしい特色といえば「主人公が自暴自棄」という設定しかありません。そのせいか本作のセガールは妙にイラついており、各所で残虐ファイトを見せています。
 敵に容赦しないのはいつもの事ですが、本作では相手の顔を分解した銃でメッタ刺しにし、首筋に鉄の棒をドスドスと突き立て、材木用の破砕機に投げ込んだりと殺りたい放題! もはやどっちが悪役なのか解らなくなるレベルです(爆
今回はこのクレイジーさが程よいアクセントになっており、殺陣のクオリティはそれほど高くないものの(今回はカット割りがやや多め)、最後まで楽しんで見ることが出来ました。
 ただ、俊敏な動きをしていた文峰がセガールに反撃できず、一方的にボコられて終わったのは実に残念です。敵の大半が中国系なのにカンフー的なアクションをしてこなかったりと、この辺の描写はちょっと不満でした。
なんにせよ「いつものセガール作品」としか言いようのない本作。キオニ監督の作風は今も昔も変わりませんが、ひょっとするとこの不変的な安定感をセガールは求めていた…のかもしれませんね。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
返信。 (龍争こ門)
2015-08-26 01:31:29
 カピさんこんはんは、お返事お待たせしました。
キオニ監督については、近年の仕事しかチェックしていなかったのですが、日本と接点のある作品に関わっていたとは知りませんでした。
現在のキオニ監督はセガールの専属に近く、合間にちょこちょことアクションやサスペンス映画を撮っているようです。
それにしても、のちに格闘映画の常連となる監督の作品が、格闘スターの主演作と同時上映だったとは…どこか運命的なものを感じますね(笑
返信する
キオニ・ワックスマン (カピ)
2015-08-23 22:52:03
「キオニ・ワックスマン」って遠い昔に聞いた名前ですね。
キオニといえば宝塚退団後間もない主演の天海祐希が「ついにハリウッドデビュー!」なんて売りコピーで当時宣伝されてた東映製作擬似ハリウッド映画「クリスマス黙示録」の監督ですね。
「クリスマス」のあと「セガール映画」を多く監督されていたとは知りませんでした。
ずっと監督として頑張られていたんですね。
またこの「クリスマス」の同時上映がダカスコス主演の「クライング・フリーマン」だったのを思い出しました。
返信する

コメントを投稿