功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

『舞拳』

2012-04-14 23:36:28 | 女ドラゴン映画
舞拳
英題:Dance of Death/Eternal Conflict
製作:1976年

▼ここ最近、私の中で女ドラゴン映画がちょっとしたマイブームとなっていまして、国内外を問わず様々なレディースアクションをチェックしています。本作は随分と前にDVDを入手していた1本なのですが、久々に見直してみたらとても面白かったので、本日の紹介に至ったわけです(爆
既に方々で語られていますが、本作は『女活殺拳』の茅瑛(アンジェラ・マオ)が主演したコメディ功夫片であり、かの成龍(ジャッキー・チェン)が武術指導を担当したことでも知られる作品です。監督は台湾時代のジャッキー作品を手掛けてきた陳誌華なので、作品のテイストも『○○拳』シリーズそのまんまとなっています。

許不了と王太郎は、身なりこそ汚いが功夫の達人。互いに自分の拳法が優れていると主張し、古寺で腕前を競っていたが、そこに茅瑛が現れる。彼女は言葉巧みに2人の元へ弟子入りし、彼らから特訓を受けることになった。
茅瑛がこのような行動を取るのには重大な理由があった。彼女は余松照が経営する道場の生徒だったが、あるとき邪悪な拳法一派・百鳥門に襲われていた泰沛を助けた。百鳥門は余松照の道場に押し入るや、泰沛や余松照を始めとした道場関係者を全員殺害。辛うじて茅瑛だけが脱出し、仲間たちの復讐を誓ったのである。
 師匠コンビの特訓によって強くなった茅瑛は、百鳥門の石天(ディーン・セキ)や葛炮を次々と撃破。遂にはボスの嘉凱を引きずり出すまでに至ったが、この男だけは別格だった。嘉凱が繰り出す馬拳は恐ろしく強力で、茅瑛と師匠コンビが束になっても敵わない。結局、3人は一時撤退を余儀なくされてしまう。
その夜、師匠コンビは客棧で踊り子が酔っ払いをいなしていた様子を元に、女性的な動きを模した「舞拳」を考案。この期に及んでも競い合いながら技を開発する師匠コンビであったが(笑)、嘉凱も孫榮志に馬拳を伝授し、最後の闘いに備えていた。舞拳と馬拳…最後に勝つのはどちらなのか!?

▲ストーリーは典型的な仇討ちものであり、これといって特徴的なポイントは見当たらないのですが、それだけに安定した面白さを維持している作品です。前述したように作風は『笑拳』や『天中拳』に近く、人死にが多いもののコメディとしては充分成立しています。
注目のジャッキー指導によるアクションも質が高く、複雑な殺陣がたくさん登場します。本作のように固有の拳法が登場する功夫片では、武術指導の出来不出来によって拳法の特色が解りづらくなる場合があります。しかし、本作の舞拳は特徴的で解りやすい動作が多く、見ていて素直に楽しむことができました。
一部のシーンでは複雑すぎる殺陣のせいでスピード感が削がれたり、コメディ演出がくどすぎて冗長さを感じる事もありますが、全体的には二重丸の出来。個人的には、もうちょっと茅瑛に女性らしい可愛げのある格好になって欲しかったのですね(これはゴールデンハーベスト時代の作品にも言えるのですが…)。

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