功夫電影専科

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『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地発狂』

2007-09-12 21:35:23 | カンフー映画:珍作
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地発狂」
原題:黄飛鴻之男兒當報國
英題:Fist From Shaolin
製作:1993年

●『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地黎明』の大ヒットにより、黄飛鴻を扱った数多くの亜流作品が作られました。本作もそのひとつですが、こちらは香港と中国の合作によって作られているため、香港映画でお馴染みのキャストは殆どいません。
しかし、中国側から李連杰(リー・リンチェイ)にゆかりのあるスタッフ&キャストが集結し、よくよく見ると豪華な布陣が揃っています。監督には『少林寺』の張[金金金]炎が、黄飛鴻と戦う敵役で『天地黎明』の邸建國と、『方世玉』の計春華も顔を見せていました。
 ただし問題なのはその内容で、全編に渡って『天地黎明』の模倣に徹しているのです。ストーリーは十三嬢を迎えに行った黄飛鴻がトラブルに巻き込まれるという、まったくもって独自性のない展開が続きます。
黄飛鴻役の王群(ウォン・クァン)や四大弟子、十三嬢のキャラは本家シリーズそのまんま。邸建國に至ってはアメリカに労働者を売り飛ばそうとしたり、サトウキビをかじったりと確信犯的に『天地黎明』とキャラが似せてありました。
 その他にも語り草となっていますが、冒頭では『少林寺』から李連杰の映像が思いっきりインサートされ、その後に流れるオープニングも『天地黎明』そっくりという始末。亜流作品に模倣的な要素は付き物ですが、本作は特にあざとく作られていると言えるでしょう。
功夫アクションについては悪くないものの、こちらでも傘や獅子舞や梯子を使ったファイトが展開され、これでもか!と言うほど“似せた”アクションが炸裂しています。ここはヘタに傾倒せず、オリジナルのアクションを構築してくれればなぁ…。
出来は悪くないし、アクションもそこそこ。しかし行き過ぎた模倣が大きな足かせとなり、バッタもんに等しい代物となってしまったのは残念でなりません。重複しますが、もう少しオリジナリティを大切にして欲しかったですね(苦笑

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