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功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

KSS発・格闘セレクション(3)『疾風 Basement Fight』

2017-03-15 12:26:44 | 日本映画とVシネマ
「疾風 Basement Fight」
「疾風 HAYATE Basement Fight」
製作:2003年

●裏社会のフィクサー・菅田俊は、ファイター同士を殺し合わせる闇試合の開催を目論み、多数の格闘家たちを拉致。恋人を菅田に誘拐された松田悟志、松田の友人で借金まみれの吉岡毅志、そして謎の女・大谷允保の3人が集められた。
ここに師匠を菅田の配下によって殺された空手家・松田賢二を加え、脱出不可能なデスマッチが幕を開ける。リーマン風の卑劣漢・高東楓が、賢二の仇敵・新井雄一郎が、大谷のライバル・清水あすかが、功夫使いの佐渡正城が次々と立ちはだかった。
松田たちは賢二を失いながらも、一連の戦いになんとか勝利する。だが、最後に待ち構えていた最強の刺客・山口祥行はとても手強く、3人は徐々に追い詰められていく。果たして、最後に生き残るのはどちらなのだろうか!?

 本作は李小龍(ブルース・リー)へのオマージュに溢れた快作『烈風 ACTION!?』の姉妹編で、内容の8割が格闘シーンというアクション押しの作品となっています。
出演者の多くが『烈風』から引き続き登板しており、こちらでもハードな肉弾戦がこれでもか!と展開。新たに加入したダブル松田や大谷の動きも悪くなく、それぞれに見せ場となるファイトが用意されていました。
 その一方で、ストーリーは凡庸だった『烈風』よりもグレードダウンしていて、正直言って壊滅的です(爆)。ツッコミどころは恐ろしいほど多く、釈然としない描写・説明不足の展開が嵐のように吹き荒れています。
どうして賢二の師匠はデスマッチに参加したのか? 菅田を見た吉岡が口走った意味深な台詞は何を示しているのか? 脱出不可能の空間なのにあっさり逃げ出せそうなのは何故? 回想シーンが前半に集中しすぎでは? …等々、挙げるとキリがありません。
個人的には、主役3人と遅れて合流した賢二がすぐに仇敵と遭遇し、一番早く脱落してしまう展開はどうかと思ってしまいました。いくらなんでも死ぬのが早過ぎるし、こういう因縁の相手との対決もクライマックスに持って来るべきなのでは…?

 とはいえ、先述したように格闘シーンの出来は本当に上質であり、圧巻のファイトが堪能できます。序盤は回想シーンで停滞しまくるストーリーにイライラさせられますが、吉岡VS筋肉トリオの辺りから一気に加速し始めるのです。
そこからは松田VS武術指導兼任の佐渡、ウェポンバトルを交えた大谷VS清水など、多種多様なバトルが続発! 中でも吉岡の動作は相変わらず俊敏で、ラストバトルでは相手の膝に足を掛け、胸→顔へと連続蹴りを放つという妙技を見せてくれました。
 そのラストバトルにおいて、3人を迎え撃つのが元JACの山口祥行です。彼は任侠系の『喧嘩組』シリーズ、時代劇の『新・影の軍団』、そして『新・年少バトルロワイヤル』などで猛威を振るい、その高い技量を披露しています。
本作では3人の攻撃にビクともせず、ノッシノッシと歩み寄る姿はまさにセガールの如し(…って流石にそれは言い過ぎか・笑)。結末はやや腰砕けですが、ラスボスに相応しい堂々たる強さを見せつけていました。
 ソリッドシチュエーションとマーシャルアーツの融合という、『キル・オール!』を先取りしたかのような本作。格闘アクションは文句なしの出来なだけに、つくづくストーリー面の弱さが惜しまれます。
さて、KSS作品をめぐる旅も後半戦に突入。次回は日本有数のアクション監督となった某氏による、記念すべき最初の監督作に迫ります!

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いっそ地下に向かう塔にしてほしかった (二白桃)
2017-03-15 21:54:11
こんばんは。
この作品は何年も前にレンタルで見たきりなので内容はよく覚えてませんが、まあまあ面白かったと記憶してます。
邦画アクション作品でまあまあ面白いというのは、私にとっては結構な褒め言葉です。
いわれてみれば『キル・オール‼』に似てますね。
『キル・オール‼』ではさりげなく三節棍が置いてましたが、『疾風』では私の好きな『死亡の塔』の続編っぽいポスターが飾ってあって、嬉しく思ったことをうっすら覚えてます。
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返信。 (龍争こ門)
2017-03-24 03:21:23
二白桃さんこんばんは、お返事が大変遅くなって申し訳ありません。

>『キル・オール‼』ではさりげなく三節棍が置いてましたが、『疾風』では私の好きな『死亡の塔』の続編っぽいポスターが飾ってあって、嬉しく思ったことをうっすら覚えてます。
 確かに吉岡の部屋に何宗道のポスターが貼られていましたね。『烈風』でも濃い内装の部屋に住んでいましたが、あの小道具の出所が気になります(笑
あと、そういえば本作にも武器の部屋に『死亡遊戯』仕様のヌンチャクが置いてありました。本編で吉岡が使用したヌンチャクは別の物でしたが、個人的にはこっちを使って欲しかったですね。
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