
「闇の天使 DREAM ANGEL」
製作:2001年
●日中合同による石油プロジェクトが進む中、その計画に携わっていた中国人の女が殺された。犯人の衆議院議員・岡崎二郎は、秘書の西守正樹(『どチンピラ』!)や石油会社の副社長と共謀し、事件の隠ぺいを画策する。
この事態を重く見た両国政府は、事態の収拾を“闇の天使”に依頼。国家間の関係悪化を避けるべく、当事者たちを秘密裏に葬り去る事となった。
スタント女優の秋本つばさ、キャンギャルの青木理央、そしてカウンセラーのマリアンは、さっそく仕置きに向けて動き出していく。だが、一方で殺害された女の姉・翠玲が現れ、たった1人で仇討ちを強行しようとしていた。
マリアンたちは副社長を自殺に見せかけて始末し、続いて自宅の屋敷に閉じこもった岡崎たちに狙いを定める。ところが、ここに翠玲が介入したことで事態は一変。彼女と合流した“闇の天使”たちは、最後の戦いに挑むが…!?
さて本作は、大ヒットを記録した『チャーリーズ・エンジェル』の要素を取り入れた作品で、そこにR指定相当の濡れ場を惜しげも無く挿入。さらには必殺仕事人チックなテイストまで加えた、実に欲張りな一品です。
ただし『チャーリーズ~』らしいポイントは、黒を基調とした衣装(終盤にしか着用しない)とタイトル、顔の見えないボスが指令を出すという3点のみ。ちなみに本作のボスは安岡力也が演じていたりします(笑
ストーリーは仕事人シリーズにありそうな勧善懲悪モノで、どことなく同じタイプの『必殺!バトルロード』を彷彿とさせますが、残念ながらそこまでボルテージの高い作品ではありません。
まず気になるのが、低予算が見え見えの作りです。冒頭で映る上海の街並みがどう見ても横浜だったり、岡崎がクラブを持って出かけた先が打ちっぱなし練習場だったり(ゴルフ場じゃないのかよ!)と、そこかしこでショボさが垣間見えていました。
問題なのは、そんな状況でスケールの大きな話を展開しようとしている点でしょう。登場人物に英語を喋らせ、ワールドワイドな雰囲気を作り出そうとしていますが、そのせいで逆に無理をしている感が強調されてしまっているのです。
物語についてもルーティンな展開から抜け出せておらず、その内容も非常にスカスカ。例えば、中盤で暗殺の手筈を記した紙を紛失するくだりがあるのですが、これが敵の手に渡ってピンチに陥る…なんて展開に発展せず、何事もなく話が進行していきます。
もっと話を膨らませたり、伏線にする事が出来た部分もあるのに、それを上手く生かせていないのが本作の難点と言えます。ただ、秋本つばさのド派手な立ち回りは見栄えが良く、彼女のアクションこそが本作最大の見どころかもしれません。
秋本は『必殺!バトルロード』でカポエラ使いを演じており、今回も伸びやかな足技をビシバシと披露。序盤の撮影現場における豪快な殺陣、終盤のザコを相手にした乱戦は実に迫力がありました。
しかし、中盤のマリアンVS翠玲ではカメラワークのせいで本人が演じているのか解り辛く、終盤の“闇の天使”VS西守の総力戦もスッキリしない結末を迎えています。ホントに秋本のアクションだけは良いんだけどなぁ…。
そんなわけで評価に困る本作ですが、次回はそんなモヤモヤを吹き飛ばす快作が登場します。あの李小龍にオマージュを捧げた傑作の姉妹編であり、延々とハードなアクションが炸裂する作品の名とは――詳細は次回にて!
製作:2001年
●日中合同による石油プロジェクトが進む中、その計画に携わっていた中国人の女が殺された。犯人の衆議院議員・岡崎二郎は、秘書の西守正樹(『どチンピラ』!)や石油会社の副社長と共謀し、事件の隠ぺいを画策する。
この事態を重く見た両国政府は、事態の収拾を“闇の天使”に依頼。国家間の関係悪化を避けるべく、当事者たちを秘密裏に葬り去る事となった。
スタント女優の秋本つばさ、キャンギャルの青木理央、そしてカウンセラーのマリアンは、さっそく仕置きに向けて動き出していく。だが、一方で殺害された女の姉・翠玲が現れ、たった1人で仇討ちを強行しようとしていた。
マリアンたちは副社長を自殺に見せかけて始末し、続いて自宅の屋敷に閉じこもった岡崎たちに狙いを定める。ところが、ここに翠玲が介入したことで事態は一変。彼女と合流した“闇の天使”たちは、最後の戦いに挑むが…!?
さて本作は、大ヒットを記録した『チャーリーズ・エンジェル』の要素を取り入れた作品で、そこにR指定相当の濡れ場を惜しげも無く挿入。さらには必殺仕事人チックなテイストまで加えた、実に欲張りな一品です。
ただし『チャーリーズ~』らしいポイントは、黒を基調とした衣装(終盤にしか着用しない)とタイトル、顔の見えないボスが指令を出すという3点のみ。ちなみに本作のボスは安岡力也が演じていたりします(笑
ストーリーは仕事人シリーズにありそうな勧善懲悪モノで、どことなく同じタイプの『必殺!バトルロード』を彷彿とさせますが、残念ながらそこまでボルテージの高い作品ではありません。
まず気になるのが、低予算が見え見えの作りです。冒頭で映る上海の街並みがどう見ても横浜だったり、岡崎がクラブを持って出かけた先が打ちっぱなし練習場だったり(ゴルフ場じゃないのかよ!)と、そこかしこでショボさが垣間見えていました。
問題なのは、そんな状況でスケールの大きな話を展開しようとしている点でしょう。登場人物に英語を喋らせ、ワールドワイドな雰囲気を作り出そうとしていますが、そのせいで逆に無理をしている感が強調されてしまっているのです。
物語についてもルーティンな展開から抜け出せておらず、その内容も非常にスカスカ。例えば、中盤で暗殺の手筈を記した紙を紛失するくだりがあるのですが、これが敵の手に渡ってピンチに陥る…なんて展開に発展せず、何事もなく話が進行していきます。
もっと話を膨らませたり、伏線にする事が出来た部分もあるのに、それを上手く生かせていないのが本作の難点と言えます。ただ、秋本つばさのド派手な立ち回りは見栄えが良く、彼女のアクションこそが本作最大の見どころかもしれません。
秋本は『必殺!バトルロード』でカポエラ使いを演じており、今回も伸びやかな足技をビシバシと披露。序盤の撮影現場における豪快な殺陣、終盤のザコを相手にした乱戦は実に迫力がありました。
しかし、中盤のマリアンVS翠玲ではカメラワークのせいで本人が演じているのか解り辛く、終盤の“闇の天使”VS西守の総力戦もスッキリしない結末を迎えています。ホントに秋本のアクションだけは良いんだけどなぁ…。
そんなわけで評価に困る本作ですが、次回はそんなモヤモヤを吹き飛ばす快作が登場します。あの李小龍にオマージュを捧げた傑作の姉妹編であり、延々とハードなアクションが炸裂する作品の名とは――詳細は次回にて!
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