功夫電影専科

功夫映画や海外のマーシャルアーツ映画などの感想を徒然と… (当blogはリンクフリーです)

KSS発・格闘セレクション(4)『無人島物語 BRQ』

2017-03-20 13:07:23 | 日本映画とVシネマ
「無人島物語 BRQ」
製作:2001年

●ある日、30人あまりのレースクィーンたちが無人島に集められた。撮影会という触れ込みだったが、マネージャー同伴不可で島には撮影スタッフすらいない。不穏な空気が立ち込める中、突如として「今から殺し合え」という謎のアナウンスが島中に響き渡った。
高飛車な横須賀まりこは、支給された武器の中から真っ先にマシンガンを奪い取り、その場にいた大勢の女性たちを射殺。辛くも難を逃れた桜庭あつこは、友人の牛川とこを探そうと森の中に分け入っていく。
だが、そこで待ち受けていたのは確執と裏切り、嫉妬と憎悪が渦巻く死闘だった。合流した桜庭たちは、この凄惨な戦いを生き延びることが出来るのだろうか!?

 今月はKSSが製作した格闘アクションを取り上げていますが、なんだかヤバい作品の紹介が続いているような気がします(汗)。今回もどちらかというとこのタイプの作品で、前回の『疾風』も霞むほどの大惨事が展開されていました。
本作は甄子丹(ドニー・イェン)作品で経験を積み、『るろうに剣心』三部作で一般層からも評価を得た谷垣健治の初監督作であり、アクション監督は盟友の下村勇二が担当。脚本と共同監督には、かの千葉誠治が着任しています。
 しかし、本作には谷垣導演らしい茶目っ気や香港映画愛、千葉監督らしいディスカッションのロジックは存在せず、ただひたすら無味乾燥な会話と殺し合いが繰り広げられるのです。
ストーリーの進行もかなり杜撰で、仲間になりそうなキャラが家庭の事情を語った途端に速効で死んだり、なぜ桜庭が牛川を必死になって助けようとするのか理由が語られなかったりと、ハチャメチャな描写が続きます。
何も解決しないラストも含め、どうしてこのような結果になったのか不思議でなりませんが、当時の谷垣導演と千葉監督はまだまだ新進気鋭の身。上から「グラドルやレースクィーンでバトロワっぽいの撮れ!」と無茶振りされたのかもしれません。

 続いてアクションに関してですが、ご覧のように出演者の大半がアクション経験はおろか、映画出演も初めてという方ばかり(主演の桜庭はそこそこ殺陣の経験はあるのですが)。これには流石の下村氏も苦心したことでしょう。
そのためか、本作はほとんどアクションらしいアクションが無く、戦闘シーンも実にあっさりとしています。たまに武器を使ったり小競り合いが起きるものの、どのシークエンスも殺陣と呼ぶには短すぎました。
 本格的な格闘戦が見られるのはラストバトルだけで、意を決した桜庭が横須賀の舎弟コンビ(小林みきブレイク前のインリン…そういえばインリンって今何やってるんでしょうか?)と蹴り合戦を展開します。
続いてポン刀を抜いて迫る横須賀に対し、桜庭は何故か素手でこれを捌き、バトルは素手の勝負に移行。ここで『Bird's Eye』に先駆け、『ドラゴン危機一発'97』のマッハカンフーがそれとなく再現されていました(笑
ラストには桜庭による豪快なかかと落としも炸裂したりと、この辺に関してはそれなりの立ち回りに仕上がっています。とはいえ、個人的にはもうちょっとアクションの量を多くして欲しかったかなぁ…。

 出演者のセクシーな見せ場も少なく、なかなか評価がしづらい一本。しかし本作で組んだ2人の監督は、のちに『隠忍術』シリーズを手掛けることになり、一本立ちした谷垣導演は日本を代表するアクション監督になりました。
また、千葉監督と下村氏は何度もコンビを組み、『忍邪』『AVN/エイリアンVSニンジャ』を筆頭とした無数の忍者映画を撮ります。確かに本作は難のある出来ですが、のちに大成する3名の映画人にとっては、すべての始まりとなった作品…なのかもしれませんね。
さて、いつの間にか混迷の度合いを深め、一筋縄ではいかない作品ばかりをレビューしてきた今回の特集ですが、その旅路もいよいよ次でフィナーレ。次回は、香港から帰って来た男による命懸けの遊戯に迫ります!
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