段々に判って来た事であるが、“スズメバチ”の類は、常時、食事していないと死んでしまう!!!と言う事である。
何故?、こんな事が判ったかと言うと、昨日も触れたように、生掘り後、残り蜂をペットボトルに入れ、分けて帰宅、いざ、飼育箱に入れようとすると死んでいる御仁と、そうでない御仁に出会えたのである。
この場合、当然、ペット・ボトルには砂糖水を与えていない!!!
蟻ゴの被害が、時々、あるので、砂糖水の供給は、極力、避けて来たから判った事である。
で、大凡、1時間までは、砂糖水を与えなくても生き永らえるが、2時間を超えると、間違いなく、死亡する!!!
これは、何回となく経験してきた事で、この解決の為に出来るだけ働き蜂を巣盤に付けるように心掛けて来た。
が、巨大巣ともなると、逆流現象の課題があり、必ずしも上手くいかない事がある。この場合、致し方なく砂糖水を、極々、少量与える事にし、昨日の術を施すのである。
ご存じの方も多いだろうが、スズメバチの類は、胸部と腹部が大きく縊れているので、当然、固形物等通る訳が無い!
この為かどうか判らないが、成虫の中腸は、流動食のみを消化するような構造に変化してきた。進化の過程で、相容れる構造に適合して来たのだろう?
したがって、スズメバチの成虫は、流動食だけと言う事になる。
流動食?
かの有名な幼虫からの栄養交換の唾液、昆虫等の体液、アブラムシ等の甘露がその主なものだろう。。。
そして、過酷な事に、彼等の飛翔に使うエネルギーは計り知れないほど大きく、飛翔筋は、タンクの小さいハイオクを積んだ高性能エンジンみたいなもので、常時、ハイオクを補給しなければならない!!!
これが1時間と2時間の間にあるのだと思われる。
まして、生掘り時ともなると、極度に興奮し、全身を振り絞って蜂狂にアタックした働き蜂は、飛翔筋のエネルギーをかなり消耗している筈である。
だから長時間の食糧無供給は死を意味する事になる。
以前、和尚さんとヘボ談義をした事があるが、幼虫は自分らの可愛い子供であり、当然、本能的に養育すると言う習性を持ち合わせているが、甘露源等常時得られる訳でもない? だから、成虫自らが生き抜くため為には、幼虫と切っても切り離せない関係にある!!! ここが、自然界の神秘、実に、興味深い!!!
これが為(自分らが生き抜く為に)に、あのように働き捲ると言う事も考えられなくはない?
謂わば、成虫の非常時の食料源、タンクなのである。
幼虫が、あのようにブクブクに太っているのはその所為かも知れない?
この現象は、晩秋、新女王蜂が産出されていく過程で、「子捨て」現象として如実に表現されている。
スズメバチの世界は、実に、面白い因果関係を作り上げてきた。
もう大分前の話になるが、“オオスズメバチ”が、“キイロスズメバチ”や“ニホンミツバチ”を襲撃、食料源にすると言う放映があった。“オオスズメバチ”とて、襲撃でエネルギーを使い果たすと、一旦、巣に帰り、栄養交換でハイオクガソリンを積み、再度、攻撃する!!!と、言う趣旨の解説があった。
この放映で、事実、そのような行動があるように見えた。
彼等は、常時、エネルギーを補給しているのである!!!
生掘り時、時々、このような事を思い出しながら掘る事もある・・・
もっともっと掘り下げれば、これだけで、一つのシナリオが書け、面白い、自然界の神秘に近づけるだろう? “ヘボ”ちゃんと戯れていても自然界を考えさせてくれるテーマを与えて貰える。。。
ここに、“ヘボ”ちゃんの魅力を感じるのである。