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ゴエモンのつぶやき

日頃思ったこと、世の中の矛盾を語ろう(*^_^*)

障害者が車いすクリーニング 吉川の「ひだまり介護事業部」

2016年08月16日 04時15分33秒 | 障害者の自立

 さまざまな障害のある人たちが、車いすのクリーニングを仕事にしている福祉作業所がある。吉川市の「ひだまり介護事業部」。ここに通う障害者に、体の不自由な人やお年寄りのために働いてほしい-。職員のそんな思いで6年前に始まり、今では関東各地の病院や高齢者施設から請け負うように。ピカピカにした車いすを届けて「ありがとう」と喜ばれる障害者は給料もぐんと上がり、仕事が生きがいになりつつある。 (杉本慶一)

 吉川市北部の水田が広がる一画に、工場のような大きな建物がある。その中で、知的障害者の長沼裕基(ゆうき)さん(20)=三郷市=と身体障害者の鈴木真一さん(47)が台上の車いすに向き合っていた。

 長沼さんは小さな車輪(キャスター)を工具で外し、流し場で水洗い。鈴木さんは大きな車輪のスポークや車軸にこびりついた汚れを拭き取り、高温の蒸気で消毒していく。最後に二人でタオルやウエスで全体を丁寧に磨き上げた。「OKです」。約二十分間、作業を見守っていた「ひだまり」施設長の土屋紘一さん(38)が笑みを浮かべた。

 ここが、NPO法人「なまずの里福祉会」が運営する「ひだまり介護事業部」だ。知的や身体、精神障害のある二十歳~五十代の男女十五人が市内外から通い、車いすや介護ベッドを洗浄・消毒したり、中古品を販売したりしている。こうした仕事を手掛ける福祉作業所は県内ではほかにないという。

 発案したのは、同福祉会理事長の星座正俊さん(43)。星座さんが施設長を務めていた二〇一〇年、県外の作業所の取り組みをヒントに始めた。しかし当初は仕事の依頼がほとんどなく、“開店休業”が続いた。そして翌年に同福祉会に就職した土屋さんが力を入れたのが、営業活動だった。

 そもそも、車いすをクリーニングする必要性を考えたことがない病院や高齢者施設が少なくなかったという。「そこで『車いすの汚れは院内感染のリスクになる』『入所者の家族が来たとき、車いすが汚いと気持ち良く思わないのでは』と説明して回り、納得いただいた」と土屋さん。

 一一年度に洗浄・消毒した車いすや介護ベッドは約二百五十台だったが、昨年度は約四千五百台に。顧客は関東の各都県と静岡、山梨両県の約百団体・社に増えた。障害者の工賃(賃金)も一一年度の月額平均約一万円から、昨年度は約二万八千円にアップした。

 七年前に脳の病気で倒れ、左半身まひの後遺症がある鈴木さんは「汚れている車いすより、きれいな方がいいじゃないですか。だったら一生懸命きれいにしたい。僕がここで働けるのは(作業所や家族ら)みんなのおかげ。その恩返しがしたい」と熱く語る。

 長沼さんは週五日、電車で一時間かけて通っている。「仕事は最初は難しかったけど、だんだん慣れていった。(クリーニングした車いすを)納品するときに『ありがとう』と言われるのがうれしい」

 土屋さんは「障害者は自分が『ありがとう』と言う機会は多いけど、『ありがとう』と言われることは少ない。この仕事を通じてたくさんの人から感謝され、自分が必要とされているんだ、という気持ちを持ってもらえれば」と願う。

 ひだまり介護事業部の問い合わせは、同部(吉川市南広島)=電048(999)6555=へ。

<障害者の作業所と賃金> 「ひだまり介護事業部」のような福祉作業所は、一般就労が困難な障害者に働く機会を提供したり、就労訓練を行ったりする「就労継続支援B型事業所」と呼ばれる。2014年度末でB型事業所は県内に318カ所あり、障害者の賃金に当たる「工賃」は14年度で月額平均1万3950円(前年度比641円増)。全国平均を888円下回り、都道府県別では34位(前年度35位)。県は、障害者年金と家賃補助と合わせて障害者が自立して生活できる工賃として月額2万円を目標に掲げている。

車いすの汚れを丁寧に拭き、きれいに仕上げていく長沼さん(右)と鈴木さん

2016年8月15日   東京新聞


入所者9人殺害容疑—障害者施設襲撃・神奈川県警

2016年08月16日 04時13分20秒 | 障害者の自立

 相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」の入所者19人が殺害された事件で、神奈川県警津久井署捜査本部は15日、東側居住棟の女性入所者9人に対する殺人容疑で元職員植松聖容疑者(26)を再逮捕した。植松容疑者は「間違いありません」と容疑を認めているという。
 逮捕容疑は7月26日午前2時ごろ、津久井やまゆり園に入居していた26〜70歳の女性9人の首や背中を持参した刃物で刺したり、切り付けたりして殺害した疑い。9人は同日朝までに現場で死亡が確認され、司法解剖の結果、死因は出血性ショックや失血死などと確認された。
 捜査本部によると、植松容疑者は黙秘することなく調べに応じているが、殺害した入所者への反省や謝罪は口にしていないという。
 捜査本部は今後、西側居住棟で殺害された男性9人への殺人容疑でも同容疑者を再逮捕する方針。27人に重軽傷を負わせた容疑の立件も目指す。 

時事通信   8月15日


障害者差別の具体例 漫画で紹介…県が資料作成

2016年08月16日 03時57分49秒 | 障害者の自立

 今年4月1日に施行された障害者差別解消法を広く知ってもらおうと、県は障害者差別の具体例などを4コマ漫画で紹介した啓発資料を作った。同法は、行政や交通機関、商店などが正当な理由もなく障害者へのサービスの提供を断ることなどを禁じているが、県によると周知が進んでおらず、同法や障害者の現状を理解してもらうのが狙い。

 漫画では、不動産店で精神障害を理由に契約を拒否された例や、車いすの障害者がバスへの乗車を拒否された例などが描かれ、どのように対応すべきかが説明されている。漫画は、県立松戸高校芸術科に通う女子生徒や、大学で福祉を学ぶ学生ら計7人が描いた。

 資料は、県内の健康福祉センターや障害者相談センターなどで配布されるほか、県障害福祉課のホームページにも掲載されている。同課は「わかりやすく説明されているので、手にとって活用してほしい」と呼びかけている。問い合わせは同課(043・223・2935)へ。

県が作成した「マンガでわかる障害者差別解消法」 
2016年08月15日 Copyright © The Yomiuri Shimbun

「話せます」職員の機転で助かった入所者も 相模原殺傷

2016年08月16日 03時52分49秒 | 障害者の自立

 相模原市緑区の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人が死亡した事件で、うち1人の殺人容疑などで送検された元職員の植松聖(さとし)容疑者(26)が、園内で拘束した職員に「この人は話せるか」と尋ねていたことが捜査関係者への取材でわかった。障害が重い人を狙う目的があったとみられ、「話せます」と答えた職員の機転で救われた人が複数いたという。

 捜査関係者によると、植松容疑者は7月26日午前2時ごろ、東棟1階の窓ガラスをハンマーで割って侵入し、廊下で鉢合わせした職員を結束バンドで拘束し、通報できないようにしたうえで110号室の女性(19)を殺害したとされる。その後も、居住エリアごとに職員を結束バンドで拘束し、入所者を次々に襲ったとされる。

 東棟の女性職員は刃物で脅され、居室を連れ回された。「この人は話せるのか、話せないのか」と植松容疑者から聞かれ、「障害の重い人が狙われている」と気づいた職員は、機転を利かせて「話せます。(障害の程度は)軽いです」と答えたという。

 神奈川県警は15日、東棟で死亡した残る9人を殺害した容疑で植松容疑者を再逮捕し、こうした経緯を詳しく調べる方針だ。

2016年8月15日   朝日新聞


トヨタの自動運転開発とパラリンピックの意外な関係

2016年08月16日 03時28分00秒 | 障害者の自立

 連日熱戦が繰り広げられるブラジル・リオデジャネイロ五輪。9月7日にはリオパラリンピックが開幕する。パラリンピックはスポーツとしての注目度が高まっているだけでなく国内モノづくりに与える影響も大きくなっている。とりわけ自動車業界。トヨタ自動車はパラリンピック支援をきっかけに自動運転開発を加速したと公言している。トヨタ以外にも競技用具を開発する動きが活発化している。2020年東京パラリンピックを控える中、障害者支援という観点が国内自動車産業の技術を一段上げる要素となりそうだ。

義肢装具士や義足選手の話を聞く豊田社長(左から2人目)

《トヨタの熱い思い/“すべての人に”自動運転》

【果たす役割】

「パラリンピックこそトヨタの果たす役割がある」。豊田章男トヨタ社長は、こう強調する。トヨタは五輪の世界最高位スポンサーに続き、パラリンピックの世界最高位スポンサー契約を締結。豊田社長は「パラリンピックのスポンサーをするためにオリンピックのスポンサーをしているとも思う」というほどパラリンピックに対し熱い思いを抱く。

自動運転技術に対するトヨタの姿勢は、パラリンピックをきっかけに変化している。トヨタは20年ごろに自動車専用道路での自動運転車の実用化を目指しており、一般道に対応できる自動運転車も開発している。そんなトヨタも少し前までは自動運転と距離を置いていた。

「24時間レースで自動運転が人(の運転)に勝ったら、もう少し(開発を)進める」。豊田社長は以前、冗談交じりにこんなことも言っていた。またパラリンピック選手や障害者にとっては福祉車両「ウェルキャブ」シリーズが最適なクルマと考えていたという。しかしパラリンピックに携わるようになり選手らの話を聞くと、そうした考えが「自分本位だった」(豊田社長)と気付くことになる。

【求めている車】

「私たちもかっこいいスポーツカーに乗りたい」。障害者が本当に求めているのは、まさにトヨタがスローガンに掲げる「ファンツードライブ」そのもの。障害者に、そのファンツードライブを提供する方法こそ自動運転だった。

トヨタはすべての人のためのモビリティーをテーマに自動運転技術を開発する 

【新たな出会い】

トヨタが自動運転の見方を変えたところにギル・プラット氏との出会いがあった。プラット氏はトヨタが米シリコンバレーに設立した人工知能(AI)研究拠点「トヨタ・リサーチ・インスティテュート」(TRI)の最高経営責任者(CEO)に就任。AIは自動運転の高度化に欠かせない。プラットCEOは障害者や高齢者を含めた「すべての人のためのモビリティーがトヨタのテーマ」と強調する。

7月7日、豊田社長の姿は義足などを製作する鉄道弘済会義肢装具サポートセンター(東京都荒川区)にあった。経団連オリンピック・パラリンピック等推進委員会委員長としての活動の一環で、ハンマー投げの室伏広治氏とともに訪問。義肢装具士の臼井二美男氏や義足の走り高跳び選手の鈴木徹さん、同じく短距離走者の村上清加さんらと交流を持った。

走り高跳びは走り幅跳びとは異なり、踏切足に「ねじり」の動きが生じるため「(踏切足が)義足の選手はいない」(鈴木さん)という。豊田社長は「義足の技術革新が進まない限り無理なのですね」と競技用具の進化の重要性を再認識した。競技用具なくして成り立たないパラリンピック。その用具は進化しており、さらなる進化も期待されている。

今仙技術研究所がミズノと共同開発したスポーツ用義足板バネ

《競技用具開発が活発化/モノづくりで選手に貢献》

自動車業界では培った技術を生かしてパラリンピック競技用具を開発する動きが活発化している。シート骨格部品メーカーの今仙電機製作所の子会社で、福祉用具を手がける今仙技術研究所(岐阜県各務原市)。ミズノと共同で炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の短距離走用義足板バネを開発した。

リオパラリンピックに出場する、走り幅跳び選手の山本篤さんや義肢装具士の臼井氏も開発に協力。コンピューター構造解析も駆使し日本人に合わせた形状を追求した。競技用義足板バネは現在、海外メーカーが市場を席巻している。今回、世界で戦える「国産義足」を目指し開発したという。

ホンダ系の完成車・部品メーカーの八千代工業は、陸上競技用車いすを手がける。同社所属の車いすマラソン選手の土田和歌子さんは、同社製車いすを使ってリオパラリンピックに出場する。同社は本田技術研究所などと炭素繊維をフレームに採用した軽量車いすを共同開発し、販売している。

豊田トヨタ社長は東京パラリンピックに向け「日本のモノづくりが果たす役割は大きい」と主張する。日本の技術力により進化した競技用具を使い、日本人選手が活躍する―。そんな東京パラリンピックを期待したい。

(2016年8月15日 日刊工業新聞