ゴエモンのつぶやき

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障害者殺傷事件の再発防止策 秋ごろまでに 厚労相

2016年08月09日 03時18分58秒 | 障害者の自立

塩崎厚生労働大臣は、閣議のあとの記者会見で、相模原市の知的障害者施設で起きた殺傷事件を受けて、10日、有識者などで構成する検討チームの初会合を開き、秋ごろまでに再発防止策を取りまとめる考えを示しました。

先月26日、相模原市の知的障害者施設で、入所者が次々に刃物で刺され19人が死亡、27人が重軽傷を負った事件で、逮捕された元職員の男は、他人を傷つける危険性がある人を一時、強制的に入院させる措置入院となっていましたが、退院して4か月後に事件を起こしました。
これについて、塩崎厚生労働大臣は、閣議のあとの記者会見で、10日、有識者や関係省庁、それに事件が起きた相模原市の担当者などで構成する検討チームを発足させ、初会合を開く考えを示しました。
検討チームでは、措置入院の解除が適切であったかどうか、元職員の男が退院したあとの対応の在り方などについて検討を進め、今月中をめどに、事実関係を検証したうえで、秋ごろまでに再発防止策を取りまとめることにしています。
塩崎大臣は、記者会見で、「二度とこのような痛ましい事件が起こらないよう、また、障害者やご家族の方々をはじめ多くの方々の不安を解消できるよう、関係省庁などと連携して全力で取り組んでいきたい」と述べました。

8月8日     NHK


障害者の「等身大画展」 横浜

2016年08月09日 03時09分00秒 | 障害者の自立

 知的障害者たちが大きな和紙に描いた作品を紹介する「等身大画展」が、横浜駅東口の横浜新都市ビル(そごう横浜店)9階で開かれている。9日まで。

 知的障害者の通所施設であるワークステーション・菜の花(大和市深見)、新宿区立新宿福祉作業所(東京都新宿区)の利用者が過去2年間に描いた約30作品を展示。自己表現を楽しむレクリエーションの一環として両施設が取り組んでいるもので、キャンバスは縦180センチ、横90センチの障子1枚分。柄の長いはけと墨汁を使い、人物モデルの特徴を捉えたり、頭の中に残るイメージを描いたりと、力強い筆致の作品が並ぶ。

 菜の花の所長(55)は「それぞれの作品の独創性を感じてほしい」。作品をモチーフにしたバッグやメモ用紙などの製品も販売。切り絵を制作している私立高校2年生(17)=横浜市磯子区=の作品も展示している。午前10時半から午後6時。9日は午後3時まで。

障害者の「等身大画展」 横浜 

大きな和紙に力強く描いた作品が並ぶ「等身大画展」

 2016年08月08日    カナロコ by 神奈川新聞


「植松容疑者は正気だった」 ダウン症の娘持つ最首さん

2016年08月09日 03時03分31秒 | 障害者の自立

 「起こるべくして起こってしまった」。横浜市旭区で暮らす和光大学名誉教授の最首(さいしゅ)悟さん(79)は、相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件を知った時、そう感じたという。ダウン症で知的障害がある三女の星子さん(39)と同居している。

 「障害者は不幸を作ることしかできません」「日本国が大きな第一歩を踏み出す」。植松聖(さとし)容疑者(26)は、衆院議長に宛てた手紙にそう書いて、重度障害者を次々と刃物で殺傷したとみられている。

 最首さんは植松容疑者が精神異常者でも快楽殺人者でもなく、「正気」だったと考えている。「今の社会にとって、『正しいことをした』と思っているはずです」。植松容疑者は介護を続けてきた遺族に向けて謝罪する一方で、被害者に対する言葉はない。

 そして最首さんは、「共感する人も必ずいるでしょう」と言った。確かに事件後、インターネット上には、「正論」「障害者は生きていても誰の得にもならなかった」といった投稿が相次いだ。

 「いまの日本社会の底には、生産能力のない者を社会の敵と見なす冷め切った風潮がある。この事件はその底流がボコッと表面に現れたもの」。植松容疑者は、人々の深層にある思いに訴えて「英雄」になった、と考える。

 だが、不幸を生み出す障害者を代わりに殺してあげたというような代行犯罪に対しては、はらわたが煮えくりかえるような怒りを感じている。「命とは何かを問うとき、その人の器量が問われる。障害者はいなくなってしまえばいい、というのは浅い考えだ」

 娘の星子さんは、言葉を発することが出来ない。自分で食事ができず、排泄(はいせつ)の世話も必要だ。

 「命は尊いとか、命は地球より重いといった『きれいごと』は言えない。『あの子がいなければ』と『あの子がいてくれたから』という相いれない気持ちが表裏一体となり、日々を過ごしている」

 最首さんはその日々を「一定(いちじょう)の地獄」と表現する。地獄であることが普通になってしまったような生活だという。「その生活のなかで、ふっと希望が湧く瞬間がある。理由は分からない。命とは、分からず、はかれない価値を持つ」

 最首さんが憂慮するのは、超高齢社会に突入した日本社会が迎える窮状だ。

 2025年には団塊の世代が後期高齢者になり、認知症患者が700万人に達するとみられている。社会保障の財源も、働いて社会を支える人も足りない。「生産する能力がない人に、一方的に社会資源を注ぎ続ける余力がなくなっていく」と最首さんはみる。

 尊厳死や安楽死といった「死」への考察、「IQ20以下は人ではない」とする米国の生命倫理学者の考え。障害者を社会の中でどう受け入れていくのか、親として考え続けてきたことが、一層問われていくと思っている。

 〈さいしゅ・さとる〉 東京大学大学院博士課程中退後、同大教養学部生物学科助手などを経て和光大学教授。専門は、いのち論。水俣病の現地調査団の団長を務めた。現在も横浜市内で精神障害者通所施設や作業所の運営に携わる。

2016年8月8日   朝日新聞


「人がいて国がある」

2016年08月09日 02時58分00秒 | 障害者の自立

 中国の思想家墨子は、天下の利益は平等から生まれ、天下の損害は差別から起こると説いています。紀元前から国が成り立つには、社会保障が必要とする思想があったと考えられます。命を守る力こそ社会保障であり、人類の英知だと思います。人の命を最低限保証しなければ、国は成り立たないからです。

 「弱肉強食」では国はいりません。国は弱肉強食の差別をなくし、未来の栄光と平和に向かって根本的に殺人を犯罪としています。人がいて国があるという順番を間違えて理解してはいけないのです。

 相模原市で起きた障害者施設の殺傷事件は最悪です。完全に順番を間違えた人の正義の考え方です。大変ショックを感じています。

 障害者が生まれてくるのは、わざとではありません。愛を持って生まれた子が障害者だったと想像できないでしょうか。自分自身も明日、事故で障害者になる可能性があると想像できないでしょうか。障害者として生まれ育った人の親の涙を想像できないでしょうか。

 もし人類が繁栄を望むなら、どのような命であれ大切にしなければなりません。命の価値を決めるような社会は、人類の滅亡につながります。

 私たちは、障害者の外出支援時にも差別を感じることがあります。障害者の存在自体を否定され、怒鳴られることもありました。彼らはその怒鳴った人に何も悪いことはしていません。「障害者は鉄格子に入って安全を選択するべきだ」という時代になってはいけません。

 もし優生思想で繁栄する人類の未来があるのなら、それは優しさや愛、個性のない、国家のための人命だけが生き残る未来です。人が人らしく生きるための最後の保険こそが福祉であり、社会保障です。 (NPO法人かもめのノート理事長・富野正宏)

誰にも迷惑をかけずに移動する障害者たち

2016年8月8日   中日新聞


相模原事件 共生への歩み止めるな

2016年08月09日 02時51分47秒 | 障害者の自立

 相模原市の障害者殺傷事件を受け、再発防止に向けた国の動きが慌ただしい。問題なのは、障害者を蔑(さげす)み、あるいは恐れ、遠ざける社会の無知、無理解である。地域での共生こそが解決へと導く。

 気になるのは、容疑者の元職員の措置入院歴が注目を浴び、退院した人をどう追跡するかが対策の焦点になっていることだ。衛星利用測位システム(GPS)の装着を唱える意見さえ出ている。

 精神疾患のために自他を傷つけかねない人を、強制的に入院させる行政の制度をいう。根拠となる精神保健福祉法に、退院後の規定のないことが問題視されているのだ。近年の措置入院患者は年間約千五百人に上る。

 だが、拙速な議論は厳に慎まねばならない。元職員には本当に精神疾患があったのか、仮にあったとして、犯行とどう結びついたのか、真相は未解明だからだ。

 社会に不安が広がり、退院要件の厳格化や退院後の監視強化を求める風潮がにわかに強まっている。しかし、軽々な制度の見直しは、精神障害者は危ないという偏見や差別を助長する懸念がある。

 そもそも元職員の措置入院に対しては疑義も出されている。

 さる二月、元職員は衆院議長あてに犯行予告のような手紙を書き、施設職員や警察官の面前で障害者の殺害を表明した。その異様な言動を契機に、相模原市は緊急措置入院手続きに入ったという。

 もしも、それが精神的症状ではなく、強い信念や考えの表出だったとすれば、危険思想の持ち主を隔離するために入院させたのではないかとの疑念も生じうる。

 犯罪予防という保安処分の目的で精神医療を利用し、ましてや精神障害のない人を拘束するのは許されない。警察は例えば業務妨害や殺人予備といった刑法の規定に基づき、事前に対処できなかったのか。それも問われるべきだ。

 もうひとつ。国は福祉施設の防犯対策の指針をつくるという。不審者の侵入をどう防ぎ、どう通報するか。非常事態に備えた効果的な仕組みを示してほしい。地域の見守りの力も欠かせない。

 とはいえ、人の出入りや触れ合いが過剰に制限されては、施設が孤立しかねない。容疑者が施設職員だったことを考えても、万全の安全策を講じるのは難しい。

 障害者の自立と社会参加を促すためにも、地域での暮らしへの移行が大切だ。障害への理解を深め、いのちを尊び合える地域づくりこそが最強の防御策になる。

2016年8月8日   中日スポーツ