岩見沢市にある空知総合振興局の庁舎に「そらかぜ食堂」が11日、オープンする。地元産の食材を使い、障害者らが仕事をする食堂。障害者の雇用と地産地消とを進める試みとして期待されている。
食堂は、誰でも利用できる。市内で障害者の働くおにぎり屋やパン工房、カフェなどを展開している社会福祉法人「空知の風」が運営。食堂では障害者3人を雇用し、調理を担当してもらう。将来は5人に増やす。
メニューは、日替わりの定食や麺類が中心だ。市民のソウルフードとされる「げそ丼」(イカの足の天ぷらをのせた丼ご飯)もメニューに加えた。昨年閉店した発祥の店の店主にアドバイスを受けて、試食してもらい、「この味なら後継にしてもよい」とお墨付きを得た自信作。同法人が他の場所で運営するおにぎり屋やパン工房の商品も販売する。地元産の小麦や米に加え、切り干し大根など、空知地方の障害者施設で生産されたものを使う。
庁舎には元々、食堂があったが、3月いっぱいで撤退。振興局は新しい出店者を募集したが、応募がなかったため、年約170万円の賃料を全額免除して再募集、空知の風が選定された。振興局庁舎の食堂に障害者関連の社会福祉法人が出店するのは、檜山振興局に続き道内では2番目となる。
空知の風の成沢哲雄理事長は「就労支援の充実にもつながる。障害者が意欲と誇りを持って働けるように運営していきたい」と話し、振興局の山根康徳局長は「地域の方に幅広く利用してもらい、大いに愛される憩いの場になってもらいたい」と期待している。
営業時間は、平日の午前10時から午後3時半。午前11時半から午後1時半のランチタイムのみ食事ができ、それ以外の時間帯はコーヒーやロールケーキなどを提供する。
そらかぜ食堂で試食する振興局職員ら(4月28日、岩見沢市で)