買い物を通じて障害者の就労支援を―。さいたま市浦和区内のペットショップがペット飼料の製造を通じて、新たな取り組みを始めた。
取り組みを行っているのは、同区のフェレットとウサギ専門のペットショップ「フェレット・リンク&ラビット・リンク」(橋爪宏幸代表)と同区の多機能型事業所「あした」(河西伸子代表)。
同店が独自の配合などをしたフェレット用飼料とウサギ用飼料4種、牧草4種の計9品目の製造を同事業所に一部委託している。
同事業所で行っているのは、袋のラベル貼りや飼料の計量、袋詰めなど。3月下旬から作業を始め、約10人の利用者が数人ずつ作業を行い、500袋程度生産したという。
これまでにボールペンの組み立てなどを行ってきた同事業所だが、今回は商品によって作業手順や内容量が異なるなどの難しさがあった。「作業台に内容量を書いたメモを置いたり、この一カ月、試行錯誤しながら手順を決めてきた」と職業指導員の星宏枝さん(43)。
一方、利用者の提案で変更された手順もあるという。近藤英喜さん(62)は「内容量や品質など、シビアにやらなければいけない。少しでも向上していけたら」と意気込んだ。
同店では、就労支援について大きなアピールはしていない。橋爪代表は「お客さんが商品を購入することで、自然に支援の接点が増えればいい」と活動の広がりを見据えた。
商品はフェレットリンク&ラビットリンクの実店舗の他、同店ホームページ(https://www.ferret-link.com/ )で購入可能。
問い合わせは、同店(048・799・2145)へ。
ペット飼料などの製造を行っている多機能型事業所「あした」の利用者たち=さいたま市浦和区針ケ谷
2015年4月24日(金) 埼玉新聞