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法面のある園路の設計

2023-12-31 04:03:00 | うんちく・小ネタ

土系舗装にとって重要なのは、水のコントロールです。

よって、両側に法面や芝生等があり、園路の高さの方が低かった場合、どのように設計しますか?考えられるのは、下の3種類です。

①土系舗装は透水性舗装だから側溝を設けない。

②側溝があると景観対策としては邪魔なので、素掘り側溝を設置する。

③法面からの雨水の排水用にU字溝を設置する。

一番最悪なのは、①の排水対策として何もしないことです。法面からの雨水の流入がなければ、土系舗装は透水性舗装なので、路盤→フィルター層に水が浸透するため問題はありません。しかし、法面や植樹帯から大量の雨水が流入すれば、いくら透水性舗装とはいっても水が溢れ、行き場を失った水が水ミチを造り、水の滞留は土系舗装の表層の剥がれなどの不具合を生じさせます。土系舗装は、土本来の風合いを有する舗装ですが、透水性舗装なので空隙に水が浸入することが前提条件になるため、排水対策が最も重要になります。よって、排水対策を考えない、このような設計は不具合を起こすので、避けないといけません。

では、②の素掘り側溝を設けた場合はどうでしょうか?法面からの雨水は素掘り側溝があるので、園路には水が浸入しません。よって、不具合は起きません。ただし、園路にも雨が降りますので、園路に浸透した水が素早く素掘り側溝に流れるように、素掘り側溝に向けて片勾配や両勾配で排水する必要があります。表層、路盤やフィルター層に十分な透水性の確保がされておれば、道幅の狭い園路なら自然に素掘り側溝に流れていきますが、道幅の広い園路の場合は、水の滞留の恐れがありますので、勾配は必要です。

③のU字溝を設けた場合はどうでしょうか?法面の雨水はU字溝に流れるので、園路への影響はありません。しかし、土系舗装は透水性舗装なので、園路に降った雨は表層や路盤に浸透するもののU字溝の縁に阻まれてU字溝には流れません。よって、U字溝には排水のための切り欠きをつくるか、透水性側溝を設置して排水するしかありません。しかし、路盤やフィルター層に透水性があれば雨水は浸透しますが、大量の雨に降られた場合、水の滞留の懸念が出てきますので、③のような切り欠き排水対策はしておくべきと考えます。

つまり、園路の土系舗装を計画する場合、園路の環境を考えた排水対策が必要ということになります。土系舗装を計画されている場合、事前調査が必要ですので、お気軽にご相談ください。

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土系舗装の構造

2023-12-04 01:22:53 | うんちく・小ネタ

土系舗装にとって重要なのは、水のコントロールです。

ジオベスト土系舗装は透水性舗装なので、表層に降った多くの雨が地中に流れます。下地が透水性のある路盤や路床なら浸透すると考えますが、梅雨期など大量の雨が降ったら地中に浸透した水は飽和状態になります。特に下の写真のように左側はコンクリートの境界ブロックがあると。河川側に水を排水させるか、地中に排水パイプを設置して河川側に流すルートを設ける以外に方法はありません。

水のコントロールができなかったら、地中に溜まった水は土系舗装の空隙に水が溜まり、硬化不良となり、ひび割れやクラック、凍結で不具合が生じることがあります。よって、ここの場合、下の図のように河川の法面側に排水を行っています。木枠はあくまで仮りの木枠の設置なので、取り除くことで土系舗装に浸透した水は河川側に流すことができます。そして、法面の強化のためには、法面緑化等の対策がとられています。もしくは法面に水を流さないように土系舗装と法面の間に排水溝を設置して土系舗装に透水した水を集める方法のどちらかになります。下図の水勾配は、方向性を示しているだけで、水勾配=路盤の傾きなので、路盤には、平坦性と1.5~2.0%の勾配が必要になります。水のコントロールは勾配も含めて、土系舗装にとって重要な要素です。

つまり、土系舗装を計画する場合、景観性や歩きやすさだけでなく、透水性舗装ならではの検討が必要ということになります。土系舗装を計画されている場合、事前調査が必要ですので、お気軽にご相談ください。

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