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芝生と土系舗装

2024-03-03 23:58:15 | うんちく・小ネタ

公園整備などでは、土系舗装の歩道と芝生や植樹が隣同士になるケースは多いと思います。

特に「土系舗装の歩道」と「芝生」という組み合わせは、景観性を高めるために多くの場所で取り入れられています。

芝生と土系舗装の歩道との高低での位置関係についていえば、歩道の位置が芝生より高い位置にあれば水が流入しないので問題はありませんが、多くの場合、芝生より歩道の方が低い場合、下の写真のように芝生から水が流入します。芝生と歩道の間に、境界ボードが設置してあっても水はすり抜けて土系舗装に流れ込みます。

土系舗装は透水性舗装なので、地中に水が浸透すれば問題はありませんが、浸透しないとなるとやっかいです。土系舗装はアスファルト舗装やコンクリート舗装と異なるのが、この舗装が透水性舗装であることです。

しかし、一時的に芝生から水が流入するのは仕方ないものの、下の写真のように土系舗装の地表に水が溜まると、いつまでも土系舗装の歩道は乾燥することが出来ません。つまり、この状態というのは、土系舗装に水が浸透し、土系舗装の内部=空隙は満水状態と考えられます。通常なら土系舗装に横勾配(路盤の勾配)があれば、芝生から浸入した水は園路の反対側に流れますが、何らかの原因で土系舗装から水が排水されてないという状態です。

つまり、路盤まで水が浸透し、その水がフィルター層まで浸透しておれば問題はないのですが、路盤の上に水が滞留したままの状態ということになります。さらに、土系舗装に使用されている真砂土という砂質土は、毛管現象を一番起こしやすい土になるため、一度浸透した水を再び吸い上げます。真砂土のままでも固めた状態でも毛管現象は起きます。砂や砂利は空隙が広いので、毛管現象で水を吸い上げるということがありませんが、土系舗装に一番適している土が一番毛管現象を引き起こしやすい土なので非常にやっかいです。

そして、地表に滞留した水は気温の変化で収縮膨張し、特に気温が下がると表面のひび割れ・剥がれを引き起こしやすくなります。土系舗装内部の空隙に溜まった水も同様に気温の変化で収縮膨張し、表面のひび割れなどの影響をもたらします。表面には水が滞留してなくても表面のひび割れでその場所の下の内部に水が溜まっているということがわかります。

よって、土系舗装の舗装構成の中で水の浸透ということからすると、路盤材に何を使うかということが一番重要になり、次にその下の地質=フィルター層が水を浸透しやすい土かどうかが課題になりますが、重要なのは排水です。

  • 芝生や植栽と土系舗装の歩道の境界に素掘り側溝やU字溝を設けて芝生からの水を歩道に流れないようにする。
  • 暗渠排水管を境界の芝生の下に敷設する。
  • 芝生より歩道側の位置を高くする。
  • 土系舗装に横勾配(排水勾配)をとる。

といった工夫が必要になります。そして、なにより重要なのが、土系舗装の下に設置する路盤の勾配です。路盤に水勾配がとられておれば水溜まりは防げます。もちろん、その水が排水されるように水抜きがないと不具合が発生します。

下の写真は排水対策がされてない芝生に隣接する土系舗装になります。特に写真に見られるように、下部がアスファルト舗装なので水の逃げ場がないため、水が地中に浸透するのを待つという手段しかありません。それでも下部が浸透しやすい土壌なら水溜まりはできないと思います。

その結果どのようになるかというと、下の写真のように水の滞留は、土系舗装の表面の剥がれや荒れなどの損傷が起きるということが発生します。

よって、土系舗装の歩道と芝生や植樹が隣同士になるケースでは、これまで見てきたように何らかの排水対策が必要になります。どうしても芝生の方が高くて雨水が流入する場合は、

・暗渠排水管を境界の芝生の下に敷設し、芝生から歩道への水の流入を防ぐのが有効な方法です。

・もしくは歩道に側溝を設けて、芝生からの排水を歩道に流入しないようにすることです。

ここでは芝生と土系舗装の歩道についてご説明をさせていただいておりますが、植栽と土系舗装の歩道の場合も同じことが言えます。

この透水性舗装である土系舗装ですが、弊社では土系舗装に、酸化マグネシウムを主成分としたジオベストという固化材を使用して固めています。一番多く使用される土が真砂土ですが、毛管現象を防ぐにはシルト分を少なくするというのも対策になります。また、固化材を多く入れて固めるほど土系舗装の透水性は悪くなりますので、施工する地域に合わせた固化材の配合の適正化も必要になります。

寒冷地の場合は凍害が起きやすくなりますので、空隙が小さく水が溜まりにくい土を使用する工夫も必要です。

 

■ジオベストのお問い合わせは、
ジオサプライ合同会社 広島082-299-0681 神戸078-843-2561 名古屋052-766-6419
福岡092-518-3537へ。
もしくはジオサプライのホームページよりメールにてお問い合わせください。 

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土系舗装の設計

2024-03-01 02:49:35 | うんちく・小ネタ

土系舗装は、透水性舗装です。

透水性舗装は、下の図のように路面に降った雨水が表層から地中まで浸透する舗装をいいます。このため、広場などの雨水流出抑制効果が期待できます。その舗装構成は以下のようになります。歩行者だけが利用する歩道もこの構成になります。土系舗装は自然と調和しやすく、景観性を高めることや適度な弾力性があるので、歩行のしやすさがあります。また、土系舗装は、路面温度が上がりにくくヒートアイランド対策にも効果的ですので、このメリットを活かす舗装になります。

歩行者のみの歩道の場合、路床を締め固め、水勾配は1.5~2%程度の傾斜を設けます。

広場の場合、もう少し勾配角度は低くなり0.2~1%の勾配をつけて、下地転圧を行い、水勾配をつけた上に土系舗装を5㎝以上の均一の厚みで施工します。特に広場は、水たまりができやすいので、路盤を入れないで施工する方が長期的に丈夫できれいな仕上がりになります。

また、歩行者や自転車、管理車両が通る場合、支持力を高めるために透水性のある路盤を1.5~2.0%程度の傾斜をとって入れます。しかし、土系舗装は路面に降った雨が地中まで浸透する舗装構造なので、路盤材にも透水機能が求められます。よって、路盤材はクラッシャーランのC-30もしくはC-40を使用します。下地の路床についても透水性がない地質の場合、透水を高める工夫が必要になります。つまり、路床にフィルター層として砂などを入れることで透水性を改良することが必要です。しかし、なかなか路床まで改良するのは手間がかかりますし、既存の地質のもので済ませたいという場合、あとでご説明をしますが、排水性舗装のように、路盤の上に水を流して排水させる方法をとります。

園路や遊歩道、管理者用の車が通行する場合、再生路盤材(RC材)の使用を求められたり、路床の地質が透水性のない粘性土の場合、下の図のように、透水した雨水を排水させます。つまり、透水した雨水を路盤で受けて排水させる工夫です。

その場合、排水された水が外部にスムーズに流れるように路盤に1.5~2%の排水勾配をとり、土系舗装からの水が路盤上を流れるので、水が外部にスムーズに流れるよう排水口を塞がないようにします。

透水性舗装の土系舗装で注意しなくてはならないのは、浸透した雨水をどのように排水させるかという水のコントロールです。

では急な坂道の場合を考えてみましょう。

固い路盤の上に土系舗装をすると、土系舗装を浸透した水が表層の土系舗装を地滑りのように押し流して路盤が剥き出しになっている光景を見かけることがあります。平面での路盤による支持力の強度アップは効果的ですが、長い坂道の場合、固い路盤の上に多くの水が溜まることが地滑りの原因です。この場合は下地転圧で固めた地面の上に直接土系舗装をする方が表層の流失を防げます。

この透水性舗装である土系舗装ですが、弊社では土系舗装に、酸化マグネシウムを主成分としたジオベストという固化材を使用して固めています。このジオベストは土に近い弱アルカリ性の固化材なので、環境に優しいことが特徴です。

 

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もしくはジオサプライのホームページよりメールにてお問い合わせください。 

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