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古墳と排水

2019-12-26 22:45:24 | うんちく・小ネタ
写真は、国宝に指定されている数々の埋葬品が出土した有名な古墳ですが、墳丘の斜面は崩壊を防ぐために、現在は、葺石ではなく自然の草で覆われています。埴輪も発見されていることから、当時は墳丘にも装飾が施されていたと考えられています。

この墳丘ですが、当時は高さ9m、径約50mとされている巨大な円墳です。
現在は、周りの水田などに削られて、高さ約7.6m、最大径約40mになっています。
石室は、床面に10㎝前後の礫が敷かれ、その下に幅約50cm、深さ25~40㎝排水溝が設けられており、集水施設を含めた全長は約14mだったと案内板に書かれていました。
さすがに肝心な部分の雨水コントロールはしっかりしたものだったと予想できますが、墳丘から流れ落ちる水の量も相当多かったと予想されますので、当時はその対策も十分されていたことと思われます。

土舗装で一番大事な部分は、表層を土で固めることに集中しがちですが、実は土舗装は透水性舗装なので浸透した水をどのように逃がすかといった水のコントロール=排水こそが重要です。
写真では、土舗装と車道の間のコンクリートで固められた車両乗り入れ止めが設置してある場所の扱いが課題となります。側溝は車道との間に設置してありますが、墳丘からの排水はコンクリートで固められたところまでしか進めないので、表面排水でしか側溝に水を逃がすことができません。
よく外構工事で庭の入口にコンクリートで固めた駐車スペースを設けて、庭からの排水の邪魔をしているケースが多くありますが、こうした庭を土舗装にすることはできません。
浸透した水の出口を駐車場が塞いでいるからいつまでも土舗装が乾かないからです。

しかし、ここの場所には土舗装とコンクリートの間にも排水溝があり、浸透した雨水を逃がせるように透水性用の排水溝が設置してあります。この排水溝の存在が土舗装にとって、とても重要な意味を持つわけです。

特に遊歩道のように狭い道ではなく広い場所の土舗装は、雨水が滞留しやすいので注意が必要です。寒冷地では、その水が凍結膨張という事態を引き起こしますし、土舗装の含水比が多くなることで土舗装そのものがカチカチになり透水性を悪くします。
土舗装はアスファルトやコンクリート舗装と違う透水性舗装であり、表面排水のアスファルトやコンクリート舗装と同じ考え方で舗装をすることは出来ません。排水を考慮した土舗装・・・これこそが良好な土舗装といえます。

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クラッシャランと再生クラッシャラン

2019-12-03 01:53:05 | うんちく・小ネタ

これからの寒い季節は、路盤に透水性があるかどうかが、土舗装に大きな影響を与えます。
真砂土舗装は、透水性舗装ですが、浸透した雨水は路盤を経由して下層の路床に流れて行くというのが一般的な考え方です。
しかし、この路盤に雨水が地中に浸透しなかったら、雨水は逆流して土舗装の表面にオーバーフローします。特に舗装材に使用する土は真砂土なので毛管現象で水を吸い上げるからです。                                                                     土舗装に厚みがあれば、下層の路盤上に水が滞留し、いつまでも土舗装が乾かず、濡れたままになり、固化不良を起こす可能性もあります。
ジオベストは、酸化マグネシウムが水に反応して水酸化マグネシウムになりますが、水酸化マグネシウムは乾燥状態になり空気に晒されることによって、強度が出ます。空気というのは主に二酸化炭素であり、長期的に二酸化炭素を吸収して固まっていきます。よって、固化するには水は必要ですが、必要以上の水は必要ないということになります。
さらに、冬季は気温が下がるので、土舗装の空隙に浸入した雨水は109%凍結膨張し、硬化した土舗装の破壊や、硬化を阻害する不具合を起こす恐れが出てきます。
そこで、路盤材として、クラッシャランと再生クラッシャランのどちらを使うのがいいかとなると、アスファルト舗装やコンクリート舗装の場合、通常、表面排水なので、コンクリート系のガラの含まれた再生クラッシャランの方がセメント成分で固くなり、支持力が高まるのでいいと思います。しかし、土舗装の場合は、アスファルトやコンクリート舗装と異なり、セメント成分で硬化した路盤は支持力より、透水性がなくなることのマイナス面の方が大きくなります。
勾配がある場所の場合、透水しないと路盤の上に水が溜まり、表層の土舗装が滑りやすくなり、崩落の原因にもなります。いわゆる地滑りです。
もちろん、雨水の土舗装内への浸入だけでなく、法面等から土舗装に流入してくる水にも注意が必要です。それらが透水性を失った路盤に流れ込むと水の滞留になり、不具合を起こします。
路盤材が透水性舗装の透水性に及ぼす影響について土木学会でも発表され、再生クラッシャランは、水分を保持し、下層への浸透が遅くなることから雨水流失抑制効果にも影響を与えると言われるようにもなっています。もちろん、リサイクル材の活用促進は必要ですが、土舗装に限っては違うといえます。                                          クラッシャランは、粒子の小さいものが少なくて、隙間が多いですが、再生クラッシャランは粒子の細かいものが含まれていて隙間が少ないので水が通過しにくいという土舗装をする上で問題があり、土舗装にはクラッシャランをお奨めしています。
ただし、道幅が狭く、横勾配(水勾配)で水をコントロールできるところは、再生クラッシャランでも構いませんが、道幅が広いところや広場の場合は路盤を設置しないか、設置する場合クラッシャランのご使用をお勧めします。

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