ジオベスト

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14年経過の土系舗装と土系舗装の不具合

2024-06-15 01:51:01 | うんちく・小ネタ

下の写真はインバウンドで賑わう広島の代表的な観光地の土系舗装です。                                                                  ちょうど施工から14年が経過しましたが、現在も良好な状態で維持されています。                                                                                舗装材料は、酸化マグネシウム系固化材「ジオベスト」のプレミックス商品「ジオミックス」です。                                                                   実は、この場所では、いろんな種類の土系舗装材が使用されており、それぞれの施工事例や施工経過を見ることができます。それらの全部が全部良好な状態で維持されているわけではなく、ひび割れや剥がれ、凹凸などの損傷が起きているところもあります。                                                                        今回は、その原因を探ってみたいと思います。

ジオミックスを使用した土系舗装が長期的に良好な状態で維持できているということは、舗装の材料が違うからでしょうか? 酸化マグネシウム系固化材ジオベストを使用しているからでしょうか?                                                 実は、土系舗装は透水性舗装なので、土系舗装の特性を理解して施工されているかどうかが長期的に良好な状態を保つポイントになります。                                           土系舗装の舗装構造は、表層があり、その下に路床がある場合と、路盤を間に挟む場合があります。支持力を高めようとすると路盤を入れますが、どちらも透水性舗装なので、地中まで水が浸透する構造です。透水性が悪いと、砂などでフィルター層を設けて透水性を高めることもあります。つまり、土系舗装にとって重要なのは、舗装材料の違いもありますが、下地の透水性と排水が最も重要なキーポイントになるからです。大抵の不具合の原因は、排水不良でひび割れや剥がれ、凸凹などの損傷が起きていますが、排水対策がしっかりされている土系舗装には不具合は起きません。上の写真はその見本といってもいいと思います。                                                                                           アスファルト舗装やコンクリート舗装に慣れていると、同じ舗装だからと思いがちですが、土系舗装は透水性舗装なので、雨水が浸透するという大きな違いがあります。

・水勾配は表層ではなく、路盤がある場合、路盤の勾配になります。表層をいくらきれいに仕上げても、路盤が平坦でなく水勾配がとられてなかったら、浸透した水が排水できず路盤の上に溜まり不具合になることがあります。

・つまり土系舗装の下地に凸凹があったり、水溜まりができるような窪みがあると、いくら土系舗装材の材料が良くても、透水した水が排水されないので、表層の剥がれや吸水膨張して破損するということが起きる可能性があるということです。

・土系舗装は、土の粒子同士がくっつけられて固定されている(接着されているようなもの)ので、その空隙に水が溜まると、凍結などで逃げ場を失った水が膨張破壊を起こすということも予想されます。

では、下のイメージ写真を見ていただけますか?このような場所に土系舗装を施す場合、どのような対策が必要だと思いますか?

  • この土系舗装は右側が傾斜地になっています。雨が降ると、大量の水が法面を下ってくるので、土系舗装に水が溜まります。土系舗装の厚みは薄いので、路盤の上に水が溜まってしまうことになります。
  • そして、手前側が低い場合、まず奥側から手前に向けて水ミチができ、水の勢いで土系舗装の剥がれや破損が起きる可能性があります。
  • 左側は雨で保水した芝生です。そこから雨水が流れ込むと、特に硬化する途中の場合、土系舗装は乾燥する暇がないので、いつまでも固まらない状態が続きます。                  
  • やがて晴れが続くと、乾燥収縮してひび割れが起きる可能性が出てきます。

こういった場所でも景観対策のために土系舗装をしたいという要望があった場合、どのような対策をとればいいかというのが次の写真になります。

  1. 法面からの流れ込む雨水対策としては、土系舗装には側溝が必要です。多分、アスファルト舗装やコンクリート舗装の場合、当然のこととして側溝が造られます。土系舗装にも側溝は重要です。法面からの排水は土系舗装に流れ込ませない対策が必要になります。景観対策として側溝が無理なら素掘り側溝でも構いません。
  2. 土系舗装は、1.5~2.0%の水勾配(横断勾配)で水溜まりができないようにします。つまり、表層の勾配ではなく、路盤がある場合、路盤の水勾配です。特に再生路盤の場合、透水しにくいので水勾配での排水は必須です。しかし、表層の下地が透水性のある地層であれば、水は浸透してくれるので問題にはなりません。法面からの水の流入対策は必要ですが。
  3. 芝生に降る雨の向きですが、土系舗装側に流れるのを止めるには、芝生より土系舗装の遊歩道側を高くして、水は土系舗装とは反対方向に流れるようにしましょう。遊歩道が高い位置にあれば水は流れ込むことはありません。さらに遊歩道に水が流れ込まないように芝生と土系舗装の間に見切り材を入れるのがベストな対策になります。芝生と遊歩道の間に皿型側溝を入れて水が遊歩道に流れ込まないようにするのもOKです。

事例を上げて説明させてもらいましたが、土系舗装を良好ないい状態で維持するには最初の設計段階で排水対策を検討しておくことが必要だと思います。

■ジオベストのお問い合わせは、
ジオサプライ合同会社 広島082-299-0681 神戸078-843-2561 名古屋052-766-6419
福岡092-518-3537へ。
もしくはジオサプライのホームページよりメールにてお問い合わせください。

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養生シートの重要性

2024-06-06 02:39:42 | うんちく・小ネタ

土系舗装で使われる養生シートとは、ブルーシートやビニールシートです。                                                            冬季施工時に寒さ対策として必要な養生マットとは別の対策としてお考えください。

土系舗装に含まれる水、もしくは散水した水が直接日光を受けて短時間で蒸発してしまうことで正常な硬化が出来なくなるドライアウトを防ぐことが養生シート設置の一般的な目的です。      つまり、硬化段階で乾燥させないためです。ジオベストの場合、水に反応して酸化マグネシウムが水酸化マグネシウムに変わる時間が必要なためです。

しかし、それだけではありません。これからの季節は、雨が最も多くなる梅雨が待ち構えています。施工直後の降雨は、硬化しようとしている土系舗装の表面を荒らしてしまいます。          雨で土系舗装の表面が傷つくのを避ける対策になるのが養生シートになります。そして、固化材や土の細粒分が流されて、表面に粒径の大きい粒だけが残ることがあります。土系舗装の荒れ方が土に近い表情を見せるので、その方がいいと言われる方もおられますが、固化材の流失がもったいないし、舗装材の流失で水ミチを造ることもありますので、しっかり固めてから養生シートを取り除き、開放されることをお奨めします。

よって、施工当日はもちろん、2~3日のうちに雨が降りそうな場合、必ず養生シートで覆いましょう。

ジオベストの土系舗装は、しっかり転圧すればすぐにでも歩けますし、締固めが十分であれば施工の翌日にマラソン大会をしても舗装は傷つきませんが、これは硬化しているわけではなく、締め固めていることで、硬化しているように見えるだけです。ジオベスト土系舗装の強度が出るには、本来60日ぐらいかかりますので、養生期間が長ければ長いほど、しっかり固まった舗装になります。硬化の途中で雨が降ると、水分が抜けるまで時間がかかり、しばらく固まりません。乾燥してはじめて舗装が硬化します。硬化途中の雨は大敵なので、梅雨の時期は天候に注意が必要です。よって、シート養生は3日程度としていますが、梅雨期は可能であればできるだけ長く養生時間を持つことがいい仕上がりになります。

ジオベスト土系舗装は、土に固化材を混ぜ、加水して混合するか、転圧後に散水するかのいずれかですが、適正含水比は10~12%です。一番強度が出る水分量です。つまり、施工後雨に降られて含水比が多くなると強度は低下します。このことも養生シートが必要という理由の1つです。

土系舗装は、アスファルト舗装やコンクリート舗装のように路面排水ではなく透水性舗装なので、雨水が地中まで浸透する舗装です。よって、舗装の中では一番気を遣わなくてはならず、土系舗装は舗装の中で一番難しい舗装だと思います。しかし、土系舗装の特徴さえ理解しておけば、メンテナンスもアスファルト舗装やコンクリート舗装より簡単です。

土系舗装の養生についても、なぜ養生シートが必要かということを理解さえすれば、自然と土系舗装には養生シートが欠かせないということがご理解いただけると思います。

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ジオサプライ合同会社 広島082-299-0681 神戸078-843-2561 名古屋052-766-6419
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もしくはジオサプライのホームページよりメールにてお問い合わせください。 

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