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古墳と土塁の工法

2016-07-28 04:12:06 | うんちく・小ネタ
古墳も土塁も盛土をする点ではよく似ています。
しかし、古墳はお墓であり、土塁は攻めてくる敵から守るために造ったもので、目的が違います。
工法で見てみると、どちらも崩壊に対する安定性を確保しなければならないことから、ほぼ同じです。
1つには、「版築」といって、型枠の中で異なる性質の土や瓦礫、砂などを交互に突き固めながら積み上げていく方法です。
もう1つは、古来から行われている「たたき」の技法です。こちらは土砂や粘土を突き固めながら積み上げていく方法です。
土を突き固めるということで、頑丈にしていくわけですが、所詮、土なので雨水に弱く、崩壊する危険性がありました。そこで、当時は草や芝を植えて崩壊を防いだわけです。
ただし、構造的には、土塁は敵から守るためのものなので、城の外側は急斜面にする必要があります。写真の土塁は、神足神社勝龍寺城土塁跡ですが、敵側から攻められないように急斜面にしてよじ登れないように黒い土と黄色い土が交互に計画的に積み上げられています。
この構造は、現地で確認できます。
一方、古墳は、前方後円墳、円墳、方墳など、さまざまな形状があり、土塁のような急傾斜は必要なく、おだやかな丘陵のようなものになっています。土塁と同様に、「版築」や「たたき」の技法で突き固め、崩壊を防ぐ工夫がされています。建造当時の状態に復元された写真の「恵解山古墳」、そして「五色塚古墳」などの事例を見ることができます。
土は水と空気と土粒子から出来ていますが、土には最も締まる含水比があり、その含水比付近で締め固めるのが最も安定性を発揮できます。
現代において、この古墳や土塁を再現する時、役立つのが固化材です。酸化マグネシウム系固化材「ジオベスト」は、環境に負荷を与えず、弱アルカリ性の固化材なので、アルカリ洪水や産業廃棄物にならず、重金属類も溶出しません。使って安心の固化材です。1㎥当り、50kg~100kgを土に混ぜ、最適含水比で締め固めて使用します。
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