ジオベスト

環境にやさしい、人にやさしい環境配慮型商品や土系舗装のことが満載。

土系舗装の排水性舗装

2023-03-22 01:15:16 | うんちく・小ネタ
排水性舗装とは、表層を空隙率の高い多孔質なアスファルトなどの材料で舗装する・・・アスファルト舗装などでよく使われている舗装です。
下の図は土系舗装の排水性舗装ですが、表層の下地に不透水性層の路盤があり、表層を浸透した水が路盤以下には水が浸透しない構造のものをいいます。
通常、土系舗装は、表層から路盤に浸透し、路床まで水が流れていく空隙率の高い材料で構成されていますが、近年では、路盤には水が浸透しない路盤の材料が多く使われています。特に園路では支持力を高めるために、あえて再生材が使われるケースや遮断層を設置するためにわざと厚みを多くとることがあります。
路盤の一番の問題は、路盤材の選択というより、不透水性層の路盤であっても、下の図のように水のコントロールすればいいので、必ず対策を検討して欲しいという点です。
水のコントロールを検討してない場合、表層を透水した水が路盤の上に溜まると、毛管現象で表層に水がオーバーフローしてくるケース(表層の土が真砂土なので)や水の滞留で舗装材が硬化しないという問題が起きてきます。寒冷地では特に凍結膨張が起きるので、土系舗装の不具合が起き、寿命が短くなります。

よって、弊社では、排水性舗装の不具合という事態を避けるために、某自治体の屋外附帯標準設計集に記載されているように、再生クラッシャランではなく、透水性のあるクラッシャランをお奨めしています。
※再生クラッシャランにはコンクリートのガラなどが含まれており、空隙にセメントの粉などが入り、空隙づまりを起こし、透水しなくなるからです。

園路は元々歩行者や自転車が通る狭い歩道なので、横断勾配を設けるだけで排水できますが、端部が縁石ブロックや側溝で塞がれていたら、排水ができず、不具合が起きます。
その場合、側溝に水抜き用の排水孔を開けるか、透水性舗装用の側溝を選ぶといいと思います。
また、勾配のある坂道の場合、再生クラッシャランの路盤の上に土系舗装を設置すると、表層の舗装材が水を含み滑りやすくなるということもあります。
路盤を設置する場合、さまざまな角度から検討していただきたいと思います。
■ジオベストのお問い合わせは、
ジオサプライ合同会社 広島082-299-0681 神戸078-843-2561 名古屋052-766-6419
福岡092-518-3537へ。
もしくはジオサプライのホームページよりお問い合わせください。 

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土壌のアルカリ化

2023-03-21 04:38:47 | うんちく・小ネタ
一般的なコンクリートやアスファルト舗装はその耐久性の観点から空隙率が小さい舗装で、ほとんど水を通さない表面排水です。しかし、最近では多孔質構造の材料を使用し、表層の中に雨水が浸透、表層や路盤の上を雨水が流れて排水溝に流れる排水性舗装もあります。
ジオベストの土系舗装は、雨水が表層内部を通過して地中に浸透する透水性舗装です。雨水を地中に浸透させるためには、路床や路盤も透水性を持たせ、空隙率を高くする必要があります。

透水性のある土系舗装はあえて土の粒子と粒子の間に空隙をもたせ、雨水を通し易い構造となっています。
透水性・保水性があるため、舗装表面温度がアスファルト舗装に比べ約8℃下がります。
そのため、空隙に水や土、固化材から溶出した重金属類、強アルカリ排水が溜まり易く、その溶けた水が田や畑、河川・下水道などに流れ込み、環境への影響が大きくなるため、土系舗装は、水質汚濁対策が欠かせません。
水素イオン濃度はpHとして知られており、汚染度を示すものではありませんが、水棲生物の生活などに影響を与え、地盤改良剤やコンクリートを含んだ高アルカリの排水が原因で魚類を死なせた事例が多くあります。
よって、基準値を超えるアルカリ性の排出が検出されると、水質汚濁防止法や河川法などの違反となります。
土系舗装に使用する真砂土は、花崗岩が風化してできた砂ですが、地域によって黒っぽかったり、黄色っぽい色をしていたりします。これは元になる花崗岩の種類によって有色鉱物に富むかどうかによるものです。また、風化程度によって組成に変化が起きるので粒径や透水性なども異なります。風化の進んだものほどpHが低くなる傾向を示しています。
そのような真砂土ですが、混合する固化材によって、pH値が大きく異なります。
強アルカリでないと固めることが出来ない固化材もありますが、ジオベストは、水素イオン濃度の調整が可能であり、弱アルカリ性域で固化させることが出来る固化材です。
ジオベスト土系舗装では周辺環境にあたえる影響予測について、PH値をもって調査をしています。
試験は、土質試験法「土質工学会基準」土のPH試験法(JSF T 7)によって、ガラス電極式で行い、試料は、出来るだけ原位置状態のものを用い、蒸留水を使って解きほぐし、懸濁液を作っています。
その結果として、上澄水のPH値は、8.5~9.4の範囲で弱アルカリ性域に落ち着いていることを示しています。固化処理土が強アルカリ性を予想される場合は、酸性剤添加量の調整によって、pH5.8~8.6が可能としています。
同時にセメント系固化材や石灰系固化材についても調べると、PH値は11~12の範囲を示しました。これは植物や生物の生育限界を超えた値です。土壌がアルカリ化すると植物は養分を吸収できず、やがて活力を失い、枯死に至ることがあります。
ジオベスト舗装は、弱アルカリ性なので、人体・植物・昆虫への負荷が少ない酸化マグネシウムが主成分の土系舗装用の固化材です。
もう1つ重要なのは、普通ポルトランドセメント、高炉セメント、セメント系固化材、石灰系固化材等のセメントを含有している固化材で土壌改良を行う場合は、条件によって六価クロムが土壌環境基準を超える濃度で溶出する可能性があるので、事前に六価クロム溶出試験の実施が必要になります。よって、ため池、農地、お堀、河川等での利用は特に取り扱いに気を付けなければなりませんが、マグネシウム系の固化材の場合はそういった環境問題をクリアできており、安心して使用できます。





成分、pH値についてヒメダカ急性毒性試験やラット試験でも安全性が確認されています。
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植樹帯に使用する真砂土舗装材

2023-02-08 03:25:27 | うんちく・小ネタ
道路のそばにある植樹帯には、雑草対策として真砂土舗装材がよく使われます。
しかし、強アルカリ性の真砂土舗装材によって、樹木が枯れてしまったというお話がありました。
樹木にはアルカリに弱い樹木、強い樹木、酸性に弱い樹木、強い樹木などがありますが、基本的に樹木は弱酸性~中性土壌です。
クロマツなどは海岸によく植えてありますが、アルカリに強い樹木です。しかし、本当にクロマツはアルカリに強いかというと、弱酸性土壌が適しているそうです。

酸性土壌に強い樹木は、アジサイ、サツキ、ユーカリ、クスノキ、ツツジ、ブルーベリーなどがありますが、アルカリ性を好む樹木は、ブナ、ツゲ、ヤマモモ、コバノトネリコなど少数です。
街路樹としてよく見かける桜に適した酸度は、pH6.0~6.5の弱酸性です。土のpHが極端にアルカリ性に傾くと、正常に生育できなくなります。

ちなみに、ジオベストを配合したプレミックス商品「ジオミックス」は、樹木への負荷が少ない弱アルカリ性の商品です。
しかし、完全な中性の真砂土舗装材を望まれる方もおられるので、今年は中性の製品づくりに取り組んでみたいと思います。
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カーボンニュートラルとジオベスト

2023-02-03 00:25:15 | うんちく・小ネタ
ジオベストの固化のしくみは、下の図のように、酸化マグネシウムが土壌中の水分に反応して、水酸化マグネシウムになり、さらに空気中の二酸化炭素を吸収して塩基性炭酸マグネシウムを形成します。
これが土粒子同士の接着をもたらします。酸化マグネシウムは、水を加えて混ぜ、空気中の二酸化炭素を吸収するために乾燥状態で空気にさらされることで強度が大きくなります。セメントは乾燥状態になると、水和反応が阻害されて土とのボラゾン反応が生じる前に気中化で炭酸化が促進され、強度が出なくなるので、酸化マグネシウムとは反応が異なります。
ジオベストは、この酸化マグネシウム→水酸化マグネシウム→塩基性炭酸マグネシウムの流れが土粒子同士の接着をもたらします。しかし、空気中の二酸化炭素を吸収するとはいっても、通常、二酸化炭素の濃度は0.03%(300ppm)程度であり、以前と比べて増加しているものの反応できる量はわずかです。しかし、改良土は施工後も長期的に空気中の二酸化炭素を吸収していくので、二酸化炭素の吸収量はジオベストの施工面積に比例して大きくなります。いずれ施工面積当たりの二酸化炭素吸収量を示すことができるようになり、脱炭素化社会への取り組みの評価がされるようになります。
また、一方、ジオベストなどの酸化マグネシウム改良土に大量の二酸化炭素を吸収させる実験も行われており、その結果、短時間で飛躍的に改良土の強度を増すことが出来たという実験結果も発表されております。※興味のある方は弊社までお問い合わせください。
CO2吸収コンクリートについては、広く周知されつつありますが、コストが高くつくことや炭酸化することで鉄筋を腐食させる可能性があり、駐車場や道路のブロック.建築物の埋設型枠等、鉄筋を使用しないプレキャスト製品に限られていましたので、CO2を吸収する改良土や土ブロックの方が具体化は早いかもしれませんね。
さらにジオベストは、土中のシリカやアルミナと反応して硬化が促進されます。これにより長期間にわたり低アルカリ域で耐久性のある硬化物が生成され固化する仕組みです。

カーボンニュートラルとは、二酸化炭素排出量が実質ゼロの状態であることを意味しており、プラスマイナスゼロの状態のことです。つまり、「ジオベスト」の使用が増えるほどCO2が減っていくことに貢献できるようになります。ジオベストは、脱炭素化社会を目指す製品です。

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冬季の真砂土舗装

2022-12-08 03:11:24 | うんちく・小ネタ
一般的に土系舗装は気温が5℃以上でと施工条件がつけられています。
「なんで水が凍る0℃ではないのか」「気温5℃もあれば工事の温度としては十分だろう」と思われがちですが、ちょっと違います。
気温と地面の温度差というのが一番説明しやすいかもしれません。施工する環境条件によって違いますが、気温は地表より高い位置での温度なので、気温が3℃~5℃の時、地表は氷点下の0℃になると言われています。気温が7℃あるのに地面の温度は0℃という場合もあります。
昼間施工している時間帯は暖かかったのに、硬化する夜間は気温が急激に下がる内陸部の土系舗装の場合、翌日施工場所を触ってみたら、気温の低下で全然固まってないということも起きます。
つまり、気温が下がり、地表が凍結してしまうと土系舗装は固化反応ができなくなるので、固まらないということも起きます。でも、寒くても期末だから納期を遅らせることはできないため無理やり施工するということが多くなります。その場合、物理的にしっかり締固めをすることで、乗り切る以外ないわけです。
それでも固まるまでに時間はかかりますが、最終的に固まります。
しかし、固まるまでに、雨や雪に降られたら、土系舗装の空隙に水が浸入し凍結融解を繰り返すと、せっかく固めようとしているのに土系舗装が破壊されてしまうかもしれませんね。いわゆる凍害です。固まる前に雨に降られたら、土系舗装の表面が荒れるということも起きてしまいます。
水は不思議なもので、約4℃(厳密には3.98℃)で密度が最大になります。温度が下がって0℃に近づくとともに密度がだんだん小さくなり、個体の氷の密度はさらに一段と小さくなります。つまり4℃以下になると水は膨張して凍る準備を始めます。そして、約0℃になると109%膨張して凍ります。水がないと土系舗装は固まりませんが、この水の膨張が土系舗装にとってやっかいな存在になるわけです。

よって、冬季に真砂土舗装をする場合、いろんな工夫が必要になります。
・出来るだけ暖かい日が続く日を選んで施工する。
・真砂土は水を吸い上げるので、地下水位が高い場合、遮断層を造る。
・真砂土の細粒分を少なくする。
・舗装材は、春~秋に比べて含水比を少なくする(含水比調整)。
・土系舗装の内部に空隙を造らないよう、しっかり転圧をする。
・水の滞留を防ぐために水勾配をとる。
・路盤を設置する場合、路盤材の透水性を高める。
水の流入を防ぐ
水の排水経路を確保する。
・施工後は、ブルーシートなどで覆い、降雨をさける
・降雪が予想される場合、覆土などで凍害対策をする。
等です。真砂土舗装は、環境条件に左右されるので、難しい舗装です。特に冬季施工はさまざまな工夫をして乗り切るしかありません。
■お問い合わせは
ジオサプライ合同会社
広島☎082-299-0681 神戸☎078-843-2561 名古屋☎052-766-6419 福岡☎092-518-3537


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