公園整備などでは、土系舗装の歩道と芝生や植樹が隣同士になるケースは多いと思います。
特に「土系舗装の歩道」と「芝生」という組み合わせは、景観性を高めるために多くの場所で取り入れられています。
芝生と土系舗装の歩道との高低での位置関係についていえば、歩道の位置が芝生より高い位置にあれば水が流入しないので問題はありませんが、多くの場合、芝生より歩道の方が低い場合、下の写真のように芝生から水が流入します。よく雨が降ると芝生から水が流入しているのを見かけられることが多いと思います。芝生と歩道の間に、境界ボードが設置してあっても水はすり抜けて土系舗装に流れ込みます。
土系舗装は透水性舗装なので、地中に浸透すれば問題はありません。土系舗装はアスファルト舗装やコンクリート舗装と異なるのが、この透水性舗装であることです。
しかし、一時的に芝生から水が流入するのは仕方ないものの、下の写真のように地表に水が溜まると、いつまでも土系舗装の歩道は乾燥することが出来ません。つまり、この状態というのは、土系舗装は透水性舗装なので、水が浸透し、土系舗装の内部=空隙は満水状態と考えられます。
つまり、路盤まで水が浸透し、その水がフィルター層まで浸透しておれば問題はないのですが、土系舗装に使用されている真砂土という砂質土は、毛管現象を一番起こしやすい土になるため、一度浸透した水を再び吸い上げ、空隙を水で満たすということが起きます。
砂や砂利は空隙が広いので、毛管現象で水を吸い上げるということがありませんが、土系舗装に一番適している土が一番毛管現象を引き起こしやすい土なので非常にやっかいです。
地表に滞留した水は気温の変化で収縮膨張し、特に気温が下がると表面のひび割れ・剥がれを引き起こしやすくなります。土系舗装内部の空隙に溜まった水も同様に気温の変化で収縮膨張し、表面のひび割れなどの影響をもたらします。表面には水が滞留してなくても表面のひび割れでその場所の下の内部に水が溜まっているということがわかります。
よって、土系舗装の舗装構成の中で水の浸透ということからすると、路盤材に何を使うかということが一番重要になり、次にその下の地質=フィルター層が水を浸透しやすい土かどうかが課題になります。路盤材やフィルター層に透水性があるかどうかです。
次に排水対策です。
- 芝生や植栽と土系舗装の歩道の境界に素掘り側溝やU字溝を設けて芝生からの水を歩道に流れないようにする。
- 暗渠排水管を境界の芝生の下に敷設する。
- 芝生より歩道側の位置を高くする。
といった工夫が必要になります。そして、重要なのが、やはり、水勾配=路盤及び舗装の路面の勾配設けて水の排水対策をすることです。水勾配さえあれば、水溜まりは防げます。
下の写真は排水対策がされてない芝生に隣接する土系舗装になります。特に写真に見られるように、下部がアスファルト舗装なので水の逃げ場がないため、水が地中に浸透するのを待つという手段しかありません。それでも下部が浸透しやすい土壌なら水溜まりはできないと思います。
その結果どのようになるかというと、下の写真のように水の滞留は、土系舗装の表面の剥がれや荒れなどの損傷が起きるということが発生します。
よって、土系舗装の歩道と芝生や植樹が隣同士になるケースでは、これまで見てきたように何らかの対策が必要になります。
②渠排水管を境界の芝生の下に敷設する場合、下の写真の位置に入れて芝生から歩道への水の流入を防ぐのが有効な方法です。排水対策は、どのような場所であっても土系舗装では一番重要な対策です。
ここでは芝生と土系舗装の歩道についてご説明をさせていただいておりますが、植栽と土系舗装の歩道の場合も同じことが言えます。
この透水性舗装である土系舗装ですが、弊社では土系舗装に、酸化マグネシウムを主成分としたジオベストという固化材を使用して固めています。一番多く使用される土が真砂土ですが、毛管現象を防ぐにはシルト分を少なくするというのも対策になります。また、固化材を多く入れて固めるほど透水性は悪くなりますので、施工する地域に合わせた固化材の配合の適正化も必要になります。
寒冷地の場合は凍害が起きやすくなりますので、空隙が小さく水が溜まりにくい土を使用する工夫も必要です。
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