ジオベスト

環境にやさしい、人にやさしい環境配慮型商品や土系舗装のことが満載。

園路舗装と排水

2021-01-08 16:55:16 | うんちく・小ネタ
広島の中心地、供養塔のあるこの公園には多くの樹木が植えられ、市民の憩いの場となっています。

そして、ここでは緑以外に、自然の土を固めた土系舗装を見ることができます。

それでは、今回のテーマ「園路舗装と排水」について検討していきたいと思います。
園路というと、水溜まりのない、何より安心して歩ける歩行性が大事なので、ユニバーサルデザインの舗装材料が求められています。そして、車椅子の人や子供から高齢者までが利用できるような配慮も必要です。
下の写真の園路は、縦断勾配が2~3%ぐらいある緩くて長い坂道になります。舗装材の敷均、転圧作業が終わったところです。
ここの場合、区間距離が長いので水ミチが出来て、洗堀により、土が流出することがあるので、横断勾配をとって、適切な雨水の排水を必要としています。

通常、側溝があれば、下の図のように、横勾配をとります。

ここの場所は雨水排水横断側溝がとれないので、片勾配をとり、雨水枡に雨水を集めて排水します。よって、雨水枡がある側が少し低くなっています。
両側に縁石がない場合は、園路の中央部を高くとり、左右に振り分けにして雨水を流します。そして、中央部を車椅子でも安全に通れるように、緩い勾配にするのがベストです。
下の写真は、施工後1ヶ月目です。


下の写真は、3年3か月経過したところの園路です。
園路の終点には、グレーチング(排水溝の蓋)が見えます。長い坂道を流れてきた雨水は、ここに排水されます。
雨水枡も側溝も、土系舗装は透水性舗装なので排水設備は必要ないのではと思われがちですが、勾配があると表面排水の比率が高くなるので対策が欠かせません。また、土系舗装の表層から透水してきた雨水がちゃんと枡に排水できるように、雨水枡や側溝の上部に穴を開けたり切れ目などで水の侵入口を開けておくのがベストです。最近では、透水性舗装用側溝も販売されているので、それを利用した方が穴を開ける手間が省けます。

■ジオベストのご相談は
ジオサプライ合同会社 広島082-299-0681 神戸078-843-2561 名古屋052-766-6419
福岡092-518-3537へ。
もしくはジオサプライのホームページよりお問い合わせください。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

寒波 土系舗装

2021-01-01 04:54:43 | うんちく・小ネタ
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。


今年は新型ウイルスコロナ感染対策で自粛生活を余儀なくされている方も多いと思いますが、年越し寒波で、せっかく施工した土系舗装が雪や気温の低下で不具合になってしまうのではないかという心配をされている方もおられると思います。

土系舗装は、透水性舗装であり、保水率の高い舗装なので、低気温、降雪、積雪、降雨があると、空隙に水が浸入し、凍結融解を繰り返し、ひび割れや剥がれなどの凍害を起こす危険性があります。
冬季施工をする場合、施工する上で、気をつけなければならない、いくつかのポイントを上げてみますと、以下のことが考えられます。

➀施工時期を選ぶ・・・できるだけ気温が5度以上の暖かい日を選んで施工する。ほとんどの土系舗装は、気温が5度以下になると固化反応が停止するので気温が5度以上になる日を選びましょう。

②寒冷地帯の土工は機械施工で・・・期末に工事が集中するので、5度以下でも工事を強行せざるをえない場合が多いと思いますが、その場合、締固め機械の選択は人力施工ではなく、十分な転圧が出来る機械施工用の重機が望ましいといえます。※3-4トン搭乗式転圧ローラ等

③排水勾配をつける・・・水が滞留しないよう、縦勾配だけでなく、横勾配にも注意しましょう。例えば園路の中央を高くして、園路の両側、もしくは低い側に水が流れるようにします。

④路床・路盤も水が浸透する材料を使用する・・・表層の真砂土舗装が水を透水させても、その下が透水する材料でない場合、水の滞留が起き、凍結膨張などで土が盛り上がり、クラックが起きることがあります。よって、下地の路盤にも勾配をつけて、排水に気をつけましょう。

⑤水の流入を防ぐ・・・寒い時期の水の表層への流入は表層の剥がれにつながります。

⑥保温養生を行う・・・本来は保温シートを敷き、凍害を受けないよう工夫をします。もしくは約1㎝程度の覆土で保温養生をしましょう。

⑦舗装材料の凍結温度を下げる・・・施工直後から所定の強度が得られるまでの間、土系舗装中の水分が凍結しないように、凍結温度を下げるために凍結防止剤(塩化カルシウム)を混合しましょう。

これまでの寒冷期の凍害対策としては、覆土が一番容易で、効果が高かったという試験結果があります。それでも凍害に遭った場合、40日程度以内であれば再転圧することで、再び硬化します。おかしいと思ったら、早めの対応が必要ですね。
ジオベストによる土系舗装で困ったことがあれば、ご相談ください。

■ジオベストのご相談は
ジオサプライ合同会社 広島082-299-0681 神戸078-843-2561 名古屋052-766-6419
福岡092-518-3537へ。
もしくはジオサプライのホームページよりお問い合わせください。
 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山道の冬季施工

2021-01-01 04:27:58 | うんちく・小ネタ
山道を冬季に施工したいという問合せがありましたので、ジオベストを使用した登山道の施工事例をご紹介させていただきます。
現場は降雪がある山の中ですが、新規に登山道を造るために、工事は気温の低い12~2月に行われました。下の写真のように、雪が積もっていました。

新規の登山道整備なので、資材は工事用モノレールで運搬します。たまたまこのあたりは雪が溶けていましたが、通常は積雪があります。



登山道は、予め擬木で縁石や階段が造られ、最後にジオベストによる土舗装(防草)工事が行われる流れでした。混合する現地土は雪解け水で下の写真のように泥濘化していました。
よって、水は必要ありませんでしたので、固化材と水分を含んだこの現地土を手作業で混合して、敷き均していくわけですが、気温が低いので、固化するのは春を待つしかありませんでした。

工事2か月後に現場に向かうと、下の写真のように、ほぼ固まっていました。
【施工後2か月経過】



そして、冬を越して、1年後の経過写真が下になります。



アップ写真を見ると、固まっているのがわかります。

冬季施工で気温が低く、雪による保水率が高い土系舗装なので、雪による凍結融解で崩れる恐れがありましたが、この場所は凍結融解の頻度が低く、積雪による保温養生が功を奏しました。そして、斜面に造られた登山道なので、水の滞留がないということがメリットになりました。
しかし、凍害が起きるリスクを考えたら、暖かい時期の工事をお奨めします。
固化材だけを現地に運んで、現地土と混合することで山道の整備ができる手軽さという点は、ご理解いただけたのではと思います。
下のような山の上にある鉄塔までの道を防草対策で整備したいといった場合などにお奨めできます。


■ジオベストのご相談は
ジオサプライ合同会社 広島082-299-0681 神戸078-843-2561 名古屋052-766-6419
福岡092-518-3537へ。
もしくはジオサプライのホームページよりお問い合わせください。 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする