Genの思いつ記(Gen建築設計所)

人はいろいろであります。いろいろな日常を思いつくままに記録していく建築設計事務所のブログです。

住まい体験 その4

2009年03月30日 | ブログ

淡路島の合宿も無事に終わり、2級建築士の授業が今週から本格的に始まる。

こちらとしては今だに心の準備ができておらず、木曜日の初授業までには準備をしておかなければ。今年は54名の学生がいる。今までで一番多い。どこまできめ細やかな授業ができるだろうか。結果がでる授業だけにそれなりのプレッシャーがかかる。

 

さてさて今回は、住まい体験なるものを書こうと思っているのであるが、あまり裕福な家庭に育っていないため、そうそう立派なことは書けないのである。人の設計した家に関してはそれなりにみてきたので、書けるのであるがそれでは面白くないので、自分が経験してきた家の中でテーマを絞って書いてみようと思う。

 

ボクが住んできた家で共通してことといえば、その狭さである。人口密度が高い。それはある一つの部屋に関してではあるが。。。その部屋というのは皆が集まるところ、すなわちリビングやダイニングである。今でも子供が小さいと食事することが家族のメインイベントであり、その周辺の部屋というのが家族の中心の空間になる。子供が大人になると時間的なことでなかなか一緒に集まれず、一体感がなくなるのは仕方ないことかもしれない。皆、自立していきますから。

 

ただ、許される限り、一緒に時間を過ごして一番楽しいのは食事をしている時間若しくはその後のまったりした時間を過ごす部屋である。そういう部屋というのは重要な部屋ではないだろうか。そういう意味では設計者としていろいろな仕掛けをつくって家族が一緒にいられる時間を楽しく過ごせるようなことに努力するのであるが、それだけではうまく機能しないときがある。結局は、その家族で楽しい時間を過ごせるようなことを意識して行動してもらわないといけない。器だけでは限界があるのである。

 

それでも理想を追いもとめて設計者は設計するのである。が、打合せをするのはクライアントであるご両親とするのであって、子供とはしない。最近は男性が家に興味を持っているようで、お父さんとも打ち合わせする機会が増えてきたが、子供の意見は聞けない。家族会議というものがあるのであれば、是非とも参加してみたい。まあ、お金を出すのがご両親であるから夫婦のつくった家というのであれば、子供の意見など聞かなくてもいいという意見もあるのである。ただ、最近は家の寿命を延ばしたければ住む人の感情移入が大切だと思うこともよくあり、そういうことならば、次世代につかう子供の意見を取り入れた住宅があってもいいのかと思う。

 

話しはすっかりそれてしまった。取りあえず、今回の話しをまとめていくと、住宅を長持ちさせるためには家に対して思い入れがないといけないと思っている。そのためには どんな些細なことでもいいので気に入っている空間がないといけない。それが、一番効果的なのが、リビングやダイニングであると思う。そこには家族の歴史が刻まれていくはずであるから、予算をかけて納得のいく空間をつくらなくてはいけない。他を辛抱してでも・・・。

 

これはワンルームに近いほど家族の絆が築かれていくということを実感している一人の設計者の意見である。家族の集うワンルームをどこに求めるか、どういう風につくるか、それが住宅のミソではないだろうか。