「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「自虐の詩」

2007年10月19日 23時15分33秒 | 映画
 
 またまた 堤幸彦監督の新作です。

 「嫌われ松子の一生」 「7月24日通りのクリスマス」 と、

不幸を一身に背負った 役が身に付いてきた、中谷美紀 (幸江) が主役です。

 幸枝は 母親の顔を知らず、父親は 銀行強盗で服役中。

 やくざ者のイサオ (阿部寛) と 同棲しています。

 イサオは 些細なことでキレて、ちゃぶ台を ひっくり返すのが “特技”。

 仕事もせず、一生懸命働いている幸江から 金を巻き上げては、

何度も 警察のお世話になる始末です。

 そんな幸江の 心の支えになっているのは、中学の同級生・熊本さんでしょう。

 貧乏同士で クラスの仲間外れ。

 一度は崩れかけた友情も、殴り合いの末に 契りを結びます。

 「幸せになりてえ」 と 将来を誓い合ったのでした。

 それが何で、こんな ちゃぶ台男に尽くす生活を しているのか? 

 幸江が妊娠しても 「おめでとう」 の一言さえなく、

逆ギレして 「出て行け」 と言い放つ。

 挙げ句の果て 幸江は、歩道橋から転落してしまいます。

 でも……こんな男でも、昔は 純粋に愛してくれていた。

 体を張って 幸江を守ってくれた。

 その愛が 蘇って……。

 笑いあり涙ありの 怒濤のエンターテイメントを、

堤幸彦が また見せてくれました。
 


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