「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

光市母子殺害事件 第2回集中審理(3) 上野正彦氏の証言

2007年07月26日 15時28分07秒 | 光市母子殺害事件
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/49144088.html からの続き)

 「死体は語る」 の上野氏が、昨日の公判で どのような証言をしたのか

 ということを、インタビューを交えて TBSで放送していました。

 弥生さんの首には、被告の4本の指の跡が 付いていますが、

 下側 (鎖骨に近いほう) の指跡が長く、

 上 (顎に近いほう) にいくに従って 短くなっています。

 検察は、被告が左手で、順手で (人指し指が顎のほうで、小指が鎖骨のほう)

 被害者の首を締めた跡だ という見解です。

 下側の指跡は 小指の跡で、中指や人指し指の跡より 長くなっているのですが、

 それは 小指の付け根から掌の部分 (空手チョップで相手を打つ部分) の跡が

 付いたためだとしています。

 これに対して上野氏は、掌の部分は柔らかいので、この部分の跡が付くとしたら、

 もっと面積が広くなっているはずだ と指摘します。

 従って 長いほうの指跡は人指し指で、

 被告は逆手で 被害者の首を締めたことになる、という結論です。

 この裁判は不思議で、法医学的な鑑定がなされないまま 最高裁までいってしまった、

 と上野氏は 疑問を呈しています。

 しかし もし、被告が逆手で 被害者の首を押さえたとしても、

 手が滑ったのではなく、初めから絞殺するつもり だったかもしれません。

 また仮に 誤って手が滑ったのであれば、すぐに手を離すはずで、

 窒息するまで 締め続けたというのは、やはり殺意があった

 ということになるのではないでしょうか。

 最高裁の認定は、被告は 弥生さんの首を両手で、順手で 締めたというものです。

 これに対して 今回の弁護側は、片手で、逆手で締めたと 主張しています。

 上野氏は 弁護側の説を認める 死体所見を述べましたが、

 手が滑ったとは限らず、殺意がなかったとは考えていません。

 被告には極刑があってもいいと 個人的に言いながら、

 しかし殺害方法は 検察側のいうようなものではない、という立場です。

 
 また、夕夏ちゃんについて 最高裁は、

 被告が夕夏ちゃんを 床に叩きつけ、ひもで首を強く絞めた としています。

 一方 弁護側は、あやそうとしたが 力が入らず落としてしまった,

 泣き止ませようと チョウチョ結びにしたという意見です。

 そして上野氏は、叩きつけたにしては 被害者の傷の 皮下出血の程度が弱く、

 180センチ近くの高さから落とされれば 即死することもあるのではないか

 と述べました。

(実際は 夕夏ちゃんは泣き止まず、弥生さんのほうへ這っていった)

 「落下しただけ」 という 新証言のほうが

 自白よりも信用できる と証言しています。

 首に巻いた ひもに関しても、それほど強い力で 締めた跡はないとし、

 最高裁の認定には 否定的であるようです。

(確かに 床に叩きつけたという点には、僕も漠然と 不自然さを感じていました。

 けれども 大勢に流されて、深く考えていなかったみたいです。(・_・;) )

 それから 元少年は今回、最初に 被害者の後ろから

 スリーパーホールドのように 首を押さえたと、新たな証言をしました。

 弥生さんの顎には 円形の傷があり、それは 被告の作業着のボタンの跡と一致すると、

 法医学の証人・大野教授は述べ、元少年の新証言の 信憑性を認めています。

 もっとも、これらは 元少年の殺意を 否定することにはなりません。
 
 ただ一審二審は、粗雑な審議をしてきた ということなのかも知れません。
 

 昨日の法廷で、元少年は ランニングに短パン姿、

 頬を膨らませるように 口の中で舌を動かしながら、証言を聞いていたということです。

 弁護団の方針が 殺意はなかったするものなので、

 反省する必要がない ということなのでしょうか。

 本村さんも言うように、弁護団は 元少年の改悛の機会をも奪っている

 と思わざるを得ません。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/49164455.html
 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿