「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

死刑存廃について (3) 遺族感情 1

2007年12月30日 18時45分12秒 | 死刑制度と癒し
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/51923846.html からの続き)

 死刑賛否の論点は 主に、

 遺族感情,誤判の可能性,犯罪抑止力,残酷な刑の禁止 があります。

 順に見ていきたいと思います。

(1)遺族感情

 多くの人が、被害者遺族の報復感情の 慰謝を理由に、

 死刑に賛成しているのではないでしょうか? 

 でもここが、僕が常に 一番訴えているところです。

 死刑によって 遺族の感情が 本当に慰撫されるのか? 

 それより カウンセリングやグループ療法など、心理的にケアをする プログラムが

 何よりも必須ではないか、ということです。

 経済的,法律的な 犯罪被害者支援は、ようやく一歩を 踏み出しましたが、

 心理的な手当ては 極めて遅れています。

 この分野の研究を、世界的に進めてほしいと 強く願うものです。

 受刑者の更生プログラム (後述) の 効力と共に、

 加害者が生きて 真に改悛し、心の底から謝罪して 罪を償うことこそが、

 被害者遺族の癒しに なるのではないかと思うのですが、いかがなものでしょうか。

 また、被害者遺族の全てが、犯人の死刑を 望んでいるわけではありません。

 死刑制度反対の信条を 持っている人もいるし、

 事件や犯人のことには もう触れたくない,思い出したくもないという人も

 少なくないのです。

 事実、死刑判決に強く抗議した 被害者遺族もいます。

 下記URLから始まる 一連の記事で、僕はそれについて 書いています。

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/29733348.html

 “被害者感情” という言葉が 一人歩きし、

 外野席だけが 「犯人を死刑にしろ」 と 声を荒らげている気がします。

 被害者遺族が 死刑を望まない場合でも、死刑判決が下されてしまうのは、

 本末転倒ではないでしょうか。

 我々は 個々人によってそれぞれ異なる、真実の 被害者遺族の感情というものを、

 理解しなければならないと思います。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/51947990.html
 

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